その「節水テク」、間違いです![第2回]

洗濯・お風呂の節水テク、○か×か?

空間
浴室
関心
学ぶお金

Q:風呂の残り湯で洗濯する?

 正解は○……でも要注意!

 洗濯機は、12kg洗える縦型のものは、1回の洗濯で約120~130Lの水を使用します。そのため、「風呂の残り湯を使って節水する」という方法が以前から提案されています。実際、洗濯機には「風呂水モード」を備えた機種もあります。一般的な浴槽に溜めるお湯は約200Lなので、洗濯は風呂の残り湯で十分賄えるでしょう。

 節水テクニックとして風呂の残り湯を使うのは正解!
 ……ですが、他の問題が出てくるので、注意が必要です。

 残り湯には人間のアカや脂が混ざっています。それを使って洗濯をしても、汚れや洗剤を完全に洗い流すのは難しいでしょう。汚れも洗剤もきちんと落とせていないと、干したときに雑菌が繁殖してイヤな生乾き臭を発してしまいます。

 洗濯機には洗い、すすぎ、脱水という工程がありますね。すすぎは一般的な製品の標準コースでは2回に設定されているはずです。ですから、残り湯を使う場合は、洗いまで、またはすすぎの1回目までに限定するのがオススメです。最後のすすぎは真水を使ってしっかりとすべての汚れを洗い流しましょう。

 また、洗濯用洗剤で最も汚れ落とし効果が高まるのは、30℃くらいまでのぬるま湯を使うときです。残り湯の温度が高いときは、浴槽の蓋を開けて適温まで下げてから使いましょう。

Q:洗濯機のすすぎの回数を減らすといい?

 正解は○です。

 一般的な洗濯機の標準コースのすすぎは2回に設定されていますが、衣類がそれほど汚れていない場合は1回のすすぎで十分です。

 特に夏はよく汗をかきますから、短時間で着替えることも多いのではないでしょうか。そういった軽い汚れしかついていないものだけを集めて洗濯すれば、すすぎを1回に減らせますから、水の使用量も減らすことができます。ワイシャツの襟や袖口など、汚れの気になるところは洗剤の原液を少し付けて軽く叩いてから洗濯機に入れるといいですよ。

 ただし、洗剤や柔軟剤の量はきちんと量ってください。入れすぎるとすすぎ1回では衣類に洗剤の成分が残る可能性があります。多すぎた洗剤や柔軟剤は洗濯機の汚れのもとにもなりますから、適量は守りましょう。

Q:ドラム式より縦型のほうが節水になる?

 正解は×!

 縦型の洗濯機は1回の洗濯で120~130Lほど水を使いますが、ドラム式は90~95Lくらいでおさまるといわれています。つまり1回の洗濯で30L以上の節水になります。

 現在のドラム式洗濯機の普及率は、35%程度といわれています。値段の高さもあってまだそれほど普及していないようですが、節水には極めて有効ですから、縦型をご使用のご家庭は買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

Q:湯船につからずシャワーで済ませればいい?

 正解は△!
 これは同居する家族の人数と季節によります。

 国土交通省の発表によると、家庭内の生活用水で、トイレに次いで最も使用量が多いのはお風呂だそうです。特に、一般的な浴槽ではお湯を200Lも使用します。これを節約するために、シャワーだけで済ませるといいという説があります。

出典:国土交通省水管理・国土保全局水資源部

 これは一人暮らしや少人数の家庭、そして暑い時期に限定するならば○です。シャワーでは1分間に約10Lのお湯が出ます。シャワーだけにすると、寒い時期は体を温めるために夏よりも長い時間浴びてしまいますよね。一般的な浴槽が約200L、シャワーは1分間に約10Lですから、シャワーを20分以上使うのであれば、湯船につかって温まるほうが節水になるという計算になります。

 1人か2人であればともかく、大人数のご家庭ならば、寒い時期にはしっかり湯につかるほうが節水になることがわかりますね。

 ちなみに、最新式のLIXIL「エコアクアシリーズ」は1分間に約6L。33分以上かけっぱなしにして、浴槽の容量に釣り合う計算です。

※水量はあくまでも目安であり、ご家庭により異なります。

Q:追い焚き機能があれば節水はバッチリ?

【測定条件】
●周辺環境:10℃±2℃
●測定浴槽:サーモバスS(保温組フタ・浴槽保温材付)、在来浴槽※1(リデア・スパージュ比較品:浴槽パンなし・浴槽保温材なし・巻フタ)、※2(リノビオ比較品:浴槽パンあり・浴槽保温材なし・巻フタ)
●測定箇所:浴槽深さの約70%の湯量で、湯面から100mm、底面から100mmおよびその中間の3ヵ所の平均値。
※1 湯温変化はJIS高断熱浴槽基準の設定条件で測定した試験値であり、保証値ではありません。
※2 給湯器が追いだき配管の凍結を防ぐため浴槽のお湯を循環した場合は、表示値よりも湯温が低下します。

 これは、節水に限って言えば、○!
 ただし、省エネの面では×です。

 お風呂のユニットには、追い焚き機能があるものとないものがあります。追い焚き機能がないと、冷めたお湯を少し抜いてから熱いお湯を足さなければなりません。これではエネルギーも水も無駄になってしまいます。しかし、追い焚き機能があっても、再加熱にはエネルギーが必要です。追い焚き機能がないものと比べれば節水にはなっていますが、どうせならエネルギーも節約したいですよね。

 LIXILには保温力の高い浴槽があります。例えば「サーモバスS」は、浴槽と蓋に保温構造が採用されており、4時間後でも湯温の低下を2.5℃以下に抑えることができます。

 もちろん人が入ればお湯の温度は下がりますが、再加熱やお湯を足す量が減るため、効果的な省エネ・節水につながります。

Q:シャワーはこまめに止めるといい?

【試算条件】(国研)建築研究所「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)」における、「東京・4人世帯」の条件にて算出
【引用元】(国研)建築研究所「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)」および自社基準
【単価】上下水道料金:265円/m3(税込み)、都市ガス料金196円/m3(税込み)。

 正解は○です。

 シャワーでは1分間に約10Lの水を使います。多くの方は、体や髪を洗っている間、お湯を流しっぱなしにしているのではないかと思います。こまめにシャワーを止めることで、かなりの節水効果が期待できます。

 しかし、いちいち水栓やレバーでお湯を止めるのは手間ですよね。そこで、ワンタッチでお湯をストップできるシャワーヘッドに交換するのはいかがでしょうか。

 LIXILでは、エコアクアシリーズ、多機能シャワーBF-SB6シリーズなど、ワンタッチでお湯を止められるスイッチシャワーヘッドをラインナップしています。シャワーヘッドの交換は、ご自分でも簡単にできますよ。

 エコアクアシリーズに交換すると、年間約7,500円の水道代と約16,400円のガス代を節約することができます。検討してみてはいかがでしょうか。

文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
画像◎Shutterstock

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)