「夏こそ大掃除!」3つの理由[第1回]

夏は汚れが落ちやすい!

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キッチンの頑固な油汚れを根こそぎ取る!

 夏は気温も湿度も高く、雑菌が繁殖しやすい季節。掃除を怠るとキッチンや浴室はあっという間に目をそむけたくなる状態に……。しかしその一方、暑いからこそ汚れが落ちやすい季節なのです。

 まずはキッチン。油は温度が高くなるとやわらかくなる性質を持っているので、油汚れの避けられないコンロやレンジフードの大掃除は夏にこそもってこいなのです。

ガスコンロ
 天板は、軽い油汚れであれば、アルカリ電解水やセスキ炭酸ソーダ水をスプレーしてキッチンペーパーなどで拭くだけできれいに落ちます。どちらもアルカリ性で油汚れに強く、乾いた後の白残りがなく二度拭きの必要がないため、普段の掃除にも便利に使えます。

 五徳も、軽い油汚れであれば同様の方法できれいになります。食器と同じように中性洗剤で洗うのもいいでしょう。

 しかし五徳は天板より掃除が面倒で手を抜きがちなので、汚れがこびりついてしまうことも多いもの。そんなこびりついた汚れには、重曹が役立ちます。重曹は電解水やセスキよりアルカリ性は低いものの、水に溶けにくいのでクレンザーのような研磨効果を発揮するのです。1リットルのぬるま湯に対し、大さじ1杯の重曹を溶かし、そこに五徳を1時間ほどつけ置きしてからスポンジでこすれば、たいていの汚れは落ちるでしょう。

 それでも落ちない頑固なこびりつきは、同じ割合の重曹水を鍋に入れて五徳を投入し、しばらく煮沸してから火を止め、3時間ほどつけたままにしておきます。湯が冷めたころには汚れが浮き上がっているので、スポンジでこすり洗いをしましょう。使用する鍋は、変色の恐れがあるのでアルミ製は避けてください。

 魚焼きグリルの庫内も放置しがちな場所ではないでしょうか。ここもコンロの天板や五徳同様、こびりついた汚れはアルカリ性を利用して落とします。しかし網や受け皿と違って取り外して洗えないのが問題ですね。

 そこで、セスキや重曹でアルカリ水溶液を作ってキッチンペーパーなどを浸し、それを庫内に張り付けてラップで蓋をします。30分以上たったらそれを外して雑巾などで拭き上げましょう。アルカリ水溶液は、重曹ならばぬるま湯100ミリリットルに対して重曹小さじ1、セスキならばぬるま湯500ミリリットルに対してセスキ小さじ1程度を目安にしてください。電解水の場合は、もちろんそのまま使用できます。

レンジフード
 キッチン掃除の最難所……そこはレンジフードでしょう。プロに頼む方も多いでしょうが、油の落ちやすい夏に、ご自分でチャレンジしてみませんか。

 まず、掃除中に誤ってコンロの火をつけてしまわないように、電池を抜くか、チャイルドロックをかけておきます。次に、レンジフードの電源を切り、ゴム手袋をして外せるパーツを全部外します。パーツや汚れが落ちてもいいように、コンロの上には新聞紙やゴミ袋などを敷いておきましょう。

 外したパーツはシンクの中に入れて油汚れ用の洗剤を全体に吹きかけておきます。しばらくそのままにしておくと、油汚れが浮き上がってきます。

 その間に、フード本体の油汚れを落とします。泡状に出る油汚れ用の洗剤を雑巾に付けて拭いていきます。ひどい油汚れも2~3度繰り返せばだいたいは落ちます。最後に、雑巾を替えて2度拭き上げると、洗剤も残らずきれいになります。

 本体の掃除が終わるころには、外したパーツの油汚れがかなり浮いています。スポンジやブラシを使って汚れをこすり、やや熱めのお湯で洗い流してください。

 パーツも汚れがひどい場合は同じ工程を2回繰り返せば、大抵の汚れはきれいに落ちます。最後に乾いた雑巾などで水気を拭いたら、本体に戻して終了です。

バスルームは天井と浴槽のエプロン内に挑戦!

