夏場のお悩み「ニオイ」や「カビ」を徹底排除 [第1回]

キッチンの嫌な「ニオイ」をとるコツ

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生ごみの嫌なニオイの原因は?

 夏になるとプ~ンと漂ってくる生ごみのニオイ。蓋付きごみ箱であっても開けたときに中の臭気が漏れたり、ごみ出しの際にニオイが部屋中に広がったり、不快ですよね。

 この嫌なニオイの原因は何なのでしょう?

「生ごみの嫌なニオイは、雑菌の繁殖が原因です。雑菌は気温や湿度が高く、通気性が悪いほど多く繁殖します。この雑菌が生ごみを分解するときに、独特の嫌なニオイが生まれるのです」と河野さんは言います。

生ごみは水気を切って
いらない袋に入れて

 それでは生ごみに雑菌が繁殖するのを抑える方法はありますか?

「“生ごみに水分が含まれないようにする”のがポイントです。生ごみに水がかかるのを防ぐために、三角コーナーをシンクの中に設置しないというのも一つの手です」

 ニオイが出ないようにするには、排水溝に水切りネットを付け、調理の度に水気をよく切って、絞ってから捨てること。特に夏場は排水溝に生ごみを長時間置いておくと、ニオイやぬめりの原因になるので、調理が終わったら、すぐに集めて、処分します。

 では、生ごみ用のごみ箱のニオイを防ぐにはどうしたらよいのでしょう? 河野さんは、生ごみを捨てるときによく使っているものがあるといいます。

「子どもの食べたスナック菓子の袋をはじめとした食品の外袋です。ポリ袋やレジ袋などでもよいのですが、こうした袋はニオイが漏れてきてしまうことがあります。食品用の袋は密閉性が高いので、ゴムなどでしっかりと口を閉じれば、ほとんどニオイが漏れません」

 一般的なポリ袋やレジ袋を使うときは、二重にしたり、生ごみを新聞紙などの紙に包んでから入れると、ニオイが漏れにくくなるそうです。

長期保存は冷凍する

 夏は、帰省や旅行など長期に家を空ける人も多いと思います。タイミングを逃すと、出かける前に生ごみを出せない場合も……。そういった時はどうしたらよいのでしょう?

「生ごみの量がそれほど多くないのであれば、ポリ袋などに入れてそのまま冷凍庫に。凍らせてしまえば、雑菌が繁殖する心配はありません。生ごみを冷凍庫に入れるのが気になる方は、袋を二重にしてもよいと思います」

 旅から帰ってきたら、生ごみ用のごみ箱にポイッ! 旅から帰ってきたときに「なんだか部屋が臭い……」といったお悩みを防ぐことができます。

除菌スプレーを生ごみや
ごみ箱にかけて

 コロナ禍の中、身近にアルコール除菌スプレーを置いているご家庭も多いかと思います。こうした除菌スプレーを使うのも一つの手だそうです。

「生ごみを入れた袋を閉じる前に、シュッと吹きつけておくと、雑菌の繁殖が抑えられます。また、ごみを出したときにもごみ箱の中や蓋などにスプレーしておくとよいでしょう。生ごみ用のごみ箱の中は、水分が漏れたり、ごみがこぼれたりと、汚れやすいです。時々丸洗いしたり、アルコールを吹きつけた布などで拭いたりして、清潔に保つように心がけましょう」

排水溝はぬめりが出る前にお掃除

 排水溝もニオイの原因になっていることがあります。

「夏は、排水溝もまめにお掃除しておくことが大事です。酸素系漂白剤でつけ置きしてから水洗いすると、汚れもぬめりも手間なくとれます」

 また、1~2週間に1回を目安に、市販のパイプクリーナーなどで排水管もお掃除しておくと、ニオイが上がってきにくくなるそうです。ただし、パイプクリーナーは液剤を入れてから長くそのままの状態にしておくと、溶けた汚れがまた固まってしまうことがあります。液剤を排水管に流して説明書通りの時間をおいたら、水で液剤と汚れを洗い流しましょう。

スポンジやふきん・まな板も
ニオイの原因!?

 キッチンのニオイを防ぐには、シンクで使うふきんやまな板、スポンジなども清潔に保つことが大事です。

「湿っている状態が多いふきんは、雑菌が繁殖しやすいものの一つです。できれば週に1~2回、ふきんを洗ったあと、熱湯に1分間程度浸す“熱湯消毒”での除菌をおすすめします。まな板は、食材を切ったときの成分が表面や傷の中に残って、雑菌が繁殖することがあります。アルコール除菌スプレーを調理後に吹きかけておくとよいです。スポンジは使った後によく水気を絞っておくことが大事。ぬめりが出てきたら、早めに新しいものに替えましょう」

 今回はキッチンの嫌なニオイをとるコツについて、詳しく教えていただきました。次回は、夏の部屋干しのニオイ対策についてお伺いします。

(第2回に続く)

≪お話を伺った方≫

河野真希さん

暮らしスタイリスト・暮らしにまつわるコラムニスト。
『料理教室つづくらす食堂』主宰。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしをつくるためのライフスタイル提案を行う。
監修本著書に『家事のお手本』(泉書房)、『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『はじめようもっと!気持ちのいい暮らしのQ&A』(PHP研究社)などがある。

文◎濱田麻美
写真◎小野隆司、Shutterstock

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