春に始めたい外まわりのメンテナンス[第3回]

敷地のまわりをクリーニング

空間
エクステリア
関心
季節お手入れ

家の印象を掃除で変える

 家の中の掃除も大変ですが、戸建ての家にお住まいの方の話を伺うと、最も面倒なのが家の外まわりだという声をよく聞きます。室内であれば毎日さっと掃除機をかけたり、最近ではお掃除ロボットにお任せすることもできますが、玄関の外側や敷地の塀、駐車スペースなどは毎日というわけにいきません。

 けれど、玄関まわりをキレイにすると家の印象はぐんと良くなります。門扉周辺や外壁に汚れや苔などがない住まいは、明るく清潔な印象を与えます。家の前の道路なども、ゴミが落ちておらず汚れていないことで、常に人が気を遣っている印象を与えます。整然とした外観は、心理的な防犯効果もあるといわれています。

玄関まわりと外塀

 家の印象を一番左右するのが玄関です。ファサード、門扉、壁がキレイに整っている状態にしましょう。落ち葉やゴミはホウキで掃いて集めます。その上で、コンクリート部分や壁を高圧洗浄機でキレイにします。

 同時に、門扉にサビや傷みがないか、スムーズに開閉や施錠ができるかを確認しましょう。きしむような音がする場合、潤滑オイルやシリコン配合のオイルを吹き付けます。

 外塀の基礎のコンクリート部分にクラック(ひび割れ)が入っていないかも確認しましょう。もしクラックが入っていた場合は、専門家に依頼して早めの補修をしましょう。

 また水道や排水ますの蓋も高圧洗浄機を使って汚れをキレイに落とし、ついでに排水ますの掃除もしてしまうといいでしょう。排水ますのクリーニングの仕方はこちらの記事で詳しく解説しています。

駐車スペースをピカピカに

 玄関まわりが終わったら、次は駐車スペースです。屋根が付いたカーポートの場合、まずは屋根を洗いましょう。

 用意するものは長めの柄が付いたホウキとちりとり、脚立、ホース、モップやブラシ、中性洗剤、そしてスポンジや雑巾など。防水性のゴムやシリコンの手袋をするといいでしょう。

 ホウキで屋根の上に乗っている枯れ葉やゴミなどを払い落とし、地面に落ちたものもホウキで掃き集め、ゴミ袋に入れましょう。ゴミをすべて集めてから水を撒かないと、汚れが取り除きにくくなります。

 次にホースで屋根に水をかけます。屋根の素材がポリカーボネート製の場合、ほとんどの汚れは水をかければ落ちるでしょう。鳥の糞がついている場合は柔らかいスポンジなどで傷をつけないように優しくこすり、それでも落ちない場合は中性洗剤を少しつけてこすります。こびりついた汚れが落ちたところでもう一度水を流します。その後、雑巾を取り付けられるモップやワイパーがあれば雑巾を取り付け、から拭きをしましょう。自然乾燥に比べると、から拭きをしたほうが仕上がりがキレイです。これで屋根は終了です。

 柱や支柱などは雑巾の水拭きでいいでしょう。汚れがしつこい場合は、中性洗剤をつけたスポンジでこすってからホースの水で洗い流します。このとき、支柱の鉄骨の塗装が剥げたり、さびていないかを確認します。問題がある場合は早めに補修をしましょう。

 屋根が終わったら床です。すでにゴミは掃いてありますから、ホースで水をまいてから、柄の付いたブラシで汚れをこすって落とします。油染みがついているところには中性洗剤をつけるのもいいでしょう。高圧洗浄機があれば油染みなども楽に落とすことができます。

 また、水はけの悪い場所や常時日陰になる場所にカーポートがある場合、コンクリートにカビが生えてしまうことがあります。ブラシや高圧洗浄機でも落ちない場合、強力なカビ取り剤を使って落とすといいでしょう。ただし薬剤を頻繁に使うのは、コンクリートを劣化させることにもつながりますので注意が必要です。

 洗剤を使ったあとは、洗剤の成分が残らないようにたっぷりと水を使って洗い流しましょう。

 床がキレイになって乾いた後に、コンクリート床強化剤を塗布して床面をコーティングするのもお勧めです。駐車スペース以外のコンクリート床にも使えますが、強化剤の成分がコンクリートやモルタルと反応して強固な塗装面をつくります。ハンドルを切ったときのタイヤ痕などもつきにくくなり、カビも生えにくくなります。

家の前の道路をキレイにして終わり!

 敷地の中がキレイになったら、最後は家の前の道に目を向けてみましょう。

 アスファルトの道路は黒いので目立ちませんが、かなり汚れています。捨てられたガムが張り付いている場合もあります。ガムは油分に反応して溶ける性質を持っているので、食用油などを少しつけてブラシでこすっていきます。取り除いたあとは中性洗剤を使って油分も洗い流しましょう。

 また家の敷地に沿って側溝がある場合は、そこも掃除しましょう。側溝の中は枯れ葉、ゴミ、雨水、泥などがたまり、気温が上がるにつれて腐敗して悪臭の原因になったり、虫が発生することもあります。

 町内会などで共同で清掃する区域もありますが、そういう活動がない場合、春のうちに1度キレイにしておくことがお勧めです。ただし、交通量が多い道路は危険ですし、公道部分の側溝は本来自治体が管理しています。自分の家の前の側溝が清掃可能か、自治体に確認を取ってみましょう。

 春のうちに庭や家のまわりの手入れとクリーニングを行うことで、気温が上がり汚れやゴミが腐敗したり、梅雨の雨で家が傷むのを未然に防ぐことができます。「家」という大切な財産を守るために、ぜひ今のうちにできるところからやってみてください。

文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
画像◎Shutterstock

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)