
クリスマスの6週前から毎週末、少しずつ大掃除をしていこう! というプロジェクト。家事ジャーナリストでスーパー「主夫」の山田亮さんにお話を伺って、お届けしています。
最終回の本記事は、リビングやベッドルームのポイントです。12月初旬に大掃除が終われば、クリスマスや年末年始をのんびり過ごすことができますよ!
※本記事では2021年のカレンダーに沿って解説します。
油汚れや泥、カビや石けんかすなど、しつこい汚れを落とすのが大変な大掃除。
けれども、最後に残していたリビングやベッドルームには、そうした手強さはありません。普段の掃除に少しだけ手間をかければ、きれいになります。
「リビングやベッドルームの掃除は、“上から下へ”の原則でやるといいでしょう。床をいくらきれいにしても、上からほこりが落ちてくると台無しになってしまいます。最初は天井まわり、次に壁、最後に床の順番です」と山田さん。
まずは、夏の暑さをやわらげてくれたエアコンからはじめましょう。
寒さが厳しくなる真冬に備えて、しっかりと掃除しておきます。
「フィルターを洗うと、冷暖房の能力がぐんと上がるんです。びっしりほこりが付いている場合もありますから、外してシンクや浴室で洗いましょう。外まわりは、軽くモップなどで拭くだけでも大丈夫。目立つ汚れがあればアルカリ電解水を、金属部分を避けつつスプレーしながら、マイクロファイバークロスで拭き上げます」
アルカリ電解水なら、有機溶剤を使っていないので、パーツを傷める心配がありません。
エアコン内部の掃除には、専用のスプレー洗剤もあります。
「天井を掃除するのは、けっこう大変です。洗剤で汚れを落とし、から拭きして……、という方法は、時間もかかりますよね。キッチンまわりと同様に、磨きすぎるとそこだけが悪目立ちして、かえって全体が汚れているように見えてしまいます」
天井は柄付きモップに固く絞ったマイクロファイバークロスなどを装着して、さっと拭く程度でおさえるのがお勧めだそうです。
「絶対にやるべきなのは、照明です。溜まっているほこりを取り除くと、光量がアップして、部屋が明るくなります」
シーリングライトタイプの照明は、カバーを外して掃除します。
カバーはあまり汚れていなければ、マイクロファイバークロスをぬらしてから、固く絞って拭くくらいで十分です。汚れがひどいようなら、浴槽で洗剤を溶かしたお湯に浸け置きすると良いでしょう。
ハロゲンライトタイプの電球も、いまはそのまま交換するだけで使えるLED製品があります。口金を確認して購入しましょう。
ペンダントライトなどはマイクロファイバークロスで拭き上げます。
やけどに注意して、照明を消してしばらく置き、冷えるのを待ってからはじめてください。ハロゲンタイプは非常に熱くなりますし、LEDタイプでもやはり熱を持っているものです。
ハロゲンタイプや蛍光灯の電球をお使いなら、この機会にLEDに変えるのもいいですね。さまざまなタイプのLED電球が登場し、値段も手頃になってきました。
頭より上が終わったら、いよいよ床や家具周辺です。
「テレビなどの家電の裏は、ほこりが溜まりやすくなっています。時間があれば、配線をすべて外して掃除しましょう。外さない場合は、掃除機の隙間ノズルなどで、丁寧に吸い取るようにしてください。電源タップや配線に溜まったほこりは、火災の原因になります。念入りなチェックが必要です」
テレビ本体も、静電気でほこりを吸い寄せています。
水で濡らしてから固く絞った、マイクロファイバークロスで拭きましょう。
壁際に置いたソファやベッドなどの裏側や下は、普段の掃除でほこりやゴミを取り切れていないものです。特にベッドの奥は、意外なものが落ちていたりします。
「家具は少し動かしてほうきで掃き出すか、掃除機をかけましょう。ベッドやソファの下は掃除機が入りにくいので、柄付きモップなどを使います。高級なベッドやソファほど重いのですが、ここは家族で協力するときです!」
大きな家具や観葉植物などは、定期的に位置を少し動かすようにすると、日ごろからきれいに保てます。
床まわりの掃除をしている間に、洗濯機でカーテンを洗っておきましょう。天気の良い日なら、洗濯したカーテンをレールに取り付け、数時間窓を開けておけば乾きます。
大掃除でくつろぎのリビングを取り戻しましょう!
https://www.lixil.co.jp/lineup/tile/case/living/
https://www.ecocarat.jp/cases/neotravertine-1.html
4週にわたり毎週末、パートごとに行ってきた大掃除も、これで完了です。
一度にやると大変でも、計画をもって小分けにすれば楽ちんです。クリスマスやお正月の準備も、楽しくなるに違いありません。
「大掃除は年末で一気に行うと、クリスマスやお正月に疲労困憊で寝こんでしまうこともあります。“お疲れ寝込み正月”ではなく“幸せ寝正月”を迎えましょう!」
文・撮影◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
イラスト◎河田ゆうこ
“スーパー主夫”の先駆者として、子育てや家事をしながら講演や執筆活動を続けている家事ジャーナリスト。