これでスッキリ! ニューノーマル時代の大掃除 [第1回]

おうちオフィスをスマート化して快適に!

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書類のデジタル化で
ワークスペースの確保を

 共働き世帯が大半を占める日本。今年の自粛モードで、夫婦が二人とも自宅でテレワークという家庭も少なくありません。理想はパソコンやタブレットを一台ずつ、机がある個室で仕事をすること。けれど家の中に二人分の仕事場所を作るのは難しいです。

 少しでもスマートなホームオフィスを目指すために、まずは「紙」の整理に着目しましょう。

 整理が大変なのが、仕事に関する書類です。最近はPDFファイルが増えましたが、展示会や商談の場ではいまだ大量のカタログや資料が渡されます。そこで、WEBのカタログや資料を利用したり、紙ベースの書類はスマホで撮影したりして、すべてデジタル化してはいかがでしょうか。

 たとえばLIXILでは、WEBのカタログを展開しています。
 https://www2.lixil.co.jp/rp/dfw/exsas6/webcatalog/

 また書類のスマホ撮影は、単に写真の形で残すのではなく、画像をPDF化できるアプリを使うと効率的に整理ができます。アプリによっては、OCRという手書きや印刷された文字でもコンピュータで利用できるようにデジタル化する機能もあるので、データ化した書類からテキストを抜き出すこともできます。

 圧倒的に資料が多い場合は、ドキュメントスキャナを使いましょう。

 写真や絵などを画像として取り込むフラットベッドスキャナやスキャナ付きのプリンタ複合機とは違い、書類をデータ化するために特化しています。両面印刷の資料を一度にスキャンでき、複数枚の資料もオートシードフィーダが付いているのでとても便利です。

 フリーランスのライターや、SOHOビジネスマンの間で以前から人気があるのは富士通グループの株式会社PFUの製品「ScanSnap iX1500」で、高性能で使い勝手も抜群です。(小売価格45,000円~50,000円 ※2020年10月現在)

 また、名刺もデータ化してしまいましょう。仕事中に目当ての取引先の名刺を探し出すのは、本当に面倒です。そんなときは、名刺管理アプリがおすすめ。スマホのカメラで撮影するだけで、名刺に記載された情報をデータ化してくれます。スマホやタブレットからそのまま相手にメール送信や電話もでき、データがクラウドに保存されるので、PCからも読み込めます。

データは多重化しましょう

オンラインストレージサービスの数々。DropboxやGoogleDriveはファイルが入ったフォルダごとアップロードができます。iPhoneやiPadを使っていると、iCloudにはアプリごとのフォルダが作られます。

 書類をデータ化したら、バックアップを保存しましょう。

 PCなどのハードディスクやSSDにデータを入れているだけだと、ハードウェアが故障したときに、データを救い出せない危険性があります。そこで、オンラインストレージといわれる、クラウド上にデータを保存するサービスを導入しましょう。クラウド上にデータを残しておけば、会社と自宅で異なるPCを使っていても、データにアクセスすることができます。

 Dropbox、Google Drive(Google One)、Microsoft OneDrive、AppleのiCloudなどがよく知られています。どれも無料で使えますが、保存できるデータの量に制限があったり、データにアクセスできる端末の台数が制限されたりなどの制約があるので、メインにするストレージサービスは有料サービスに移行してもいいでしょう。

外付けハードディスクでバックアップする

 サイズが大きなデータを開くのは、ネットを経由する分、時間がかかってストレスを感じます。また、滅多に使わないファイルをクラウドに置くのは容量の無駄遣いという側面もあります。そこで、外付けハードディスクでバックアップを取ってはいかがでしょう。最近では、4TBのUSB接続の外付けハードディスクが10,000円程度で買えます。持ち運びのできるポータブルハードディスクでも2TBで8,000円くらいです。

 また、家庭に引いている光回線などのルータのLANにNAS(Network-Attached Storage)接続のハードディスクを繋げるのもいいでしょう。ネットワークに接続したPCやスマホでデータを共有することができ、TV番組を録画したデータをPCやスマホで見ることもできます。外出先からアクセスすることも可能です。

机の引き出しはもう不要。
文具類は持ち運べる範囲で。

普段筆者が鞄に入れている文具はこれだけ。さらにBluetoothキーボードとマウス、タブレットスタンドのみです。

 仕事で使う主なものがデータ化できれば、書類をしまう棚のスペースや文房具をしまう引き出しは不要になります。仕事はノートPCやタブレットとスマホがあればできるので、リビングのソファでも、ダイニングテーブルでも、ベッドの上でもできます。

 今年の大掃除は、デジタル化で要らなくなった書類や名刺を捨てることから始めてみませんか。次回は、家族の在宅時間が増えて荷物だらけになったリビングの整理について紹介します。


文・写真◎坂井淳一
イラスト◎河田ゆうこ

 

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