片付けの基本3ステップ
片付けの基本は大きく分けると、“1.モノをすべて出す”“2.モノを仕分けて、いらないモノを捨てる”“3.モノの住所を決める”の3ステップで進めていきます。
「前回もお話しましたが、まず皆さん戸惑われるのが“2.モノを仕分けて、いらないモノを捨てる”のステップのときです。中には捨てると心を決めても捨て方がわからないという人もいらっしゃいます。そうした場合、その地域のゴミの回収方法を一緒に確認して、面倒でつい後回しになってしまう粗大ゴミなどはその場で申し込んでもらいます。また、売ってお金になりそうなものは、今はメルカリなどフリマアプリで手軽に売れるので、その場でアプリに登録して出品していただきます。また、自分で売ったり、リサイクルショップに持っていったりするのは面倒だけど、ただ捨てるのはもったいないという人は、ネットで調べると寄付を受け付けている様々な団体があるので、そういったところにまとめて送るのもよいでしょう」
モノを仕分けて、自分が管理できる適量に減らしたあとに、残ったモノの住所を決めていきます。
「モノの住所を決める時は、“よく使うものほど、目線の位置にあるとり出しやすい場所に置く”ことが大事です。とり出しやすいということは、逆に言うと片付けやすいということでもあります。自然に片付けやすい導線を考えることで、片付けを習慣にすることができるのです。モノには使用頻度があります。毎日使うモノ、週に数回使うモノ、年に一回使うモノというように使用頻度を割り出していくと、全く本当は使わないモノまでが明確になります。その使用頻度に合わせて、どこにしまうかを決めていきます」
モノの住所は年代や
家族構成によっても変わってくる
年代によってモノの住所も変えていきます。年齢が上にいくほどに“見せる収納”がおすすめだといいます。
「高齢の方の収納をサポートするときは、よく使うものは“見える場所”に置くようにしてもらいます。見えなくなると、モノの場所を忘れてしまうのです。また高齢者の場合、高い場所にはよく使うものは置かないようにします。とり出しが面倒なので結局使わなくなってしまいますし、とり出すのに踏み台を使うような場所は危険です」
また、ご家族全員の片付けサポートの場合は、皆さんが各自でそれぞれ片付けられる仕組みづくりを心がけるそうです。
「まず基本として、家族共有で使うものは水廻りなどの共有スペース、自分のものは居室などのプライベートスペースに分けてしまってもらうようにしています。“共有スペースに私物を置かない”というルールを作ったうえで、なにをどこに置くのか、家族全員がわかりやすくて自然に片付けられるようなレイアウトを考えます。人は目線にあるものが一番使いやすいので、お子さんがいらっしゃる家庭の場合、おもちゃなどのお子さんのモノはお子さんの目線を考えて置き場を考えます。そうすることによって、子どものうちから自分でモノが片付けられるようにしていくのです」
片付けをする前に時々張り切って、先に収納家具やグッズを買ってしまう人がいますが、これはやめたほうがいいそうです。
「先に収納家具やグッズを買ってしまうと、その分だけいらないものをとっておいてモノがあふれる原因にもなりかねません。収納家具やグッズを買うならモノの仕分けをしてからモノの住所を考えて、必ず寸法を測ってから、計画的に購入するのが大事です。思いつきで収納家具やグッズを買い足していくと、お部屋のインテリアがちぐはぐになってしまう原因にもなるのです。まずは今ある家具で収納してみて、収納家具やグッズが必要なときは、使い勝手やまわりのインテリアとのバランスを考えて家具を揃えていきましょう」
すっきり片付いて、インテリアも好きなもので統一された部屋なら、人は自然に部屋に帰りたくなります。
「片付けをする最終的な目標は、部屋を快適な場所にすることです。頑張っている自分の身体と心を休ませ、本当の自分に戻れるような心底くつろげる場所にしてほしいのです」
片付けを習慣化すると人生もよい方向に
片付けサポートを続けていると、片付けを習慣化することで運気まで上がった相談者の例もいろいろ見てきたそうです。
「仕事で昇格したとか、彼氏ができたとか、片付けサポートした方から時々よいニュースを聞きます。部屋が整うことで心も整うので、人生もよい方向に動き出すのでしょうね。こういったニュースを聞くと私も嬉しいです」
片付けを始めるための“心のスイッチ”を入れるには、まずは小さなスペースの片付けから始めてみることだといいます。そのスペースがすっきりすると、それが小さな達成感となって「ここも、ここも」と、もっと片付けを進めたくなります。そして片付けを進めていくうちに、自分の気持ちもすっきり整理されてきていることに気づくかもしれません。
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