“動線”で人生が変わる「家事ラク」作戦[第2回]

最短の洗濯動線の作り方、家族構成と動線

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“ラク”になる!洗濯動線の考え方

 洗濯する、干す、畳む、しまう、その洗濯動線をどれだけ効率よくスムーズに行うかが、洗濯動線のカギになります。

「必要な物はすぐ手に取れる、しまえる場所に、“物の住所”を作っておくことが基本的な考え方です。洗濯機の横には、“1アクション”で取り出しやすいかたちで必要な洗剤と洗濯カゴ、ハンガーなどを置いておきましょう」

 洗濯をするうえで時間や労力がかかるのが、「運んで干す」という動作。

「干す場所が洗濯スペースから離れていないことが、洗濯動線を考えるうえで理想ではありますが、そうでない場合は濡れた洗濯物を運ぶのは重労働です。乾燥機の導入を検討したり、浴室乾燥機を使ったり、“ラク”になる方法を取り入れてみてください」

 竹村さんの場合は、乾燥機で乾かした洗濯物は洗濯機の上で畳んで、そのまま振り返って背後に設置した収納棚へ。タオルや下着類の収納をランドリールームに設置しておけば、歩数を割くことなく収納することが可能になると言います。

 竹村さんは、歳を重ね、家族構成や人生のステージが変わるタイミングで、「ランドリールーム」を作り、その中にタオルや下着類の収納スペースを、衣類は家族の物が一ヵ所に収納できる「ファミリークローゼット」を作るという選択肢を視野に入れることもすすめています。

「常に“当たり前”と思っていたことを切り替えるだけで、ずいぶんとラクさに気付けると思います」

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洗濯を終えた後が動線のカギ!
干す、畳むをここまで省略

 干して畳む作業、動線はどこまで効率化できるのでしょうか。

「洗濯機の上につっぱり棒を取り付け、そこに必要な数のハンガーをかけておきます。洗い終わったら洗濯機から取り出してハンガーにかけ、つっぱり棒に引っかけていき、ザッとまとめて運びます。

 またはそのままそこにかけて干しておいて、乾いたらハンガーのままクローゼットに入れるだけで動線が省略されます。」

 “当たり前”を疑う動線の見直し方としては、「畳まない」という選択肢も動線省略のカギになると竹村さんは提案します。

「基本は畳まずにハンガーに“かける収納”に。衣服にハンガーの跡が付いてしまう場合は、跡が付きにくいハンガーに替えてみることもおすすめです。

 ハンガーの数は増やさず、ハンガーの分しか服を持たないようにすると、クローゼットの管理もラクになります。そうしたら衣替えの必要もなくなるかもしれません」

 シワにならないもの、シワになっても問題がないものは、そのまま収納ボックスに入れてしまうのも、「畳む」動線の省略に。どうしたら自分がラクに感じるかに気付いて変えることで、自分だけの動線を作っていきましょう。

「使いづらい」を「使いやすい」に、
家族構成による動線の考え方

 家族構成による動線はどう考えたらいいのでしょうか。

「例えば、家族に対して『ここに置かないで』と言っている場所に脱いだ服を置く、物が溜まってしまうということがあるとすると、実はその場所はその人にとって「使いやすい場所」になっていると考えられます。なので、思い切って“使う場所”に変えるということも一つの手です。

 お子さんがまだ小さい場合は、それぞれの“色”を決めて収納場所を作ってあげる、物の住所を決めることで、自分でしまったり取り出したりといった作業を楽しくやってくれるようになることも。その際には小さなお子さんでもわかるようにラベリングするのもおすすめです」

 また、年齢を重ねてきたときにこそ、洗濯物を運ぶ、干す、取り込んで畳む、収納するといった動線が体に合っているかどうか、考え直すきっかけになると語ります。

「今までは届いていたのに背伸びをしないといけなくなった、屈まなければいけない、階段を登らないといけないなどの“使いづらさ”を見つけたら動線改善のチャンスです」

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「改善するアクションを起こすことで、その作業に感じていたストレスがなくなります。気付いて疑問に思うことに時間を使って、それをやめたことでそれからの毎日が見違えるようにラクになるということを実感してもらえたらと思います。」

 次回は、「動線で時短がかなうキッチン収納」を紹介します。

《お話をうかがった方》

竹村真奈さん

編集者、ライター、整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト・プロ。主な著書に『整理収納を仕事にする』『あたらしい暮らしを作る。』『小さなお店、はじめました』(翔泳社)シリーズなど多数。

文◎藤本あき
画像◎Shutterstock

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