エアコンのクリーニングを依頼するのは、「何か変なニオイがする」といった症状がきっかけという方が多いでしょう。ニオイの発生を抑え、またエアコンを効率よく稼働させるには、定期的にフィルターを掃除することが大切です。フィルターをこまめに掃除しているのに変なニオイがするときは、プロに依頼する前に自分でできることはあるのでしょうか。
「フィルターの奥にある熱交換器にホコリが詰まっていないでしょうか。掃除機で吸い取ったり、刷毛や歯ブラシでそっとこすってホコリを取り除きます。もし吹き出し口に黒いカビがついていれば、拭き取りましょう。ただし、掃除機ノズルの先端を熱交換器と接触させてしまうと熱交換器のアルミフィンが倒れてしまうので、私たちも細心の注意を払って作業します」
でも、素人ができるのはここまで。それでもニオイがするなら、即プロに任せましょう。
お掃除サービスを提供するカジタクなら、エアコンの室内機で外せるところはすべて外し、フィルターはもちろんのこと、熱交換器の薄いアルミ板の細かな隙間も、業務用の高圧洗浄機で隅々まで洗浄してくれます。プロの実際の掃除プロセスを追っていきましょう。
1. エアコンまわり、部屋をカバー
床にはシートを敷き、エアコンまわりを養生。壁が濡れたり部屋が汚れたりしないように、万全の準備を整える。
2. パーツを分解
試運転をして不都合がないことを確認。コンセントを抜いて、エアコンの外せるパーツをすべて取り外す。
3. フィルターの掃除
フィルターの内側から外側に向けて汚れを落とし、きれいに洗浄する。
4. 高圧洗浄
エアコン本体に専用のビニールカバーをかけて、業務用の強力な高圧洗浄機で熱交換器の汚れを洗い流す。汚れた水は、カバーにつながれたホースを通して排水バケツに。掃除機能付きエアコンの場合はプロでも気を遣う作業だそう。写真の機種なら、右側のカバー内にある基板には絶対に水をかけないようにする。
※写真のエアコンはお掃除機能が付いていないタイプです。
5. 防カビ処理
洗浄後の熱交換器、吹き出し口に、専用のスプレーで防カビコーティングを施す。この工程でニオイの原因となるカビが発生しにくくなり、カビ臭を抑えることができる。
6. 作業完了
取り外したパーツを元通りに取り付け、完了。
予約は大掃除シーズンが始まる前に!
エアコンの機種によってさまざま特徴があるが、カジタクのトレーニングセンターでは、メーカーごとに最新型を用意して理想的な洗浄を研究している。
エアコン用洗浄剤はホームセンターなどでも手に入れることができますし、高圧洗浄機も普及していますが、熱交換器の洗浄等、本格的な洗浄作業は一般ユーザーにはおすすめできません。
「最近のエアコンは、熱交換器のフィン(薄いアルミ板)の並びが旧式のエアコンに比べて密になっており、機種によっては厚みも増し、薬剤が奥まで届かないばかりか、市販の高圧洗浄機では汚れが落とせない可能性があります」
加えて、部屋やエアコンまわりの養生が十分でないと、壁や床がびしょびしょに濡れてしまうリスクがあります。とくに掃除機能付きのエアコンは、プロも気を遣う難敵です。基板を濡らさないようにするにも高い技術がいります。ですから、ここは無理せずプロに任せることを強くおすすめします。
また、暖房運転をはじめる冬前はエアコンクリーニングの予約が取りやすいですが、大掃除のシーズンは繁忙になります。年末になると予約が取りにくくなりますので、なるべく早く申し込みをされた方がいいでしょう。
■リクシルのお掃除サービス
https://owners.lixil.co.jp/cleaning/airconditioner
第3回では、エアコンの買い替え時期のポイントをご紹介します。
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