夏場のお悩み「ニオイ」や「カビ」を徹底排除 [第3回]

「カビ」が気になる場所のケア方法

空間
浴室
関心
季節お手入れ

一番カビが生えやすい
バスルームはまめにお掃除

 カビが一番気になる場所といえばバスルーム。どんなタイミングでどのようにお掃除するのが、効果的なのでしょうか?

「バスルームは毎日の基本的な日常清掃をする以外に、月に一度は手の届きにくい天井や壁、洗面器などの浴室アイテムをしっかりと洗いましょう。カビが生えてしまっている場所は塩素系のカビ取り洗剤で落とします。そのあとに防カビスプレーなどを使っておくと、その後カビの発生が抑えられるので、おすすめです。また、お風呂から出るタイミングで、シャワーを50℃以上の温度にして、バスルーム全体にかけてから出ると、カビの予防につながります。ただし、火傷には十分注意してください」

 なお、バスルームによく出るピンク色の汚れは、カビではなく酵母の一種です。しかし、このピンク色の汚れが出た部分に後から黒カビが生えやすいので、その時点でしっかりとお掃除を行うのが大切。黒カビが生えてくるとやっかいなので、早めにお掃除しておきましょう。

カビが出てきてしまったら
カビ取り剤で……

 カビが生えてきてしまったら、塩素系のカビ取り剤で落とします。ただ、カビ取り剤を使ったあとも、カビの色だけが残ってしまうことがあります。

「床や壁などに生えた黒カビはすぐに落とせても、目地やゴム、パッキンなどは黒ずんだままになってしまうことがあります。カビ取り剤を正しく使用したのであれば、カビ自体は除去できているのですが、その色素だけが残ってしまっているのです」

 色素が残ってしまった部分は、上から補修用のペンなどで塗っておきましょう。また、カビが発生しやすい部分には、防カビテープを貼るのもおすすめです。

 また、ご存じの方も多いと思いますが、カビを取るときはブラシなどでゴシゴシこするのはNGです。

「ブラシなどでゴシゴシこすると、壁などの素材に細かい傷がついて、カビが入り込みやすい状態になってしまいます。また、カビの胞子が飛び散って別の部分にカビが生える原因にもなります。カビ取り剤を使うときには、説明書通りに時間を置き、その後、速やかにシャワーで洗い流しましょう。水が直接流せない場所に使う場合は、柔らかいスポンジや布などに水を含ませ、優しく拭き取るようにして、強くこすらないようにしてください」

バスマットは置きっぱなしにしない

 お風呂の出口に置いたバスマット。これも実は雑菌が繁殖しやすく、ニオイの原因になっていることがあるといいます。

「湿った布をそのままにしておくと、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。バスマットを使った後は毎回干すようにしましょう。また、バスマット代わりにハンドタオルを置き、家族がバスルームを使い終わったらすぐに洗濯したり、バスタオルで足先まで拭いたり、バスマット自体を使わないという方法もあります」

 河野さんは、バスマットをはじめ、トイレのマットやキッチンのマット、玄関マットなども使わないようにしているとのこと。布製品の汚れやニオイを気にする心配がなくなり、お掃除もラクになるそうです。

お風呂の水は最後の人が抜く

 お風呂に入ったあとに水を溜めておくのも、湿気の原因になります。

「お風呂のお湯は、使い終わったら抜いておくのがおすすめです。浴槽にお湯を入れておくと、湿度や温度が高くなり、カビの原因になります。また、浴槽のお掃除も最後に入った人がお湯を抜くときにササっとスポンジなどで洗っておくと、ゴシゴシこすらなくても汚れが落ちるので、お掃除がラクになります」

 また、トイレは便器だけでなく、壁や床も思った以上に汚れています。流した水が外に飛び散っていることもあるので、トイレの蓋は閉めて流すのがベターです。感染症予防にもつながります。

その他のカビが生えやすい
ところのお手入れ

 クローゼットもカビが発生しやすい場所です。

「一度着た服はすぐにクローゼットに入れないようにアドバイスしています。ジャケットやコートなど、毎回洗わない服でも汗などで湿っている場合があります。半日程度ハンガーにかけて、乾燥してからしまうことをおすすめします」

 また、湿気は下や奥の空気が停滞する場所に溜まるので、除湿剤を置くときには、クローゼットの一番下の段の隅に置きましょう。

 その他、靴箱もカビが生えやすい場所です。

「濡れたままの靴は入れず、乾かしてからしまいましょう。ブーツなどの革製品もカビが生えやすいので、しまう前に汚れを拭いて、しっかり乾かしてからしまうようにしてください。靴箱を掃除するときには汚れを取ったあと、除菌用のアルコールで拭いておくと、カビやニオイを防げます」

布団は起きてすぐにたたまない

 湿気が多い季節は、布団にもカビが発生することがあります。

「人は寝ているときにコップ一杯分の汗をかくと言われています。朝起きたあと、かけ布団を一度めくって湿気や熱を飛ばしてから、布団を片付けたり、ベッドメイクをすることをおすすめします」

 天日干ししたり、布団乾燥機を使ったりして、定期的に湿気を飛ばすことも大事です。

 3回にわたって夏場のお悩み「ニオイ」や「カビ」を防ぐ方法についてお伝えしてきました。上手に湿気対策を行い、清潔で快適な暮らしを維持していきましょう。

≪お話を伺った方≫

河野真希さん

暮らしスタイリスト・暮らしにまつわるコラムニスト。
『料理教室つづくらす食堂』主宰。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしをつくるためのライフスタイル提案を行う。
監修本著書に『家事のお手本』(泉書房)、『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『はじめようもっと!気持ちのいい暮らしのQ&A』(PHP研究社)などがある。

文◎濱田麻美
写真◎小野隆司、Shutterstock

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