これでスッキリ! ニューノーマル時代の大掃除 [第3回]

大掃除一番の難関はキッチン

空間
リビング・寝室・居室
関心
ライフスタイル

使わない食器を処分する

 食器、調理器具、食材、そしてゴミ。キッチンはどうしても雑然となるものです。大掃除のポイントを課題別に考えていきましょう。

 キッチンまわりで一番手を付けやすいのは「食器」です。一度も使っていない結婚式の引き出物や、「いつか使うかも」と取ってある器はありませんか? まずはそれらを処分することから始めましょう。新品が多いなら、誰かにプレゼントしてもいいでしょう。ネットオークションなどに出品する手もあります。

 次に、残った食器をテーブルの上に並べます。その中から、毎日使うモノと大好きなモノ、特別なモノだけを選び出し、それ以外は処分します。

素敵な器に盛り付ければ、普段の料理が一層魅力的に。

 こうした食器だけで、十分ではないでしょうか? 日常的に使うのは、使い勝手がよいからです。そして特別な器や高価な器はたまにしか使わないものが多いですが、素敵な器だからこそ、日々使うことで、生活はより豊かになります。器は使ってこそ、その価値があります。

 残す食器は一度洗いましょう。しばらく使っていない食器は意外と汚れや脂がこびりついています。すぐに使える状態にして、取り出しやすい場所に収納します。

鍋は半分以下に減らす

 手持ちの鍋やフライパンをすべて並べましょう。同じサイズのフライパンが何枚もある場合は、1枚、あるいは2枚だけ残して処分します。家庭ならば、鉄の片手の中華鍋がひとつ、鉄のフライパンがひとつ、コーティング加工をされたフライパンがひとつで十分です。

 それ以外に残す意味があるのは四角い玉子焼き器や直径が小さいフライパンをひとつくらい。家庭のガスコンロは3口しかありません。レストランの厨房と違い、何枚ものフライパンを持つ必要はないのです。

 そして、片手鍋、両手鍋なども数を減らしましょう。普段どんな料理をどのくらいの量作るかによって変わってきますが、2年使っていない鍋は今後もほとんど使わない可能性があります。

 鍋の数を絞れたら、シンクの下などの1箇所に収納しましょう。ただし、中華鍋や鉄製のフライパンなどは、シンク下は錆びやすいので、なるべく外に出しておくことをおすすめします。

 土鍋や、鋳物の鍋などは、飾っておいても美しいので、インテリアとして残していいと思います。ダイニングの壁面をリフォームして、お気に入りの器や鍋を飾るのも素敵です。棚の上下を引き出しや扉にすれば、見せたくない器もしまえます。

ダイニングの壁面をリフォームして、お気に入りの食器や鍋を見せる収納に。

使わない調理家電はありませんか?

 魅力的な調理家電を見ると、つい買ってしまうものです。電気圧力鍋、遠赤外線ロースター、電気パン焼き器、低温調理器具、スロージューサーなど、いつの間にかこうした「流行りもの家電」が調理台や収納を占拠しています。

 こうした道具、有効活用しているなら素晴らしいのですが、一度か二度使ってそれきりのモノも多いと思います。1年使わなかったら、その道具は処分しましょう。調理家電以外にも、多機能スライサーや野菜の水切りなどの便利グッズも同じです。使わない道具で引き出しがいっぱいになっていないでしょうか。

普段の食事を見直して、
ストックを減らす

 ストック食材も意外と邪魔です。いざというときに手元にないと困るモノを最低限買っておけば、すっきり整理できます。
 缶詰はともかく、乾物などは置いておくと湿気や日光などで劣化します。小麦粉や米、雑穀などは室温で置いておくと虫がつきます。米は精米してから日数がたつと味が落ちます。
 冷蔵庫の野菜室などで保管できる量をストックする程度でいいでしょう。

ゴミを効率的に整理する

 地域により異なりますが、生ゴミの収集は次の回収日まで日が空きます。いくら密閉できる容器に入れてもにおいの拡散を防ぐのは限界があります。生ゴミはなるべく小さくビニール袋などに入れて、冷凍庫で凍らせてしまいましょう。ゴミ出しの日の朝に冷凍庫から取り出してそのまま出せば、収集所もにおいません。

 瓶・缶・ガラスなどの不燃物は、屋外で管理です。蓋付きのゴミ箱を、勝手口の外やベランダなど、すぐに出しやすいところに置いておけば、分別ゴミのためにいくつもゴミ箱を室内に置かなくてもいいのです。

 全3回に渡って、今年の大掃除のポイントをお伝えしてきました。家に仕事まで持ち込まねばならず、家族がいる時間が長くなったせいで、モノであふれてしまったという話をよく聞きます。でもポイントを押さえて整理し、要らないモノを片付けることで、家の中はより居心地のいい空間にすることができます。

 ウィズコロナのニューノーマル時代で迎える新しい年を、無駄なモノをすっきり片付けた家で楽しく迎えましょう。


文・写真◎坂井淳一
イラスト◎河田ゆうこ

 

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)