梅雨の季節、気になる「ニオイ」対策 [第2回]

今すぐできる3つのニオイ対策

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ニオイには3つの対策を!

 ニオイ対策には、大きく3つのアプローチ方法があります。それは「カビ予防」「ニオイの原因を取り除く」「ニオイをこもらせない」の3種類です。一つずつ具体的に見ていきましょう。

対策1:カビ予防は「温度」「湿度」「栄養源」に対処する

 カビは一定の「温度」「湿度」「栄養源」があれば繁殖してしまいます。これらに対処するには、どうすればいいのでしょうか。

「浴室であれば石けんカスや皮脂汚れ、キッチンであれば残飯や食器を洗った洗剤の残りなども、雑菌の栄養源になります。そこで、まずお湯でこれらを緩めてから洗い流し、次に水で勢いよく洗い流してから水分を拭き取り、最後に消毒用のエタノールを振りかけるといいですよ。40℃程度のお湯で死滅する菌もあるので、最初にお湯を使うのがオススメです。コロナ禍で手の消毒によく使用されていたエタノールは、殺菌作用があるためカビにも効果があります」

 梅雨の時季に最も重要なのは、「湿度」のコントロール。そのため、こまめに換気をして、防カビ剤や吸湿機能のあるアイテムを取り入れることも大切です。

 例えば、除湿剤をクローゼットの中に入れる、戸棚の中に新聞紙を敷くなども効果的なので、取り入れて頻繁に交換するようにしましょう。クローゼットの中にカビが発生してカビや防虫剤などのニオイ分子がクローゼットに染み込むのを防ぐためにも、梅雨の晴れ間に部屋の窓とクローゼットの扉を開いて、週に1回でもいいので定期的に空気を循環させるのも大切です。

 また、洗濯物や雨で濡れたものは、できるだけ風が通りやすい場所に干し、サーキュレーターなどで空気の流れをつくったり、ドライヤーで乾かしたりして、1秒でも早く乾くように工夫しましょう。

対策2:ニオイの原因になるものはこまめに掃除して取り除く

 ニオイの原因の半分はカビや菌、残りの半分は生ゴミや汚れなどです。意外と、家電製品がニオイの発生源になっていることも多いのだとか。

「エアコンの中に黒カビが発生していると当然カビ臭いので、内部のフィンを洗浄して取り除く必要があります。電子レンジや冷蔵庫は中に食べ物の汁などがこぼれている場合もあるので、スチームクリーナーなども使って掃除したり、汚れを拭き取っておきましょう。
 冷蔵庫に専用の防臭剤を置くのも効果的ですし、電子レンジに脱臭機能が付いている場合は、ぜひ活用してみてください。また、洗濯機の洗濯槽は、悲鳴が上がるほど臭いという相談が毎年けっこう寄せられます。ニオイを感じたら、そのときはすでに手遅れかもしれません。それだけカビやすい場所なので、洗濯槽クリーナーなどを活用して清潔にしておきましょう」

 また、生ゴミはどうしてもゴミ箱の中でニオイを発生させてしまいやすいもの。水分を含むほど雑菌が発生しやすいので、捨てる前にしっかり水気を切ることが重要です。新聞紙にくるんで捨てるのも効果的。台拭きがカビ臭いニオイの温床になっているケースも多いので、濡れたまま放置しないように心がけましょう。

対策3:ニオイをこもらせないために意識的に換気を

 ニオイをこもらせないためにまず重要なのが、「24時間換気を止めない」こと。暑くなってきてエアコンを使用する際、外から暑い空気が入ってこないようにと24時間換気を止めてしまう場合がありますが、必ず給気口は開けて、空気の入り口を確保しておくようにしましょう。

「特に家の隅の方は空気の死角になりやすく、ニオイもホコリも滞留しがち。空気が流れにくい場所には扇風機やサーキュレーターなどで風を送って循環させましょう。階段下収納や2階の物入れなどは“開かずの扉”になっていませんか。
 カビが発生していないか確認するためにも、定期的に開くようにしましょう。床下収納自体は空気が通るようになっていますが、床下がコンクリートになっている場合、収納用のプラスチックの中はカビやすいので注意が必要です」

 タマネギ1個でも強いニオイの原因になっていることもあるので、食品庫の端などに落ちていないか、時々物を動かしながら確認するといいですね。

 特にカビは吸い込むと感染症やアレルギーなどの原因になることもあり、注意が必要です。また油断するとすぐに繁殖してしまうので、ニオイ対策だけでなく健康のためにもこまめに予防していきましょう。

 次回は、ニオイ対策にオススメのグッズを教えていただきます。

≪お話を伺った方≫

松林宏治さん

株式会社共生エアテクノ代表取締役。脱臭装置の設置、悪臭調査と臭気対策の提案・設計などを行うほか、「におい刑事(デカ)」の愛称で、テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。保有資格は臭気判定士、シックハウス診断士、におい・かおり環境アドバイザー。

文◎中原絵里子
画像◎Shutterstock

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