「IoT住宅」で暮らしをもっと便利に![第1回]

IoT住宅で何ができるの?

空間
リビング・寝室・居室
関心
建築便利グッズ時短

「IoT住宅」とは?

Q:IoT住宅とはどういうものですか?

A:IoTとは“Internet of Things”の略で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。テレビやエアコン、照明など、身の回りの“モノ”がインターネットでつながり、それをスマートフォンやタブレットで遠隔操作したり、声で操作したり、自動制御したりできる技術をいいます。

 IoT住宅とは、そういったインターネットにつなげることのできる「スマート家電」と、ITやAI(人工知能)技術を取り入れた住宅のことです。スマート家電だけでなく、LIXILの建材や設備、たとえば浴室や玄関ドア、窓やシャッターなどもインターネットにつないで、アプリで一括管理することができます。

Q:“スマートハウス”という言葉もよく聞きますが、IoT住宅とどのように違うのでしょうか?

A:“スマートハウス”はどちらかというとエネルギーに特化した住宅を指します。家庭でのエネルギー管理システム“HEMS(ヘムス)”を導入しているケースも多く、太陽光発電でエネルギーを作り出したり、家庭用蓄電池などでエネルギーを蓄えたり、最新設備の導入で省エネしたりできる家のことです。

Q:さらに先を行く家として “インテリジェントハウス”も生まれようとしていると聞きますが、これはどういうものですか?

A:“インテリジェントハウス”は自分で学習していく機能が備えられている住宅のことです。住んでいる人の行動を予測して作動する働きがあります。例えば朝起きると習慣として洗面所行く人がいるとします。その行動を数回学習すれば、起きて洗面所に行こうとすると廊下の電気がついて、歯ブラシが用意されるといった具合に、その人の行動に合わせた設備を整えられるようになっています。ただ、そこまでは必要ないという方もいらっしゃるので、弊社ではお客様それぞれお好みに合わせてどこまでシステムで利用できるかを選択できるようにすることも大切にしています。

Q:実際に導入される方はどのくらいいらっしゃいますか?

A:ここ2年くらいでお客さまの関心が急激に高まってきた印象があります。とはいえ、本格的に普及するのはまだこれからだと思います。ちなみに弊社の商品で一番取り入れられているのは、玄関ドアの電気錠です。例えば、出かけたときに、鍵を閉め忘れていないか不安になったとします。そんなときもスマホで鍵がかかっているかどうか確認できますし、もし鍵がかかっていなかったらスマホで施錠することもできます。

 その他、電動シャッターも人気があります。電動シャッターは、外出していて急に雨が降ってきたときなど、スマホのアプリを使って遠隔操作で閉められますので、その手軽さに皆さま驚かれます。

 IoTを取り入れると一斉操作できるのも便利です。例えば外出するときは、通常なら電気を消して、エアコンを消して、戸締りをして、シャッターがあるお宅ならばそれも閉めてと、いくつもの支度が必要です。でも、IoTが整っていてスマートスピーカーと連動していれば、「行ってきます!」の一声でこれら一連の作業をまとめて行うことができます。どなたでも、何かを忘れてしまうことはあると思いますが、IoT住宅であればすべてを一斉にやってくれるので、どれか1つを忘れてしまうということがないのです。 

IoT住宅のメリット・デメリットは?

Q:一番のメリットは何ですか?

A:“時短できること”“家事がラクになること”の2つが大きいでしょう。家の中にはさまざまな家電や設備がありますが、一つ一つ手で操作しなくてはなりません。でも、IoT住宅にすれば一斉操作したり、自動設定にしたり、声で動かしたりできるのです。

 一つ一つはたいした手間ではなくとも、積み重なれば少し煩わしいものです。そんな、日々のちょっとした煩わしさがなくなります。それぞれの機器のリモコンが不要になりますから、リモコンを探して歩くこともなくなるので、非常に便利ですよ。

Q:他にはどういったメリットがありますか?

A:最近、物騒な事件が増えているため、防犯意識を高めている方が多いようです。IoT住宅のメリットとして、防犯性が向上することも挙げられます。シャッターやドアを閉める、防犯カメラで家の様子を確認するなど、家を機械的に管理することで住まいの安全性を高められます。また、電気やエアコンの消し忘れを防いだり、温度調整したりできますので、節電にもつながります。

Q:インターネットにつなげると、不正アクセスなどの不安があります。セキュリティ対策や、その他のトラブルへの対策はどうなっていますか?

A:弊社では住宅で使われる最高レベルのセキュリティを設けてはいますが、それでも心配される方はいらっしゃいます。やはり、絶対というものは難しい世界なので、そのあたりは今後の課題でもあります。

 また、電気で動くものが多いので停電したときにどうするかを心配される方もいらっしゃいます。弊社の住宅では蓄電池も備えていますが、何かあったときに慌てないように、手動でも動かせる電動シャッターなどは、あらかじめ動かし方を確認しておくことをおすすめしています。

(第2回に続く)

LIXIL LHT デバイス事業部 IoT事業推進室長
倉林慶太

「IoT住宅は『未来の生活』と思われているお客さまが、とても多くいらっしゃいます。しかし実際は、今、普通に便利な生活を実現できる暮らしのアイテムです。ぜひ、気軽に試してみてください」

文◎濱田麻美
画像◎Shutterstock

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)