災害への備え「新常識」[第3回]

自然災害に強い家とは?

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防災リフォーム

屋根のリフォームを考えよう

ガルバリウム鋼板をベースに、天然石材を吹き付けたLIXILの屋根材「T・ルーフ」シリーズ。

 自然災害の多い日本。特に近年は台風や大雨の被害がより大きくなっており、大地震の危険性も叫ばれています。比較的新しい家は災害に耐えられるよう建てられていますが、築年数が長い家は注意が必要です。

 2019年に千葉県を直撃した台風では、古い家ほど屋根瓦が吹き飛ばされ、何カ月もブルーシートで覆われたままでした。こうした被害を防ぐために、もし屋根の耐久性に不安のある家にお住まいであれば、災害に強い屋根にリフォームをしてはいかがでしょうか。

 築年数が長い家の中には瓦葺きの屋根が多数あります。紫外線に強く、耐久性に優れ、メンテナンスもしやすいと、メリットの多い瓦屋根ですが、自然災害に弱いというデメリットがあります。また、瓦は非常に重量があり、屋根が重いと家の重心が高くなるため地震のときに大きく揺れるのも弱点。現在は軽量の屋根瓦なども出てきていますが、屋根材の主流はスレートなどの、より軽量なものに移っています。中でもガルバリウム鋼板の屋根材は非常に軽量で施工性も良く、金属でありながらサビにも強く、耐久性にも優れて人気を集めています。軽量で地震の際も揺れが小さく、防水性が高い上にしっかりと固定できるので暴風雨にも強い屋根に仕上げることができます。

 一般的にガルバリウム鋼鈑は防音性が低く、雨音が響くといわれています。定期的に塗り替えも必要です。しかし、ガルバリウム鋼鈑に天然石材を吹き付けたLIXILの「T・ルーフシリーズ」は、ガルバリウム鋼板の良さである、軽量で暴風雨にも地震にも強い特徴を備えながら、防音性も高く、30年間塗り替え不要(※基材30年保証)の耐久性を誇っています。

飛来物に強い窓にする

雨戸やシャッターがない窓に取り付けられるLIXILのリフォームシャッター。

 自然災害に負けない家の条件は、丈夫な屋根にすることともう一つ、風に強い外壁や窓にすることです。

 特に窓は、暴風が吹いたときにさまざまなものが飛んできて窓ガラスが割れてしまうことがあります。それを防ぐために効果的なのが雨戸やシャッターです。

 最近の新築戸建て物件は、外観のデザイン性を重視したり、サッシの性能が高くなったことから、窓に雨戸やシャッターがないものも増えています。

 しかし、暴風で何か重いものが飛んでくるケースを考えると、やはり雨戸やシャッターがあるほうが安心です。LIXILでは、さまざまな雨戸やシャッターをラインナップしています。雨戸やシャッターがない窓に後付けできるリフォームシャッターもあります。雨戸やシャッターを付けると、防災ばかりでなく防犯効果が高くなるというメリットも生まれます。

■リフォームシャッター
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/rshutter/

耐震性能の強化

 古い建物は、耐震補強が必要な場合もあります。地震はもちろん、暴風雨で倒壊した建物も少なくありません。耐震補強はどちらの対策にもなります。

 耐震補強工事には、壁に筋交いを設置する、既存の壁に耐震パネルを取り付ける、壁に補強金具を取り付ける、柱や梁を追加するなどの方法があります。リフォーム会社としっかり打ち合わせをして、地震などの災害に強い家に変えていきましょう。補助金や助成金制度、税制の優遇などさまざまな制度が設けられていますので、うまく活用すれば費用をぐっと抑えることができます。

生活の中心を上階に

 台風や大雨による洪水への対策も万全にしておいたほうがいいでしょう。ハザードマップなどを確認して、自宅が浸水する危険性がある場合、1階や地下に防水壁を設けたり、排水性を上げる工夫をすることも重要です。

 また、もし家が浸水する危険性が高いのであれば、主な生活空間を2階以上の高い場所にしておくという手もあります。主な生活空間を1階にしていた場合、浸水してしまったら家財道具や食料などはすべて水に浸かり、使いものにならなくなります。しかし、普段から生活空間を2階以上に設けておけば、食料や家財道具は水没を免れる可能性が高まります。

 水害の危険性が高い地域にある家ならば、こうした観点から暮らし方を考えていくのもいいのではないでしょうか。

いざというときのため!防災用品

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文◎坂井淳一
画像◎Shutterstock

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