“動線”で人生が変わる「家事ラク」作戦[第1回]

家の動線チェック方法、自分だけの理想的な動線の見つけ方

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「当たり前を疑う」毎日の家事動線のチェック方法

「家事動線」とは、家事をする際の動きを表した経路のこと。

「家事動線をコンパクトに見直すことによって、日々の家事がぐんとラクになり、ストレスを軽減させてくれる大きなポイントになります」と語るのは、家事の時短や合理性を追求する整理収納アドバイザーの竹村真奈さん。

 毎日当たり前のようにやっている、料理、洗濯、掃除などの家事動線に無駄があるかどうかは、自分ではどうしても気付きにくいもの。では、どうやって気付いたらいいのでしょうか?

「家事動線の見直し方は、まずは“当たり前を疑うこと”。家事の際の「たった数歩」の移動は大したことなく感じるかもしれませんが、実は積み重なることで“負担”になっています。その数歩がなくなったときに“ラクさ”に気付きます」

【家事動線の見直し方チェックポイント】
・1つの家事をする際に「何歩必要か」を洗い出す
・必要な物を取り出すときに「取りづらく」なっていないか
・使う場所の「近くに」使うものがあるか

 必要なものがすぐに手に取れる場所に置かれていて、1つの家事を行うための動線が短く、作業をスムーズに行えるかどうかがチェックするポイントになります。

 取り出すときに屈む必要があったり、重ねて収納しているせいで取り出しにくくなっていたりしないか。日常の家事を行う際に、上記のポイントを常に頭に入れて、省ける“無駄”がないか、省略できるポイントがないかを洗い出してみましょう。

「“使いやすい”と感じることが、自分だけの家事動線の設計につながっていきます。動作と必要なものを結び付けて、取り出しやすい場所に置く。家事を行う際に必要な動きや移動も最短で行えるようにしてみる。

 “使いづらい”を“使いやすい”に変えていく、発明家になった気持ちで楽しんで自分だけの動線を見つけてみてください」

無意識の「使いやすい」を積み重ねる、
洗濯・キッチン動線とは

 動線の見直しで劇的にラクになるのは、洗濯とキッチン! 竹村さんの場合は、1つの家事をなるべく動かずに、“3歩”で済むように動線を設計しているそう。

「洗濯でよく見られるのが、1階で洗濯をして上階に干しに行き、どこかで畳んでから、家族のそれぞれの部屋や収納場所に運び入れる、という動線です。

 “当たり前”として疑問に思っていませんし、間取りにも関係してくるので一概には言えませんが、例えば「洗濯をして干す、畳む、しまう」を思い描いてみて、実際にかかった歩数に思った以上に差があるのでしたら、動線見直しのチャンスです。

 キッチンの動線も、調理、配膳、片付けの一連の流れがスムーズかどうか、ストレスなく回遊できるかを見直してみましょう。

 ここでも“当たり前”として、フライパンや鍋を重ねて収納している、お皿も大・中・小と重ねている人が多いと竹村さんは言います。大きな物こそサッと取り出しやすく、どこに何があるのかも把握しやすいため、“立てる収納”に変えることがおすすめだそう。

「必要なものを取り出す際の理想は、“2アクション”で済むかどうかを基準に。例えば、引き出しを開けて取り出すと、これで“2アクション”になります。自分の動作が何アクションになっているかを考えると、動線の無駄に気付きやすいです。

 よく使う鍋類などは吊るしておくことで、使用する際に1アクションで取り出せます。調味料類などの収納系は、フタがある容器に入れると、フタを開けることで1アクション増えてしまうので、密封したいもの以外はフタのない容器を使うのもポイントです」

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「ラクな動線に気付く」ため、動作のアクション数や、必要な歩数を意識しながら家事をしてみると、実は動線をジャマするような場所に物が置かれていたり、家具が配置されていることに気付くかもしれません。

【“ラク“な家事動線のチェック方法】
・1つの家事にかかる動線を頭の中で描き、実際の歩数の差を比べる
・家事の一連の動きがスムーズに行えるか
・よく使う物を重ねて収納していないか、1アクションで取り出せるか

 ラクな自分だけの家事動線の見つけ方。まずは、「使いづらい」を見つけてみることから始めてみませんか? 洗濯とキッチンの具体的な動線見直し方法は、第2回、第3回で詳しく紹介します。

《お話をうかがった方》

竹村真奈さん

編集者、ライター、整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト・プロ。主な著書に『整理収納を仕事にする』『あたらしい暮らしを作る。』『小さなお店、はじめました』(翔泳社)シリーズなど多数。

文◎藤本あき
画像◎Shutterstock

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