忙しい人でも大丈夫!ズボラ片付けのススメ[第1回]

片付けられない人のための「心が折れない5箇条」

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ズボラさんでも何とかなります!

 samiaさんは結婚をしてお子さんを育てながら、家事も仕事もこなしているワーママさんです。

「忙しくて片付けの時間が取れなかったり、私のように面倒くさがり屋さんだったりすると、完璧を求めることでハードルが高くなり、手を付けたくなくなります。あまりの大変さに心が折れることもあると思います。

 そこで、なるべく手を抜いて頑張らない『ズボラ片付け』を提案したいと思います。やれる範囲で手抜きをしながら片付ける方法です。
 次の5つのポイントを心に留めておけば、面倒くさがり屋さんでもきっと家の中がきれいになりますよ」

心が折れない「片付けの5箇条」

1:いっぺんに片付けようとしない!

「ものが溢れかえっている家を一度に片付けようと考えるだけで憂鬱になりますよね。そんな方にはよく、『最初は洗面台まわりや玄関だけを片付けましょう』とアドバイスします。

 比較的狭いスペースなので、片付けがしやすいんです。使っていない洗剤や化粧品などをどんどん捨てます。10~15分でも見違えたようになります。もし気力があれば、洗面ボウルや鏡の掃除を同時にやってもいいですが、ちょっと手を抜いて、後回しでもいいんです。

 ひとつの空間をいっぺんに片付けるのではなく、例えばリビングでも、今日はテーブルの上だけとか、次の日はテレビまわりだけとか、1カ所ずつ始めれば気持ち的にも楽です。1カ所きれいになると、ズボラさんでも次の場所を片付ける気分になりやすいですよ」

2:小さく始める

「取りかかる場所が狭いほうが楽ですが、そのほかに、片付けそのものを『ちょっとしたこと・小さいこと』から始めるのがいいと思います。

 私が最初に始めた片付けは、ボールペンの整理でした。家中にある黒いボールペンを集めてみたら10本以上あって、それを2本くらいに減らしたんです。このように小さなことを少しずつやっていく習慣を付ければ、ズボラさんでもだんだん部屋は片付いていきます」

3:片付けの3ステップを実践する

 samiaさんは、片付けには3つのステップがあると言います。

「まずはいらないものを取り除く『整理』。続いてものの置き場所や方法を決める『収納』、そして使ったものを元に戻す『片付け』です。

 STEP1は、ものの整理です。毎日使うもの、時々使うもの、1年以上使っていないもの、といった感じで分けましょう。
 キッチンツールを例に取ると、まずはすべてをダイニングテーブルの上に出して、毎日使う菜箸や包丁、たまに使う計量カップ、めったに使っていないケーキ型、そして捨ててもいい不要なものに分けます。

 STEP2として、毎日使うものだけ表に出しておき、たまに使うものは取り出しやすい引き出しに、ほとんど使わないものはシンク下収納などにしまいましょう」

 ものを使ったら、STEP3として必ず元の場所に戻すこと。時間にすればほんの数秒で済むことです。この小さな積み重ねが、整理された状態をキープするポイントになります。

4:「捨てる判断」は後回しでOK

「私もそうなんですが、実はズボラさんって、ものを捨てる決断が苦手な方が多い気がします。なので片付けでは整理(STEP1)に一番集中しましょう。

 ものを『残すもの』『捨てるもの』に分けていきますが、残すか捨てるか迷うものがあれば、すぐに判断しなくてもOKです。『保留』ボックスを作って、そこに入れておきましょう。ただし、保留ボックスの数は増やさないこと。我が家では1人1箱ルールにしています」

「捨てるもの」に仕分けたものの処分も、家全体の整理(STEP1)と収納(STEP2)が終わってからでOKです。

5:売ったりあげたりしないで「捨てる思い切り」をもつ

「ものを捨てるのはもったいない気持ちもありますよね。でも、手放すと決めたら捨てることが一番効率的です。
 ネットの売買サイトやフリマアプリで売るのは、在庫管理や発送など手間がかかります。なかなか売れないものも出てきて、いつまでも肝心の片付けが終わりません」

ハードルを下げて無理せず始めよう

 以上、5箇条を念頭に置いて片付けに向き合えば、途中で心が折れたりせずになんとか片付け切れそうです。

 次回は片付けの実践編。この5箇条をふまえながら、手抜きのズボラ片付けでもスッキリとおしゃれな部屋に見えるコツを伺います。

≪お話を伺った方≫

samiaさん

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。YouTubeやInstagram、TikTokなどで整理や収納のアイデアについて情報を発信している共働きのワーママ。忙しい日々の中で子育ても家事もこなす。著書に『勝手に片付く部屋作り -忙しくてもズボラでも狭くてもできる!-』(ワニブックス)がある。

文◎坂井淳一
写真提供◎samia

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