ハッピバースデイ我が家!
新築の一戸建てに住み始めて1年くらい経つと、建てた業者さんから「1年目の点検の案内」がやってきます。中にはイベントの案内に絡めたり、1周年のお祝いのケーキを持ってくるという業者さんもあるようです。
「地元の工務店だと営業の方がやってきたり、ハウスメーカーでもハガキやEメールなどで連絡が来ます。たとえばちょっとした壁紙などの剥がれから、水漏れや雨漏り、中には家の傾きなどの重篤な問題まで、さまざまなことが気になってくる時期だからです。そのタイミングで、気になっている不具合を集中して手直ししてもらうといいでしょう。電気・ガス機器は通常1年、壁紙やそのほかの設備は2年保証が付いていますので、そうしたものの修理はもちろん無料でお願いできます。また、細かな調整や補修でも、業者に頼むとお金がかかってしまいますが、建てた業者さんなら「お誕生日祝」にサービスでやってくれる作業も少なくありません」
「1年目の家」をチェックするポイントとは
「新築1年目の家は、まだ真新しいところがたくさんあり、建築家にオーダ-してこだわった家を建てる方は別として、案外、なにも気にしていない方が多いんですね(笑)。車でも、家電でも『新品は壊れない』と安心しているのではないでしょか。でも、家はそういった工業製品とは違って、規格通りに作っても、あくまで人の手で組まれますから、ばらつきがあるんです」という椎名さん。
「チェックするところは、いくつかあります。まずは、機械の初期不良。ガスコンロやエアコン、ビルトインの食洗機などがきちんと作動しているかということです」
こうした設備は、大抵1年、メーカーによっては数年の延長保証がついています。全く動かないという状況ならすぐにメーカーに連絡するべきですが、なんとなくエアコンの冷えが悪いな、などと感じているときは、1年目の連絡があった営業の方に相談してみるといいでしょう。ただし、自分で家電量販店などに注文して取り付けたものなどは、買った店舗に相談してください。
参考記事
エアコンの風が弱い!風量が弱まる原因と対処法とは
(https://owners.lixil.co.jp/articles/livingroom/10852/)
「2つめは施工不良ですね。水栓の水漏れとか、24時間換気の設備の音が気になるとか、極端な話で言うと雨漏りなどです。また、無垢材を使ったフローリングの床が音鳴りがするとか、平滑なはずの面がゆがんでいるとか。天然素材ですから温度や湿度などで収縮する場合があります。カベも壁紙の下は合板ですから、湿度の影響などでわずかな狂いが出ることがあります。それで壁紙の継ぎ目が目立ってしまったりすることもあります」
目立つところの不具合はすぐに気づきますが、隠れたところは案外気づかないもの。1年目の連絡があったときに、一度、こまかいところまでチェックしてみるのもいいかもしれません。
「自分で付けてしまった軽微なフローリングの傷や壁紙の破れなども、この1年目の点検・補修の際にお願いしてみるといいでしょう。業者さんによってはサービスで補修してくれるところもあります」
気になるところは記録しておく
椎名さんは、こうしたさまざまな「気になるところ」を常にメモなどに残しておくことが大切だと言います。
「思いついたときに何かに記録しておかないと、いざというときに忘れてしまうんですね。1年目の点検に来てもらったときに忘れずに出せるように、ノートなりなんなりに常にメモしておくと、それを見せるだけでどこが気になるか、一目瞭然になるのです」
できれば、家族全員がそうやってこまめにメモをとっておいたり、業者さんが点検に来る前に家族会議をして、ここが気になる、ここが不便だ、などというところを整理しておくのもいいかもしれません。
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