 バスルームの大掃除も夏がオススメです。なんといっても、水が冷たくない! 真冬に冷え切ったバスルームで冷たい水を使うのはつらいものですし、お湯にすれば鏡も壁も湯気に覆われて掃除の邪魔になりますよね。ちょうど雑菌も繁殖しやすい季節ですから、隅々まで洗い上げましょう。

天井
 日ごろの掃除で天井まで掃除している方は少ないのではないでしょうか。しかし、当然ですが、入浴すれば天井にも水滴はつきます。それをそのままにしておくと、目には見えなくともカビ菌がビッシリ……かもしれません。

 天井にカビ菌があれば下に落ちてきてしまうため、いくら壁や床だけ掃除してもまたすぐにカビが生えてきてしまいます。ですからカビ対策として、天井の掃除は重要なのです。

 天井には手が届かないため、フロアワイパーを使います。天井掃除専用のワイパーも市販されていますが、フロアワイパーで代用しても問題ありません。

 掃除の前に天井が濡れていたら、ドライシートを装着して一度拭いておきます。拭いたらそれを外して新しいドライシートを装着し、そこに中性洗剤をしみ込ませ、天井を隅から隅まで拭くようにして塗布してください。天井に洗剤を直接吹きかけると、垂れてきて危険ですので、必ずフロアワイパーを使用してください。

 洗剤を天井全体に塗布したら、フロアワイパーに濡らして絞ったドライシートを装着して汚れをこするようにくるくると拭き、そのあとシャワーで洗い流します。体にかからないよう十分注意してください。フロアワイパーについた洗剤もきちんと洗い流しましょう。
 天井を洗い流したら、またフロアワイパーに新しいドライシートを装着して、水気を拭き取ります。その後もしばらくは換気扇を回したままにして、バスルーム内を完全に乾燥させましょう。

浴槽のエプロン内
 頻繁に浴槽のエプロンを外して掃除をしているという方は少ないのではないでしょうか。しかし、当然エプロン内部にも汚れやカビはびっしりと付着しています。一度も開けたことのない方は、初めて見てみたときに衝撃を受けるかもしれません。でもご安心ください。掃除自体は難しくはありません。

 まず、ゴム手袋とマスクをつけてから、エプロンを外してみましょう。メーカーや型番によって外し方は異なりますので取扱説明書で確認してください。多くはエプロンの下部に両手をかけて上に持ち上げながら手前に引くと外れます。ねじで固定されているタイプであれば、先にねじをドライバーで外します。エプロンを取り外さないよう注意書きのあるバスタブは、そもそも水がエプロンの内側に流れ込まない構造になっていますので、無理に外して掃除しなくても大丈夫です。

 エプロンを外したら、エプロンもバスタブの下もざっとシャワーで洗い流し、それから普段お使いの浴室用洗剤でスポンジやブラシを使ってこすり洗いをします。その後、洗剤の注意書きにしたがった時間だけ放置し、シャワーで洗い流します。

 まだ汚れが残っていたらスポンジやブラシでこすり落としてください。最後に手の届く範囲を雑巾で拭いて水気を切り、換気扇を回しっぱなしにしてよく乾燥させてからエプロンを元のように取り付けます。

 バスルームの天井とエプロン内部。普段おろそかにしがちな場所の大掃除が済んだ後は、新たなカビを発生させないために、防カビ剤を使うのがオススメです。最近の防カビ材の進化はめざましく、種類もスプレータイプや浴室内に置くだけのタイプなどさまざまなので、使い勝手のよいものを選んでください。ただし燻煙タイプは素材への影響が懸念されるので避けたほうがいいでしょう。このひと手間で普段の掃除もぐっと楽になること請け合いです。


文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
画像◎Shutterstock

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