持っておくべき必需品とは……?
藤田先生によると、家庭菜園を行う際には、以下の5つが必需品なのだとか。
プランター、培養土……野菜を植える
ジョウロ……水をあげる
移植ゴテ(スコップ)……野菜の苗を移植したり、土をすくったりする
ハサミ……収穫する、剪定する
必要なものがわかったら、早速道具をそろえましょう。
さて、どこのメーカーのどんなものが良いのか、と考えるかもしれません。しかし、これらのアイテムは、基本的に「使えれば問題ないもの」がほとんどだそうです。
「ジョウロや移植ゴテ(スコップ)、ハサミは、100円ショップなどで売っているものでも、十分に役目を果たしてくれます。ただ、使い心地が気になる人や、長く使い続けようと考えている人は、少し高くても耐久性が高く、丈夫な商品を買うことをおすすめします」
ジョウロはペットボトルなどで代用することもできますが、4~6リットル入る中型のものだと、何かと使い勝手が良いそうです。
必需品といっても比較的自由度が高いことに驚きます。ただ、特に気を付けて買うべきものもあるといいます。
しっかり選ぶべき2つの道具
「『プランター』と『培養土』は注意して買いましょう」と藤田先生。
「この2つは、野菜の栽培環境を大きく左右します。適当に選んでしまうと、上手く育たない可能性が高くなってしまうのです」
では、それぞれどのように選べば良いのでしょうか。
「プランターは、栽培する野菜によって、サイズを十分に検討してから買いましょう。野菜は想像以上に大きく育つものも多く、慎重に選ばないと、サイズが合わずに成長の邪魔をしてしまうおそれがあります」
また、プランターを複数用意した方が良い場合もあるそうです。
「苗を育ててから栽培途中で植え替えしたり、種から育てて大きくなった苗をプランターに植えたりするなど、何かと必要になることも多いのです」
そして培養土は、特に気を配るべき用品なのだとか。
「庭や近くの土を使おうとする初心者をよく目にしますが、家庭菜園をする場合、これは好ましくありません。野菜が育つために必要な栄養が、十分に含まれていない場合があるからです。使う土によっては、まったく育たないこともあるでしょう」
藤田先生いわく、「培養土は買ってくるもの」とのこと。
「ホームセンターに行って、『培養土』を買いましょう。培養土は、花や観葉植物用のものから、野菜用、種まき用など、用途に応じてつくられており、それぞれの栽培に必要な栄養がしっかりと入っています。これを使うだけで、植物は育ちやすくなるのです」
ただ、種類がたくさんあるため、間違いやすいのがネックなのだそうです。家庭菜園の場合は、野菜用に調整された培養土かどうか、確認してから購入しましょう。
大事な野菜を守るアイテム
「家庭菜園をするにあたって、環境から受ける被害を減らす努力は欠かせません。特に虫は大敵なので、対策が必要です」
では、野菜を虫から守るためには、どうすれば良いのでしょうか。
「防虫ネットを用意しましょう。できれば、折りたたんである大きいものを買い、使う場所に合わせて短く切って使ってください」
防虫ネットは、虫以外に鳥などからも守ってくれるため、非常に重宝するのだとか。
「また、トンネル支柱も合わせて買っておくと便利です。野菜の上部をシートで覆うと、雨を避けて余分な水分をカットしたり、支柱に防虫ネットを張ったり、さまざまな用途で活用できます」
ただし、狭い場所では使えないこともあるので、大きさを事前によくチェックしておいたほうが良いですね。
また、野菜が病気になってしまったり、虫害が出てしまったりした場合には、農薬を使うと効果的なのだそうです。
「もしも、野菜が実際に被害を受けてしまったら、即座に適切な農薬を使って対策しましょう。人体に影響のない『自然農薬』がおすすめです」
病気に対してはサンボルドーなどの銅剤、虫害に対しては石けんや水あめの成分が使われた薬剤など、それぞれの被害に対応した自然農薬があります。
「ただ、農薬は、野菜の生育を促すために必要なものではありません。病気や虫の被害を受けた際の対策として、使う機会を限定しましょう」
必要以上に薬を用いるのではなく、トラブルを解決するためだけに使うべきということですね。
今回は、家庭菜園に必要なアイテムについて、詳しく教えていただきました。次回は、初心者でも簡単につくれる野菜について、さらに家庭菜園のやりがいについて、藤田先生にお話をうかがいます。
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