「外壁」「雨樋」…春に点検すべき5箇所

　春は家の外まわりのお手入れに最適な季節だと山田さんは言います。

「寒い冬の間は、外に出て家をじっくり見る機会はあまりないと思います。3月ともなれば暖かくなり、しかし庭の植栽はまだそれほど芽吹いていないので、点検がしやすいです。このタイミングで、落ち葉の片付けや家庭菜園の苗植えなどをすると同時に、建物の外まわりの傷みをしっかりチェックしてみましょう」

　春先にしっかり点検したい最重点箇所は「外壁」です。

「古いモルタルや土壁の家は、よく見てみるとヒビが入っていたり、長い年月雨風や直射日光に晒されて風化していることがあります。ヒビ割れを放っておくと、雨水が染みこんで中の木材を腐らせてしまう可能性があります。早めに補修や外壁塗装を行いましょう」

　外壁にサイディングを使っている家も多いと思います。

「サイディングはモルタルに比べて防水性・耐久性に優れていますが、それでも10年も経過すると、素材によってはかなり傷んできます。また、合わせ目に打っているシーリング材が固くなって剥がれたり、ヒビが入ったりすることもあります。中には、サイディングが歪んでしまうケースもあります。

　歪んでいるかどうかは、壁に顔を近づけて下から見上げるとよくわかります。フラットな壁面は、真正面からでは歪みに気がつきにくいんです」

　家の一番外側にあたる「門扉やフェンス」もチェックしましょう。

「こうした場所は意外と汚れています。高圧洗浄機などで汚れを洗い落としてから、ゲートの開閉がスムーズか、サビはないかを点検しましょう。きしみ音がする場合は、潤滑用のシリコンスプレーやオイルスプレーを吹きかければ音はしなくなります。サビはワイヤーブラシで落としたりサビ転換剤を塗るなどし、必要ならDIYで塗装するのもいいでしょう。フェンスもしっかり洗ってから、損傷がないかチェックします」

　家の顔である門扉やフェンスがキレイだと、おうちが1ランク上に見えます。

　毎日通っているのに意外と見落としがちなのが「カーポート」だそうです。

「コンクリート部分にヒビが入っていたり、欠けていることがあります。小さなものなら市販のコンクリート補修キットを使ってDIYで直すことも可能です。放っておくとどんどんヒビが大きくなってしまうので、早めに対処しましょう。
　床面もかなり汚れています。高圧洗浄機などを使ってキレイに汚れを落としましょう」

　屋根付きのカーポートの場合は、屋根や柱も要チェックです。

「鉄骨の柱の根元は錆びやすいです。深部まで傷んでいなければ、錆び止め入りの塗料で表面を塗装してもいいでしょう。
　屋根もかなり汚れがこびりついています。特にポリカーボネート製の屋根は汚れや傷が付きやすいです。室内フローリング掃除用のワイパーの柄にマイクロファイバーの雑巾を取り付けて拭くことで、効果的に汚れを拭き取れます。カーポートの屋根がキレイになると、家全体が見違えるようになりますよ」

　LIXIL商品のアクリル樹脂板・ポリカーボネート板・波板のお手入れは、定期的な水洗いが美しさを保つ効果的な方法です。年に数回、薄めた中性洗剤と併用した水洗いを行うだけで、大きな効果が得られます。

　普段あまり開け閉めをしない場所も点検しましょう。

「ベランダやテラス、エアコンの室外機も点検しましょう。風で飛んできた枯葉がたまっていることがあります。またガスメーターボックスや水道の元栓、排水枡も点検し、汚れていたりゴミが溜まっていたらキレイに掃除しましょう」

　次回は外まわりの掃除に便利な家電製品について伺います。