【各場所1時間以内!】プロが伝授する“秋掃除”テクニック[第2回]

キッチンの油汚れは“時間差”掃除でスッキリ

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キッチン掃除の時短ポイントは?
用意する洗剤と道具、手順を確認

 キッチンの掃除は、「汚いところから先に洗う」が鉄則。場所ごとの汚れの種類と洗剤の使い分けが時短ポイントに。

 コンロの上面・壁・五徳などの油汚れ、ワークスペースの汚れ、シンクの中と周囲・排水溝の水垢汚れの3つの場所に分けて進めていきます。

【用意するもの】
重曹、台所用洗剤(中性または弱酸性)、クエン酸、泡タイプのカビ取り剤、ゴミ袋、目地ブラシ、スポンジ、マイクロファイバークロス、キッチンペーパー、ラップ

頑固な汚れは時間差で!
重曹つけ置き、クエン酸ペーストラップ

 まずは、頑固な油汚れや、食材がこびりついているコンロのトレイ、五徳、魚焼きグリルの網などから始めていきます。つけ置きとペーストラップを使用して“時間差”で汚れを落としていくのが時短ポイントです。

「シンクの中にゴミ袋(45リットル袋くらい大きなもの)を用意し、蛇口から60度程度の熱めのお湯を注ぎます。そこにお湯1リットルに対して重曹大さじ2~3杯程を入れて溶かします。もし可能であれば沸騰後の80度程度のお湯を使う方が、汚れが溶け出しやすいです。

 その中に、五徳、コンロのトレイ、魚焼きグリルの網、ボトルホルダーなどの油汚れがひどいものを入れ、空気を抜いて袋を結び1時間ほどつけておきます。

 汚れのひどい部分には、あらかじめ粉状の重曹をふりかけてからお湯を入れると、くぼみや汚れに重曹がたまるのでよく落ちるようになります」

 また、さらにひどい汚れの場合は重曹ペースト(重曹3:水1)を作り、汚れ部分に塗って上からラップを隙間なく貼って“湿布状態”にして置いておくと驚くほどきれいになるとのこと。

 この時点で、蛇口の根本の茶色い水垢汚れにも、クエン酸ペースト(クエン酸3:水1)を塗って上から濡らしたキッチンペーパーで空気を遮断し、ラップをして湿布状態にしておきます。

壁、コンロの油汚れは台所用洗剤
ワークスペースは素材を要確認

 まずは、壁から掃除を進めていきます。台所用洗剤を水で薄めて、いらない布に含ませて拭いていきます。

「布は拭き取ることでギトギト油汚れが付着するため、使用後に処分しても良いものを使うと、楽ちんで時短になります。壁拭きは、拭いている時に液だれ跡が残ってしまわないよう、下から上に向かって拭いていきます」

 続いて、コンロの上の油汚れを、薄めた台所用洗剤と柔らかいスポンジで洗っていきます。IHヒーターの場合も同様です。目詰まりした汚れには目地ブラシ、またはタワシが向いているとのこと。

「ワークスペースは使用している素材によって取り扱いが大きく異なるので、よく取扱説明書を確認してから行います。大理石の場合には、特に注意が必要です。マイクロファイバークロスを使用した水拭きであれば、どの素材でも傷つかずきれいになります。

 汚れが気になる場合は、濡らして固く絞った布に薄めた台所用洗剤を含ませて拭きます。どの場所も、台所用中性洗剤を使用したあとは、しっかりと水拭き、乾拭きで洗剤が残らないように拭き上げておきましょう」

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最後はシンク、排水溝へ

 続いては、シンクで最初につけておいた油汚れを落としていきます。

「こびりついた焦げは重曹でほとんど落ちますが、油汚れをさっぱり落とすためにはやはり台所用洗剤で洗うといいですね。隙間は目地ブラシやタワシで軽くこすって流し、最後に乾拭きすればピカピカになります」

 蛇口の根本周りに貼っておいたクエン酸ペーストのラップも剥がし、ペーストを取り除いたら目地ブラシかタワシで汚れをかき出します。そしてシンク内と同様に、台所用洗剤とスポンジで洗って水で流しておきます。

 最後は全ての汚れが流れていった排水溝へ。目皿など外せるものは外して、黒カビにはキッチン用の泡タイプのカビ取り剤をスプレーして目地ブラシを使って汚れを落とします。

 キッチンには、カビだけではなく油汚れもついているので、カビ取り剤と台所用洗剤を使って汚れをスッキリ落としましょう。

 水分が残っていると、水道水に含まれているカルシウムなどのミネラル分の付着と塩素イオンによる腐蝕で跡が残ってしまうので、乾いた布かマイクロファイバークロスで拭き上げを。

「浴室もそうですが、カビ取り剤のあとは必ず中性洗剤を使って洗いましょう。カビ取り剤でカビは除去できても、汚れは分解させないと取り切れません。

 キッチン用のカビ取り剤が1本あれば、キッチンはもちろん浴室にも使えてとても便利です。希釈するタイプではなく、泡タイプならそのまま使用できて手軽です。

 また、キッチンの日々の汚れのほとんどは、台所用洗剤で落ちます。掃除に対する気持ちを軽くするためにも道具は少なく、便利なものを選ぶことが重要だと思います」

 次回は、洗面所・窓・サッシ・網戸、汚れがたまりがちなところを「サッと掃除する」秋掃除テクニックを紹介します。

《お話をうかがった方》

畑森多栄子さん

家事代行サービスCaSyのお掃除キャスト。CaSyに属するキャスト12,000人のうち、最上位ランクに位置するキャストの中から、さらに選抜された、家事代行のトッププロ集団「TEAM BLACKS」の一期生、四期生を務める。掃除能力検定士2級、ハウスクリーニングアドバイザー、収納マイスター、クリーニングインストラクター、整理収納インストラクターの資格を持つ。経験豊かなキャリアを生かしてメディア出演も多数。

文◎藤本あき
画像◎Shutterstock

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