季節でポイントを変える!「手抜き掃除」のススメ[第4回]

季節別掃除のポイント【秋・冬編】

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季節お手入れラクラク

秋は衣替え&ワックスがけの季節

 少しずつ涼しくなってくる秋は衣替えのタイミングで、衣類の棚卸しを。夏にへたってしまったTシャツや小さくなったものなど、「今シーズン着たかどうか」の記憶が新しいうちに、来年はもう着ないものは処分しましょう。
また夏場に大活躍したエアコンも、暖房が必要になる前にフィルターの掃除をしておくといいですね。

「暑すぎず寒すぎない秋は、窓を大きく開けて長い時間換気がしやすい時期。照明器具のカサなど、目線より上の場所のホコリを取る大掃除は、年末より実はこのタイミングのほうがやりやすいんです。冬は照明をつける時間が長いので、キレイになっていると気持ちいいですよね。
 床のワックスがけも、春か秋がベストだと言われています。夏は床の温度が高くなりすぎて乾きにムラができたり、汗が落ちてシミになる可能性があります。一方、冬だと乾燥はしていますが、逆に温度が低すぎてなかなか乾かないのと、窓を長時間開けていると寒いので、家族に不評です(笑)」

 風が心地よい季節を利用して、大きく窓を開けて行う掃除が向いている季節だといえそうです。

冬は冷蔵庫の中の掃除&食品ストックの棚卸しを

 大掃除のイメージがある冬の掃除としてオススメなのが、冷蔵庫の中だそう。

「気温が低いので、冷蔵庫の扉を開けて中身を出しても傷みにくいため、冷蔵庫の掃除をするなら冬が一番です。汚れを放置していると雑菌やニオイなどの原因にもなるので、衛生的な状態を保つためにも、一度中身をすべて出して、トレイやポケットの中を濡らしたふきんやクロスで拭き取りましょう。トレイが外せるタイプの場合、取り外してぬるま湯に浸けながら汚れをこすり落として。出した食品は賞味期限を確認し、古いものはこの機会に処分するようにしてください」

 また、冷蔵庫の中にあるものだけでなく、パントリーなどにストックしてある食材も、この機会に棚卸しすることを西田さんは推奨します。

「冬の掃除は、水仕事や外気に触れるものは寒くてやる気になれないので、なるべく暖かい室内でできるものがオススメです。ローリングストックなど買い置きしてあるものの賞味期限を確認し、近いものは早めに食べきる、過ぎているものは処分するなどして、年末の買い置きに向けてスペースを作っておくといいですね」

季節家電の掃除はシーズン終わりの片付け前に

 暑さ、寒さを乗り切るために活躍する季節家電の掃除は、いつ、どんな風にするのがいいのかについても聞いてみました。

「季節家電はシーズンが終わって片付ける前にキレイに掃除しましょう。そのまましまい込んでしまうと、時間が経った汚れはこびりついて取れにくくなります」

「カジタク」の家事代行サービスに季節家電の掃除は含まれていないため、あくまで西田さんご自身のやり方ですが、と前置きして教えてくれました。

●扇風機

 羽根・カバーなど外せる部分は分解して、フローリングワイパー用のドライシートで大きなホコリを拭き取ってから、さらに掃除機で吸い取る。洗えるパーツはぬるま湯で洗い、しっかり水気を切って乾燥。汚れが残っている場合は、重曹スプレーを利用して落とす。
 元の状態に組み立て、キレイな状態をキープするためにカバーや大きめのビニール袋に入れて保管。

●加湿器

 汚れは水アカとカビ。各パーツを外し、軽く水洗いしてクエン酸水(ぬるま湯1リットルにクエン酸大さじ1)に30分浸ける。浸け置き後、落ちない汚れは歯ブラシなどを利用してこすり落とす。水でよく流し、しっかりと拭いて乾燥させてから箱にしまう。

●こたつ

 ヒーター部分にホコリがたまるため、掃除機でホコリを吸い取り、細かい部分は歯ブラシでかき出す。最後に濡れたマイクロファイバークロスで拭く。布団は、自宅またはコインランドリーで丸洗いしてから片付ける。自宅で洗濯するなら気温が上がってきて乾きやすくなる5月頃がオススメ。

究極の手抜き掃除、この部分をプロに外注!

(写真提供:アクティア)

 ここまで、いかに手抜きしながら最低限の掃除をするかという観点でアドバイスしていただきました。さらに手抜きの究極系として、掃除のプロである家事代行サービスやハウスクリーニングをお願いするなら、どの部分の掃除をお願いするのがオススメかについても伺ってみました。

「エアコン、レンジフード、浴室ですね。エアコンとレンジフードはきちんと養生した上で、プロ専用の機材や洗剤を使って、内部パーツまで分解して徹底的に掃除します。専門知識のない方が内部パーツを分解しようとすると電気がショートするリスクがあるので、絶対に止めたほうがいいです。
 浴室は浴槽のエプロン部分の内部に黒カビが発生しやすいのですが、自分で掃除しようとするとカビを吸い込んでしまう可能性も。プロなら正しい知識に基づいて取り外して、奥までキレイにすることができます。
 ハウスクリーニングは11月、12月が混みやすいため、できればその時期を外してご依頼されると良いですよ」

 餅は餅屋、専門知識と道具を使って掃除してもらうことで、自分では落とせない汚れまで取り除いてもらえるのですね。
 キッチンや浴室などを一度プロに徹底的にキレイにしてもらえば、それを維持するためのメンテナンスの手間も楽になりそうです。

 全4回にわたって、手抜き掃除のポイントを教えてもらいました。「掃除をサボる」手抜きはかえって後からが大変なので、こまめに短時間でポイントを絞った掃除をすることが大切なのだということがわかりました。
 今日はここを5分だけ、この季節はここだけと優先順位をつけて、少しずつ掃除を習慣化していきましょう。

≪お話を伺った方≫

西田 美保(にしだ みほ)さん

兵庫県姫路市生まれ。 百貨店での販売などを経て、 2020年 2月、アクティア株式会社に入社。 年間約500 件のお客さま宅で、定期家事代行サービスを行っており、これまでに延べ 1500 件のサービスに従事。 現在は現場で培った家事代行・整理収納サービスの経験を活かし、新人スタッフの教育・研修トレーナーも。 

■家事支援サービス「カジタク」 について(https://www.kajitaku.com/) 
カジタクは、イオングループ アクティア株式会社が運営する家事支援サービス。お客さまのご自宅に訪問し、ご要望に合わせた料理代行や、リビング、寝室、水周り全般(キッチン、洗面所、お風呂、トイレ)の掃除代行、また有資格者である「片付けのプロ」が、お客さまのご要望をヒアリングして「要」「不要」の仕分けを行いつつ、最適な収納方法や収納用品をご提案、作業を行う整理収納サービスを提供しています。また、「プロの技術」でエアコン・レンジフード・キッチン・浴室等の清掃を行うハウスクリーニングサービスなど、さまざまな家事支援サービスを展開しています。 


文◎中原絵里子
写真◎Shutterstock

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