夏場のお悩み「ニオイ」や「カビ」を徹底排除 [第2回]

部屋干しの「ニオイ」を防ぐ

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洗濯機に衣類の放置はNG!

 部屋干しのニオイを防ぐのに、まずは気をつけたいのが洗濯物のとり扱い方です。

「部屋干しのニオイの原因は、雑菌です。雑菌は湿気が多く、風通しの悪い場所を好みます。洗濯機の中は雑菌にとって好環境。さらに、一度着た衣類やタオルには、皮脂などの汚れもついていて、それが雑菌の餌となります。洗う前の洗濯物を洗濯機に入れて保管している人も多いですが、洗濯物を雑菌だらけにしてしまう可能性が高いのでやめたほうがよいでしょう」

 それでは脱いだ洗濯物はどんな風にとり扱えばよいのでしょう?

「脱いだ衣類は洗濯機ではなく、ランドリーボックスに入れるようにしましょう。通気性のよい、かごやメッシュ状になっているタイプをおすすめします。さらに、洗濯物は溜めこまずに、こまめに洗うようにしましょう。洗わずに置いておく時間が長いほど、雑菌が繁殖しやすくなります。梅雨時は洗濯のタイミングが難しいですが、天気がいい日を待つよりも、少なめの量でこまめに洗う方がニオイの心配がありません」

 また、雨や汗で濡れてしまった衣類やタオルなどは、いったんタオルハンガーやフックにかけておいて、乾かしてからランドリーボックスに入れるようにすると、雑菌が繁殖しにくくなります。

酸素系漂白剤を入れて洗濯する

 それでは洗濯するときに気をつけることは何でしょう。

「除菌・消臭効果がある酸素系漂白剤を洗剤と一緒に入れて洗うと、洗浄力が上がり、汚れや雑菌をしっかり落としてくれるので、部屋干ししたときに嫌なニオイがすることが減ります。我が家ではよりキレイに洗い上げるため、洗濯するときには毎回酸素系漂白剤を入れています。色柄物にも使えます」

 酸素系漂白剤の使い方や分量は商品ごとに異なるので、記載の説明を確認してから入れるようにしましょう。

洗濯物を乾きやすくするコツ

 そして「部屋干し」をするときに一番大事なのは、室内の空気を停滞させないことです。長く湿った状態が続くと、雑菌の繁殖につながるため、室内の空気を動かし、早く乾かすことを心がけましょう。

「洗濯物を干している部屋の窓を対角線上に開けるようにして、風が通るようにすることをおすすめします。風は入る場所と出る場所があってこそ流れるので、対角線上にするのは難しくても、窓を最低2カ所は空けておくほうがよいでしょう。さらに洗濯物に扇風機やサキュレーターなどで風を当てることで、洗濯物が乾きやすくなります。

 雨が強かったり、出かけたりするために窓を開けられないときは、エアコンを除湿モードにし、扇風機やサキュレーターも併用するといいです」

カーテンレールに干さない

 部屋干しをするときに、ついつい衣類をかけてしまいがちなのが、カーテンレールです。ただ、河野さんは洗濯物をカーテンレールに干すのはおすすめしないそうです。

「窓や壁の近くに干してしまうと、窓や壁に接している側に風が通らず、洗濯物は乾きにくいです。しかも、カーテンは頻繁に洗濯するものではないので、ほこりや汚れがたくさんついています。そのほこりや汚れが洗濯物につくと、雑菌の繁殖につながり、ニオイのもとになります。また、カーテン自体も洗濯物の水分で傷んだり、カビやすくなったりしてしまいます。

 それと、洗濯物を干すときに大事なのは、洗濯物の間隔を開けること。洗濯物と洗濯物の間に風が通るように、例えば大人の服と子どもの服を交互に干すなど、洗濯物の長さと厚さを互い違いになるようにして干すと乾きがよくなります。

 また、特に乾きにくいバスタオルなど、厚手のものを干すときは「交互・ジグザグ」に干すのがコツです」

おすすめ部屋干しグッズ

 部屋干しをするときに、どんなグッズを使うかも悩ましいところ。河野さんのお宅で使っているのは、広げるとかなり大きい部屋干し用もの干し。洗濯物同士の間隔をある程度開けて干せるところがポイントです。中心にはタオル類、両脇には洋服をハンガーにかけて干せます。

「軽くて、畳むとコンパクトになるので、別の場所に移動するときにもラクです。部屋の中でも屋外でも使えて、重宝しています」

 部屋干しでは乾きにくいというご家庭では、洗濯機の乾燥機能や浴室乾燥機などを併用する方法もあります。ただし、洗濯機の乾燥機能は洗濯よりも容量が小さいことが多く、洗濯後にそのまま使うと量が多すぎて乾かないことがあるので、注意しましょう。

洗濯物についた嫌な
ニオイがとれない場合

 一度洗濯物についてしまった嫌なニオイがとれないことがあります。そんなときにはどうしたらよいのでしょう?

「部屋干し臭の原因となる雑菌は一度繁殖してしまうと、再度洗っても、紫外線に当てても、死滅しません。ニオイを落とすための方法は二つあります。一つは、60度以上のお湯に20~30分くらいつけ置きすること。そしてもう一つは、酸素系漂白剤に30分くらいつけ置きしてから洗うことです。ただし、素材によっては熱に弱かったり、漂白剤が使えないこともあるので、洗濯表示を確認してから試してみましょう」

 雑菌やニオイも洗えば落おちると思いがちですが、汗をかくと、またニオイが戻ってきてしまうことも多いといいます。気になる衣類は、こうした除菌ケアを行うことでまた気持ちよく着ることができます。

 次回はバスルームやクローゼットなど、カビが気になる場所のお手入れ方法についてとり上げます。

(第3回に続く)

≪お話を伺った方≫

河野真希さん

暮らしスタイリスト・暮らしにまつわるコラムニスト。
『料理教室つづくらす食堂』主宰。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしをつくるためのライフスタイル提案を行う。
監修本著書に『家事のお手本』(泉書房)、『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『はじめようもっと!気持ちのいい暮らしのQ&A』(PHP研究社)などがある。

文◎濱田麻美
写真◎小野隆司、Shutterstock

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