
IoT住宅にまつわるさまざまな疑問に、LIXIL IoT事業推進室長の倉林慶太がお答えするこの特集。第2回は、家にIoTを導入したら暮らしがどう変わるのか、具体的なシーンでの活用例をご紹介します。
A:第1回でもお話ししましたが、多くのお客様からお聞きするのは、外出するときスマートスピーカーに「行ってきます!」と一声かけるだけで照明やエアコンや空気清浄機などの家電をオフにできて、必要に応じてシャッターも閉めることができて、スムーズに出かけられるようになったというお声ですね。さらに、帰ってきたら「ただいま!」の一声で、照明やエアコンがつきます。スマホで遠隔操作もできるので、暑い日や寒い日は家に着く前にエアコンをつけて快適な室温にしておくこともできます。
また、温湿度センサーを使うと、あらかじめ設定した温度や湿度を超えたら自動でエアコンがオンになるよう設定することもできます。
他にも、帰ってからすぐにお風呂に入れるのが魅力的だというお話を伺います。お風呂もIoTでつながっていれば、寝室やリビングからはもちろん、外出先からも遠隔操作が可能です。今は自動洗浄機能がついた浴槽もありますので、帰宅する前に、外からの操作で浴槽の残り湯を排水して、浴槽を清掃し、湯張りをし、帰ったらすぐに綺麗なお風呂に入れるというわけです。
さらに、バスルームの温度調整ができるシステムもあるので、寒い時期は浴室を温めるなどより快適になりますよ。
A:そうです。アレクサやGoogleアシスタント搭載のスマートスピーカーにつなぐことで、声だけでエアコンを操作したり、照明を操作したり、さまざまな設備を操作ができるようになります。これは思った以上に便利という声をよくお聞きします。
例えば、洗い物などをしていて手が離せないときでも、暗くなってきたら照明をつけたり、ちょっと暑くなってきたらエアコンをつけたりといったことが、声だけでできるのです。
子育て中の方や、ご高齢で足の悪い方などには、大きな助けになると思います。
A:最近は防犯カメラをつけているご家庭が増えているようです。第1回でお話ししたように、みなさまの防犯意識が高まっているためでしょう。お子さんやペットの見守りのために、防犯カメラをつけるご家庭も増えています。防犯カメラをIoTにつなげれば、どこにいてもスマホで家の中や外を確認できますから、防犯になるのはもちろん、帰宅が遅くなりそうなときにお子さんが帰っているか確認したり、旅行中にペットの様子を確認したりと、見守りもできるので安心ですね。
A:現在、IoT住宅を取り入れているのは、若い世代の共働き層が多いのですが、私たちはもっと高齢の方にもIoT住宅の便利さを知っていただきたいと思っています。高齢になって体が思うように動かない、機器の操作がわからなくなった、以前より忘れっぽくなった、などというときに、IoT住宅は大きなサポートになると考えているからです。
ただ、高齢の方ほど、IoT住宅を導入しても使いこなせるか自信がないとおっしゃるのも事実です。そこで次回は、ITが苦手な方でもIoT住宅を使いこなせるかについてお話ししたいと思います。
(第3回に続く)
「IoT住宅は『未来の生活』と思われているお客さまが、とても多くいらっしゃいます。しかし実際は、今、普通に便利な生活を実現できる暮らしのアイテムです。ぜひ、気軽に試してみてください」
文◎濱田麻美
画像◎Shutterstock