
リシェルSIを中心に、シックにまとめられた福岡県のA邸。常に整った美しい住まいを実現しているのは、「配線の工夫」なのだそうです。その理由をAさんにうかがいました。
LIXILのショールームで見たリシェルSIに一目惚れして、キッチンを中心に家づくりを考えたAさん。色のトーンを揃えたことで、家の中には落ち着いた統一感が生まれています。
システムキッチンと周辺収納の間を1メートルに設定したのは、夫婦2人でゆったりとキッチンに立ちたかったから。そしてAさんは、配線にも細やかなリクエストを出したといいます。
例えば、収納のカウンター上には、等間隔に5つのコンセントを設けました。スマートフォンのように、充電が必要な器具が増えたことにより、コンセントの必要性は近年高まっています。そのためAさんも、「カウンター付近に5つのコンセントは多すぎるともいわれましたが、決してそんなことはないと思い、要望しました」といいます。
しかもAさんは、コンセントを設置する位置や高さも細かく指定しました。
「これも注文住宅ならではですね」とのことですが、指定したのには理由があります。家電などのコードが見えていると雑多な印象を与えるため、家電を置く場所に合わせてコンセントをつくりたかったのだそうです。
例えば、キッチンのパントリー棚の奥には、ロボット掃除機用のコンセントを設置しました。これにより、コードが居室にはみ出すことなく、スッキリ収納されています。
さらにAさんは、リビングのサッシの高さを天井高にして、天井と軒のつながりを意識しました。これにもちょっとした理由がありました。
「私の祖父は大工で、子どものころから木目の天井に親しんできました。おそらく、その美しさが潜在意識に刷り込まれていたのでしょうね。ほんの小さなズレや段差が気になりだすと見すごせなくなってしまい、サッシの高さも指定させていただきました」
このおかげで、天井高までの大きく明るい窓も実現できました。
また、連載第1回でも紹介しましたが、家を建てる際にぜひ使いたかったのが、LIXILのエコカラットだそうです。スタイリッシュでありながら、脱臭や調湿など機能的にもすぐれ、手入れも簡単なエコカラットだからこそ、Aさんは、リビングの壁一面にこちらを貼り、デザイン性とともにすぐれた機能を実感しているそうです。
施工にあたっては、階段下の猫のトイレスペースにもエコカラットを貼りました。小さなスペースで、貼ったエコカラットも少量でしたが、効果は大きく、猫のトイレのにおいで悩まされたことはないそうです。
ちなみにAさんは、このスペースにもコンセントを設けました。施工中からペットスペースにすることを決めていたため、自動給水器や脱臭器などを置くことも想定してのことだそうです。
※エコカラットの機能は使用環境により異なり、保証するものではありません。
ところで、A邸の外観は多彩な窓が特徴的。リビングには天井高の大きな窓がある一方で、スリット窓も多く使われています。これら窓の設置場所や大きさも、奥さまがご要望されたのだそうです。
文◎牛島千絵美 撮影◎松隈直樹