1グラムのホコリの中にダニが1万匹!?
(資料提供:KINCHO)
ダニは高温多湿を好むため、家の中では主に布団やソファ、カーペットなどに潜んでおり、人のフケや皮脂、食べかすなどを摂取します。ダニの死骸やフンを吸い込んでしまうと、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患を引き起こす可能性があるといわれています。
ダニはそのほとんどが1ミリ以下と非常に小さく、肉眼では見えませんが、どんなにキレイにしている家にも必ず潜んでいるといわれています。
実は、ダニは昆虫ではなくクモやサソリの仲間。世界では1万種類以上が確認されているそうです。屋内に生息するダニは主に「ヒョウヒダニ」「コナダニ」「ツメダニ」の3種類で、総称して「屋内塵性ダニ」と呼ばれます。ホコリ1グラムの中にいるヒョウヒダニやコナダニの数は、多いときでなんと1万匹を越えるのだとか。
いくら1ミリに満たない小さなダニとはいえ、家の中にこれだけの数が生息していると思うと、ぞっとしませんか。しかも、ツメダニは人を咬むこともあります。
現代の家屋は気密性が高く、また暖房器具などが普及したことにより、家の中は1年中ダニが好む高温多湿の環境に保たれているといってもいいでしょう。ですから、ダニ対策は1年を通してする必要があるのです。
感染症を媒介する危険なダニも……
死骸やフンがアレルゲンとなる屋内塵性ダニのほかに、吸血したり、重篤な症状を引き起こす感染症を媒介する可能性があるのが、マダニです。
ダニ関連の製品も取り扱う、殺虫剤メーカーのKINCHOは次のように説明します。
「マダニは屋外で生息していますが、ペットの散歩やキャンプなどの野外活動の後、ペットの身体や人の衣服に付いて屋内に持ち込まれることがあります。草木の多い所など、マダニが生息する場所に行く際は、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を控えると効果的です。明るい色の服を着ると、マダニが付着したことに気付きやすいです。家の中に入る前には、マダニが付着していないか確認しましょう。ペットの身体にもついていないか、忘れずに確認してあげてください」
マダニに咬まれた際、無理に引き抜いたりすると、マダニの一部が皮膚に残り、化膿することがあります。また、マダニが媒介する感染症には死に至るものもあります。万一マダニに咬まれてしまったら、すぐに医療機関を受診してください。
ダニの一種であるツツガムシの幼虫に咬まれて感染するツツガムシ病も、治療が遅れると死亡率が上がる感染症です。ツツガムシは野山や田畑、河川敷などに生息しています。作業やレジャーでそのような場所に行くときは十分注意しましょう。
ダニ用製品でしっかり対策しよう
さて、家の中にいるダニは、どうやって駆除すればいいのでしょうか。
まずは殺虫剤の使用が考えられますが、ダニが多く生息しているのは、寝具やソファ、カーペット、カーテンなど。いずれも肌に触れることが多い場所ですから、どのような物を使えばよいのか気になりますよね。
KINCHOのダニ対策製品には、殺虫成分を使用した「駆除剤」と、天然由来のダニよけ成分を使用した「ダニよけ剤」があるとのこと。
駆除剤には「ピレスロイド」という殺虫成分を使用しており、「ピレスロイド」には、次のような効果と特徴があるそうです。
① 速効性がある
② 忌避(イヤがって近づかない)効果がある
③ 追い出し効果(フラッシングアウト)がある
④ 安全性が高い
「ピレスロイドは害虫の皮膚や口から入り、神経に作用しマヒさせます。哺乳類・鳥類などの恒温動物は、ピレスロイドが体内に入っても速やかに分解され、短時間で体外へ排出されます。また、自然界においても、光、空気、熱に触れると分解されやすく、必要なときに必要な場所で効力を発揮して、その役目が終わればすぐに分解されて消えていくという、環境に優しい点も特徴です」
そんな優れものですが、昆虫や魚類にも殺虫効果を発揮するので、お家で熱帯魚や金魚を飼っていたり、お子さんがカブトムシなどを捕ってきたりすれば、当然それらにも効いてしまうので、使用の際は注意が必要です。
ダニ対策は「駆除」と「予防」の合わせ技がポイントです。
まず、増えてしまったダニを「駆除」しましょう。ダニの死骸はアレルギーの原因になるので、駆除剤を使用した後は忘れずに掃除機をかけてください。
駆除ができたら、新たにダニが侵入してこないように「予防」をしましょう。ダニよけ剤にはスプレータイプや、ビーズタイプなど置き型のもの、寝具のスキマなどに挟み込んで使用するタイプなど、さまざまな種類があります。好みや使用する場所に合わせて選ぶと良いでしょう。
次回は、ダニが発生しにくい家にするリフォームをご提案します。
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