ライフスタイルの変化を想定しよう
西村さんは中古住宅のリノベーションを手がける際、「いつでも間取り変更できる、自由な空間づくり」を心がけているといいます。
「10年、20年と住み続けていると、家族構成やライフステージの変化にともない、ベストな間取りも変わっていくものです。たとえば、お子さんが独立したあと、子ども部屋が物置と化している家は多いのではないでしょうか。その時々の状況に応じてスペースを活用していくためにも、間取りは最初からつくりこみすぎないほうが良いでしょう」
下記の事例は、夫婦+子ども1人というご家族が住む中古マンションの間取りです。現在はお子さんがまだ小さいため、子ども部屋は設けていません。将来的には、いまご主人が使っている書斎を、子ども用のスペースとして使用したいと考えているようです。
キッチンの正面に書斎を設置
なお、この中古マンションの部屋は良好な眺望を持っていたため、ベッドルームを壁ではなく室内窓で囲むことで、書斎からもガラス越しの眺めが楽しめる設計にしています。
ベッドルーム内に設けられた書斎
アフターコロナで求められる
「ワークスペース」と「感染症対策」
リビングの一角に設けられた書斎
西村さんによると、コロナ禍以降、ほぼすべてのお客さまが「ワークスペースの設置」を希望するそうです。
下記の事例では、リビングの一角にワークスペースが設けられています。ガラス戸で区切っているので、オンライン会議時などに戸を閉めても、家族の存在が感じられる空間となりました。
ウィズコロナ時代の住まいにおいては、感染症対策も重要です。下記の事例では、帰宅後すぐに手洗いと着替えができるよう、水回りとウォークインクローゼットが玄関周辺にまとめられています。
豊かさは「無駄な空間」から生まれる
西村さんはプランニングの際、あえて「無駄な空間」をつくることをおすすめしているといいます。
下記の事例は、「観葉植物に囲まれて暮らしたい」という要望を叶えるため、部屋の至るところに緑が設置された間取りです。たとえば、フローリングの上に直接植物を置くと水滴が気になるという理由から、リビングの奥にはインナーテラスが設置されています。
リビングの奥に設置されたインナーテラス
また、浴室と廊下の間に窓を設け、廊下にも緑を配置。浴室の窓から植物が眺められるという、贅沢な空間となっています。
「私としては、住まいの豊かさは無駄な空間から生まれると考えています。この事例でも、お風呂に入っているときに緑が見えるとリラックスできるのではと思い、私からお客さまに提案しました。一見無駄な空間のように見えるかもしれませんが、あるのとないのとでは、生活の満足感に大きな違いが生まれるのではないでしょうか」
そのほかにも、西村さんはプランニングの際、玄関の横幅を広くすることを心がけているといいます。
「玄関の横幅を広くとると、家族が横並びになって靴が履けたり、収納場所が広くなったりするなど、メリットが多いのです」
助成金・補助金制度を使って
賢くリノベーションしよう
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