ツインデミックを防ぐ!感染症に負けない部屋作り[第3回]

部屋が冷えるとウイルスは長生き?冬の適切な室温は

空間
リビング・寝室・居室
関心
季節

4℃なら14日間!
温度が低いほどウイルスの感染力は長く続く

 感染症対策として、室内の適度な温度と湿度を保つことが重要です。日本リスク学会の研究結果によると、新型コロナウイルスの感染力持続期間は、37℃の場合は1日、22℃の場合は7日間、4℃の場合は14日間と、温度が低いほど感染力が長く続くことがわかりました。ドアノブなどにウイルスが付着した場合、温度が低いとこんなに長く生き延びているなんて、驚きです。温度と湿度が低いほどウイルスが活性化しやすいため、冬場にインフルエンザが流行するのも頷けますね。
 ウイルスを活性化させないためには、室内の温度はどれくらいを保てばよいのでしょうか?

「温度と湿度のバランスが大切です。室温は最低18℃と言われていますが、快適に過ごすためにもできれば20℃から25℃くらい、湿度は50%から60%ぐらいが望ましいですね。換気をしたり、人の出入りで部屋にいる人数が変化したりすると温度も湿度も変化しますから、ある程度の幅を持たせて考えてよいと思います」

免疫力が上がる生活をしていれば自然と体温も保たれる

 部屋の温度を下げすぎないのと同時に、体温を下げないように体を温めることも大切なのではと思いますが、インフルエンザや新型コロナウイルス予防に効果はありそうですか?

「たしかに体温が下がると体の抵抗力が落ちると言われています。体の中に取り込まれたウイルスや細菌をやっつけるのは免疫ですから。免疫を働かせるために効果的な体内環境というものはありますし、もちろん体温も関係しています。ただ、かかってしまった後の対策にはなっても予防効果はありません。

 免疫力を上げるためには体温だけでなく、適度な運動や睡眠、バランスのよい食事やストレスをためないことなど、さまざまな条件がそろっている必要があります。ウイルスや細菌に強い体になるためにも、規則正しい生活を心がける、暴飲暴食をしない、できるだけニコニコしながら生活する、などができていれば、自然と自分にとってちょうどいい体温も保たれるはずです。

 逆にかかってしまったら、体内に侵入したウイルスと戦って熱で殺そうとしている段階なので、解熱剤などであまりむやみに熱を下げようとしない方がいいですね」

 体を暖かくさえしていれば寒い部屋にいても感染症にかからないというわけではありません。規則正しくバランスの取れた生活をしていれば、自然と免疫力が上がり、体温も下がりすぎずにすむということですね。

人がいる部屋の下の方を暖める工夫が必要

 ウイルスを活性化させないためにも室温を下げすぎないことが重要だとわかりましたが、お部屋を暖める暖房器具を利用する際に注意することはあるのでしょうか。

「エアコンなどの暖かい空気は上に上がり、冷たい空気は下に留まる性質がありますから、部屋の上の方ばかり暖かくて、人がいる床は寒いということがよく起こります。床暖房やこたつ、パネルヒーターなども併用して部屋の下の方も暖めるようにするといいですね。
 また、エアコンのように風を出すタイプの暖房は空気が乾燥しやすいので、使用する際は湿度が下がりすぎないように注意が必要です」

 他にも、暖められた空気をシーリングファンやサーキュレーターなどで循環させたり、冷たい空気は窓から入ってくるのでカーテンを厚めのものにする、床や窓に断熱シートを貼るなど、少し工夫するだけでも効率的にお部屋を暖めることができます。

 暖房効率を高めるには、家の断熱性能を上げて部屋の中の熱を外に流出させないことが大切です。といっても壁や床の張り替えなど家全体をリフォームするとお金がかかるし、仮住まいが必要になるのは面倒……と二の足を踏むなら、最も熱が逃げやすい「窓」の断熱性を高めるのが効果的です。
 カーテンと床の隙間ができないように丈を長めのものに替えたり、カーテンボックスを設置するなどでも一定の効果が見込めますが、人が集まる部屋だけでも断熱性能の高い窓にリフォームすると、さらに高い効果が期待できます。

 取替窓「リプラス」なら、窓からの熱の流出を抑えるので暖房効果が上がり、光熱費を抑えることにもつながります。外壁をそのままに、今ある窓のレールの上から新しいレールをかぶせて、ガラス障子を取替えるだけの簡単施工なので、約半日で取り付けが完了します。ぜひ一度、お近くのショールームやオンラインショールームでご相談ください。

「リプラス」の詳しい性能はこちらから
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/replus/feature/merit/

リクシルのショールームはこちらから
https://www.lixil.co.jp/showroom/guide/

 最終回の第4回では、新型コロナウイルスとインフルエンザに備えるセルフケアについてお話を伺います。

≪お話を伺った方≫

菅原えりささん

東京医療保健大学大学院医療保健学研究科感染制御学教授。 東京iCDC専門家ボードの感染制御チームに参画。


文/中原絵里子
画像/Shutterstock

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)