
前回、賢い「部屋干し」は衣服を脱いだ時から始まっていると解説しました。今回は、部屋干しの3つのフェーズのうち「干す」について、家事アドバイザーの矢野きくのさんにお話を伺いました。
脱水が終わったアラームが鳴っても、気づかず、あるいは気づいていてもつい他のことに夢中になって、長時間放置してしまう、ということはありませんか?
これがよくないと、矢野さんは言います。
「洗濯後はきれいになってるとはいえ、短い時間でも洗濯物を洗濯機の中に残しておくのはNG。濡れた状態が長ければ長いほど雑菌はどんどん繁殖し、ニオイの元となります。ですので脱水が終わったら、とにかく1分1秒でも早く、洗濯機の中から衣類を取り出して干しましょう」
前述した通り、濡れた状態が長ければ長いほど雑菌が増えます。
逆に言うと、早く乾けば乾くほど雑菌が少なくなります。だから、とにかく早く乾かすことがポイントとなるわけです。
「そのためには、なるべく風通しと陽当りがよい場所に干すことが重要です。そのような場所がない場合は、脱衣所などで換気扇を回し、除湿機を使用して、干し場の湿度を下げましょう。除湿機は空気中の水分を取るだけなので、安いものだと5000~6000円で購入でき、電気代もそれほどかかりません。さらにキャスター付きで家中どこにでも運べるので、一家に1台あると何かと便利です。
除湿機は、狭いスペースでかけた方が効果が上がるので、脱衣所に洗濯物を干して、除湿機をかけるのが最も効率的だと思います。さらに、洗濯物の量が多い時やより早く乾かしたい時は、扇風機で下から風を送るとよいでしょう」
エアコンを使用するのも効果的だと言います。
「部屋の中では、エアコンの下に干すとより一層早く乾かせます。ちなみに、干す20~30分前から、除湿機やエアコンの除湿を稼働させて部屋の湿度を下げておけば、なお効果的です。また、エアコンを使用する場合は、風が当たる距離が短いほど早く、カラッと乾くので、エアコンの風の吹出口の直下に洗濯物が来るように干しましょう。その際、エアコンハンガーを使うと便利です」
「洗濯物同士の距離が短ければ短いほど風が通らず、乾きにくくなります。そのため、ピンチやハンガーで干す際、洗濯物を密着させず、離すことがポイント。また、1カ所にまとめて大量に干すのではなく、少量ずつ分散させて、部屋のあちこちに干すことをおすすめします」
以下では、LIXILでお求めいただける部屋干し便利グッズを紹介します。
文◎山下久猛
画像提供◎Shutterstock
家事アドバイザー。女性専門のキャリアコンサルタントを経て、「女性が働くためには家事の改革が必要」と現職に。家事の時短、効率化を専門に、テレビ出演、コラム連載、講演などで活動。著書『シンプルライフの節約リスト』『私らしくシンプル家事 時間とお金を呼び込む節約大ワザ、小ワザ』、監修書『50代からの 自宅の片づけ 実家の片づけ』など。