衣替えを機にすっきりクローゼットに!【第3回】

不要な衣類は捨てないで! 賢い活用法

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ネットで売りに出してみる

「古着もネットで売れるよ」という上のお子さんのアドバイスで、髙橋さんはフリマアプリを使って、不要な衣類を売ってみることにしました。
 しかし、今回のクローゼット整理で出てきた不要な衣類のうち、売れそうなのはウールのショールくらい。
「多分1000円くらいで買い手がつくとは思うけど、季節がまだ早い。もっと気温が低くなってからのほうがいいよ」と息子さん。季節もののアイテムは、シーズン直前のほうが需要が高まるため、今回は出品を見送ることにしました。

 ご主人のスーツもタダ同然で出品しましたが、型が古いせいか反応がありません。
 髙橋さんのお子さんによれば、フリマアプリを活用する人たちは、新しく購入した服を何回か着たらきれいに洗って、それなりのクオリティの写真を撮って即売りに出すというのが主流だそうです。こうした努力を惜しまない人が売り抜けるのかもしれません。中高年のにわかユーザーには、少しハードルが高いようです。

リサイクルショップなどを活用する

 ご主人のスーツは米国のトラッドメーカーですが、人気に陰りがあるのか、古着屋さんでも反応は厳しく、値段はつきませんでした。やはり型が古いことが一番の原因と思われます。
 唯一、値段がついたのは古着屋で購入した古いアロハシャツで、500円で買い取ってもらえました。確かに元値も高かったですが、アロハシャツには根強いファンがいて中古市場が成立しており、買い手がつくのは、そうした市場が成立しているアイテムに限られるようです。

 また髙橋さんのご主人は、会社員の傍らNPO法人のメンバーとして、被災地の復興作業やフードドライブなどの支援活動をしています。髙橋さんはご主人のつてで、衣類を寄付に出せないかと相談したところ、ムリだとあっさり断られてしまいました。寄付の場合は未使用品を送るのがエチケットだそうで、使用品でもいいのは、被災して泥汚れなどをぬぐうためのタオルくらいだそうです。この線もあきらめました。

 古着を新しい服にリフォームするというのも活用方法の一つです。
 ネットで検索すれば洋服リフォームの店がたくさん見つかりますし、髙橋さんのお住まいの街にも何軒かショップがあるそうです。
 ただ、今回の衣替えはクローゼットから着ない服を処分してすっきりさせることが目的だったため、また機会があれば検討してみることにしました。

 クローゼットの中に埋もれていたものは衣類ばかりではありません。
 昔、子どもたちが遊んでいたボードゲームなどのおもちゃです。リサイクルショップに持ち込んだところ、2つでわずか100円と言われ、ショックで持ち帰ったそうです。

寝台特急のアメニティグッズが高額でマニアに売れた(写真提供◎髙橋喜久枝さん)

 一方で、高額のオファーを受けたものがありました。
 かつて大阪と札幌間で運行され、2015年に廃止となった寝台特急「トワイライトエキスプレス」のアメニティです。いただいたことも忘れ、ずっとクローゼット内に放置されていたものだそうです。中身の化粧品、シャンプー類などは変質しているかもしれませんが、鉄道マニアの友人が5000円で売ってほしいというのです。
 髙橋さんは「即、応じました。何がお金になるのかわかりませんね」と驚きますが、もし声を掛けてもらえなかったら、そのままごみに出していたそうです。

捨てる前に、お掃除アイテムとして活用

コットンの衣類はウエスにして、最後まで使いきる(写真提供◎髙橋喜久枝さん)

 買い手がつかず、リサイクルなど再利用は難しいボロボロのシャツがあったとしましょう。
 このままごみに出してしまう前に、最後にもう1アイデア。ウエス(雑巾)として活用する方法があります。コットン製品なら、ハサミで使いやすい大きさに切って、ウエスとして最後まで使いきることができます。

 流しの詰まりの原因の一つに、料理で使った油が冷えて固まることが挙げられます。フライパンや鍋の油汚れは、洗う前にウエスでふき取りごみ箱に捨てる。なるべく油を排水口に流さないで済むだけでなく、節水にもつながります。

最後まで残った衣類は、町内の資源回収にまわした(写真提供◎髙橋喜久枝さん)

 最後まで残った不要な衣類は、町内の子ども会の資源回収日に出すことに。

「もう資源としても使われないかもしれませんが、キロ何円という少額だとしてもお金になり、少しでも子どもたちの活動費になればいいなと思います」と髙橋さん夫妻は話していました。


文◎三星雅人 人物写真◎平野晋子

収納の先生 ミヤマカオリさん

収納をはじめインテリア、料理、手作り雑貨、DIYなど、生活全般のジャンルを手掛けるスタイリスト。整理収納アドバイザーの資格を保持し、雑誌・書籍・WEBで一般家庭の収納をアドバイスした企画多数。

収納の生徒 髙橋喜久枝さん

最小限のモノで暮らすのが理想の主婦。今回の企画で、ご主人の着ないであろう洋服が処分できて気分爽快、思わず笑みがこぼれる。公立の保育園で保育士を勤める。

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)