LIXIL浄水カートリッジ「おいしさ」の秘密[第2回]

“安全・安心”は徹底的にクリーンな自社工場から生まれる

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「お客様の口に入るものだから」
一切の妥協も許さない検査体制

 旧INAX創業の地・愛知県の常滑市 にあるLIXIL半田工場。ここでは、浄水カートリッジの製造から組み立てまでを行っています。

 半田工場の特徴について崎山氏は、「旧INAXの窯業で培われた技術と知識、最新の検査機械で行う性能検査、熟練の作業員が手作業で行う製品管理」の3つのポイントを挙げます。

 特に、カートリッジのコアとなる芯材のセラミックフィルターに関しては、「先進のセンサーやカメラによるチェックでも分からないほどの芯の穴の微妙な歪みなどは、熟練者の“目視”によるチェックがどうしても必要です。ここだけは自動化できません」といいます。

 最新鋭の検査機械と人間の目を合わせることで、より盤石な検査体制を作り出し、「どちらかが欠けたら成り立たない」と教えてくれました。

 製品としては何の問題もないような微細な欠け、覆っている不織布や口に入っても問題のない素材の接着剤の小さなはみ出しがあるだけで、そのカートリッジは流通させず廃棄に。

 つい、「もったいない」と思ってしまいますが、「お客様の口に入るものなので」という強い信念のもと、「不良品」は市場には流出しないようになっているそうです。

手術室と同レベル!
高度な衛生基準の「クリーンルーム」

 安全性への徹底した姿勢は、工場の環境にも表れています。ホコリや細菌、異物の混入をなくすため、製造・組み立てを行う工場のクリーンルームは、手術室レベルの高度な衛生基準を保っています。

 また、工場の建屋全体は、防虫・防鼠管理もしっかりと。二重シャッターの設置、外部の業者が毎月部屋ごとに環境をチェック、そして常に空気の清浄度も管理しているそう。

「クリーンルームにホコリは厳禁なので、段ボール箱等、ホコリの発生源となり得るものは持ち込まないなど、細かいルールが定められています」

 クリーンな環境、厳しい製品チェックが徹底されている工場ですが、LIXILの製品を扱うならではのこだわりはどのあたりにあるのでしょうか?

「芯材のセラミックフィルターは天然素材の土からできているので、管理方法が難しいんです。適切な湿度と温度を導き出す必要があるため、保管場所だけでなく室内も細かい調整が必要になります」

不良品が市場に流出しない仕組み作り
「重量もコンマ1g単位で計測」

 不良品が出荷されない「仕組み作り」も強化しているそう。

「品質に問題がないレベルまで機械や目視で検査と管理をしますが、画像判別カメラで接着剤の塗布状態をくまなくチェック、重量もコンマ1g単位で計測して品質を落とさないようにしています」

「仕組み作り」は品質のためだけでなく、自動化できず人の手を使わないといけない部分でどうしても起きてしまう“ヒューマンエラー”を抑えるためにも必要だそう。そういった取り組みも同時に行うことが大切だと、崎山氏は“現場の意識”を強調します。

「活性炭配合時の調合結果の記録のペーパーレス化を始めています。エラーが出たときにそうした記録を辿っていくことで、必ず原因を突き止められるような仕組みを構築しています」

 安全・安心をかたちに。細心の注意を払って妥協を許さない姿勢が、崎山氏の迷いのない言葉からも伝わります。

 今後は、「もっと内製の強化をしたい」とさらなる目標を掲げる崎山氏。「“浄水カートリッジといえばLIXIL”と言われるように、海外展開にも携わっていきたい」と、自慢の浄水カートリッジをより広く、多くの人に届けたいと目を輝かせました。

 次回は、浄水カートリッジ導入で生活はどうかわるのか?LIXILの浄水が選ばれる理由を、お客様と向き合う「販促」の担当者に聞きます。

LIXILが運営する浄水カートリッジの公式通販サイト
LIXILストア:https://store.lixil.co.jp/

≪お話を聞いた人≫

崎山稜太

LIXIL水栓事業部水栓製造部 半田工場製造3課浄水カートリッジ製造係。LIXILに入社した当初から浄水カートリッジの新商品ラインや新規設備の立ち上げに携わってきた。入社5年目となる現在は係長として浄水製造に従事している。目標は、変わりゆく情勢に柔軟に対応できるように内製技術を拡大し、事業利益に貢献すること。

文◎藤本あき

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)