【各場所1時間以内!】プロが伝授する“秋掃除”テクニック[第1回]

時短で浴室をピカピカにするテクニック

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気候を味方につける「秋掃除」のメリット

「夏の暑さで汚れが緩くなり、弱い力で落としやすくなるため、秋は掃除に最適な時期なんです。冬の大掃除の時期になると、空気が乾燥して汚れも落ちにくくなっていきます」と、秋掃除のメリットを解説してくれるのは、家事代行サービスでお掃除トップキャストを務める畑森多栄子さん。

 おすすめの理由は気候だけでなく、暑さによる体力の消耗も少なく、太陽光も明るいので電気の照度で分かりにくい埃を見分けやすいなど、“良いことづくめ”だそう。

浴室を1時間以内で!手順と道具を確認

 時短掃除に重要なのは、「手順と道具」。手順の簡略化と、使用する道具を少なくすることが時短の大きなポイントに。

【浴室掃除で用意するもの】
泡タイプのカビ取り剤、お風呂用洗剤、柄のついたフロアモップサイズのスポンジ、目地ブラシ、マイクロファイバークロス

(※洗剤に記載されている使用上の注意を守りましょう。洗剤を使用する際は作業に応じた保護具の使用、塗布後は長時間放置をしないようにご注意ください)

「まずは、浴室が乾燥している状態でカビが見えている排水口、浴室の隅、ゴムパッキンなどには、掃除の最初に泡状のカビ取り剤をスプレーしておきます。濡れている状態で撒くと、カビの根にまでカビ取り剤が届きません。

 カビがひどい場合はジェル状のカビ取り剤がおすすめです。10分ほど放置したら、流して目地ブラシできれいに落とします。

 カビ取りをした後は浴室全体にシャワーで40~50℃程度(冬場だと50℃以上)のお湯をかけ、汚れを緩めてから風呂用洗剤を撒いてこすっていきます。お湯は冷たい水よりも水切れも良いです」

 壁、浴槽、ドア、排水口など、場所ごとに掃除をしていくと時間がかかるため、すすぎの際も場所ごとに行うのではなく、一気に流し、同じ動作を極力省くことで時間と手間と光熱費をカット。

 また、カビを取っても石鹸カスや皮脂汚れは落ちていないため、カビを取ったうえで、しっかりと洗剤とスポンジで汚れを絡め取って落としてくことが必須だそう。

「掃除中に床が滑りやすい、天井から水滴が垂れてくる場合もあるので、浴室を2ブロックに分けて掃除をすると良いでしょう。自分が立っている側と反対側のブロックを交互に行います。私は汚れの見落としをなくすため、スタート地点を決めて、そこから一周するように掃除をしていきます。

 掃除は上から下への順が原則。天井、壁、浴槽、窓、鏡も同様に。汚れが強いドアの下部分やレール、ボトル類の底は最後に回し、汚れが緩んだ状態にしてからスポンジできれいにします。

 浴槽のエプロン部分の底面や、カウンターの裏側は汚れが溜まっているため、十分に緩まった状態で行うと体力の消耗を防げます」

見えるカビを落としただけでは終わりではない、
時短のポイントは「洗う面積」

 見えていないだけで、壁にも天井にもカビは付着しています。お湯をかけて汚れが緩くなった状態で、洗剤とスポンジで洗っていきますが、洗う面積が多い浴室におすすめなのは、柄のついたフロアモップサイズのスポンジとのこと。

「天井など高い場所にも届き、椅子の上に乗ったり、屈まずに作業ができるため体勢も辛くなく、ストロークが大きい分、大きな時短につながります。

 用意できない場合は、フロアモップの先にマイクロファイバークロスを取り付けて使用するのもおすすめです。天井を洗う時には水滴が垂れてきますので、目に入らないよう少し離れて行うようにご注意下さい」

面倒なドア下とレール、
シャワーヘッドの掃除ポイント

 ドアの下のレール部分に、ほこりや髪の毛などの汚れが固まっている場合は、しっかりと汚れを緩めた状態にしてから進めていきます。

「ステンレス製のボトルホルダーの隙間、風呂椅子の足の裏にある滑り止めなどは、スポンジでは細かい目や溝の汚れまでかき取りづらいので、タワシや目地ブラシでかき取るときれいになります。

 シャワーヘッドも洗剤とスポンジで磨く程度できれいになりますが、もし白く汚れてしまっていたら、別途2時間ほどクエン酸を溶いたお湯につけ込んでおくとピカピカになります。

 水垢汚れは放置していた期間が長い場合には、一回では落としきれない場合があります。そのような場合は力を入れて落とすのではなく、何回か同様に繰り返し行うことで落としきることができます」

LIXILの「キレイドア」

浴室側のパッキンをなくし、また、空気の通り道をドアとドア枠の間に作ることにより、ガラリもなくしました。汚れやホコリがたまりにくくなり、お掃除がカンタンに。
www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/feature/unit/

全部で1時間以内!
一気に流して拭き上げて終了

 最後に一気にシャワーでお湯をかけて流し、全ての汚れが流れていった排水溝をスポンジと目地ブラシで洗って、浴室全体の水気をスクイージーで切り、マイクロファイバークロスで拭き上げたら、およそ1時間以内で浴室掃除は完了です。

 浴室の秋掃除のポイントは、一気に汚れを緩めて一気に流す、一回でこする面積を道具で大きくすること。

「汚れをしっかり落としておけば、普段の掃除の頻度も下げられ、冬の大掃除まで汚れが溜まっていかないので気持ちにもゆとりができると思います」

 次回は、キッチンの油汚れを場所ごとに区切って一気に落とす、秋掃除テクニックを紹介します。

《お話をうかがった方》

畑森多栄子さん

家事代行サービスCaSyのお掃除キャスト。CaSyに属するキャスト12,000人のうち、最上位ランクに位置するキャストの中から、さらに選抜された、家事代行のトッププロ集団「TEAM BLACKS」の一期生、四期生を務める。掃除能力検定士2級、ハウスクリーニングアドバイザー、収納マイスター、クリーニングインストラクター、整理収納インストラクターの資格を持つ。経験豊かなキャリアを生かしてメディア出演も多数。

文◎藤本あき
画像◎Shutterstock

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