知らぬ間に健康がおびやかされている…。電磁波から身体を守る住まいとは [後編]

いますぐ、電磁波対策を始めよう!

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スマホ、パソコンの「充電しながら使用」はNG

 前回、電磁波を構成する要素のうち、電場についてはアースをする(地面に逃がす)、磁場については家電製品から距離をとって離れることが有効だと話しました。

 まず、すぐに自分でできることとして、アース線が付いている家電製品をきちんとアースをつないでいるか確認しましょう。

 アースがとれない家電製品については、長時間触れ続けないことが大切です。

「消費電力が大きい家電製品ほど強い電磁波が発生しますが、短い時間であれば触れてもそこまで害はないでしょう。ただし、たとえ電磁波が弱くても長時間触れ続けていれば、身体に何らかの影響がおよぶ可能性が高くなります。そのため、使用中の家電製品からはなるべく距離をとることが大切です。とくに、スマートフォンやノートパソコンなどは、充電しながら使わないでください。

 また、寝るときにスマーフォンを枕元に置いておくと、微弱ではありますが脳が電磁波を浴び続けることになるので、おすすめしません」

手軽にアース対策ができるアイテムとは?

 土田さんが専任理事を務めるEMFA(一般社団法人 日本電磁波協会)では、アースがないコンセントでアースができる機器や、その機器とつなぐことで睡眠中の周囲の電磁波(電場)の影響を抑制し、また身体に溜まった静電気を除去することができる寝具などを取り揃えています。

 なお、これらのアイテムは一般販売をしておらず、EMFA(一般社団法人 日本電磁波協会)が認定する「電磁波測定士」が、電磁波や製品の使用方法等の説明を行った上で販売しています。その理由について、土田さんは「製品がひとり歩きするのではなく、正しい知識をもった人と一緒に動いてほしい」からだと話します。

「電磁波は目に見えないので、さまざまな情報が氾濫しており、中には胡散臭いイメージを持っている方もいるかもしれません。けれども、電磁波対策とは決して眉唾物ではなく、簡単にいうと『余計な電気を逃がす作業』でしかないのです。

 電磁波対策に関心のある方には、まず、現在のお住まいからどのくらいの電磁波が出ているのか知っていただきたいと考えています。その場合はぜひ、電磁波を正しく測定し、間違いのない対策方法を提案できる電磁波測定士にご依頼ください」

安心できる住まいをお求めの方へ

 電磁波対策においては、可能な限り、アースをすることが大切です。しかし、家電製品のアースをするだけで、住まいの電磁波をすべて除去できるわけではありません。なぜなら、家電製品だけでなく、「家」そのものからも、電磁波が発生しているからです。

 住まいには、コンセントから電気を供給するための「屋内配線」が、床や壁、天井の内部に敷設されています。屋内配線には常に電圧がかかっているので、ブレーカーを切らない限り、家中の屋内配線から電場が発生しているのです。

 そこで、土田さんは、電流が流れない特殊な導電性シートを床や壁に施工することで、電場をアースで抑制する住まいの普及に取り組んでいます。

「これまで日本の住宅は機能性や利便性、デザイン性に重きが置かれ、電磁波への視点が疎かになっていた点は否めないでしょう。でも本当は、電磁波過敏症やアレルギーの人でも安心して住めるよう、電磁波が身体に及ぼす影響にも、焦点を合わせてみていただきたいと思います。この機会にぜひ、住まいの電磁波対策について考えてみてください」

〈お話を伺った方〉

土田 直樹さん

EMFA(一般社団法人 日本電磁波協会)専務理事。株式会社レジナ代表取締役。1969年福岡県生まれ。福岡大学経済学部卒業。商社にてものづくりとセールスを、設計事務所にて100年住宅構想の先導的具体的なモデルになった「300年住宅」の企画販売に携わる。2002年、電磁波抑制器機の開発と販売を行う株式会社レジナを設立。世界一安全なホットカーペットや、身体に優しい建築部材などを開発し、健康と安全な暮らしを創造する事業を展開。住まいの電磁波対策である「オールアース住宅」は工法特許(第5358036号)を取得し、4000棟以上の新築やリフォームに導入されている。著書に「アース革命」、「オールアース時代がやってくる」(共にホノカ社)。

文◎八木麻里恵
人物写真◎加々美義人
画像提供◎Shutterstock

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