「宅配ボックス」のある生活 [第1回]

withコロナ時代の新たな脅威……置き配ドロボー増加中!

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防犯リフォーム事例

コロナ禍で「置き配」がデフォルトに

 置き配とは、自宅の玄関前や自転車のかごなど、受取人があらかじめ指定した場所に宅配物を置いてもらって受け取るサービスのことです。配達員と対面しない非接触型の宅配サービスであることから、新型コロナウイルス感染症対策の一環として普及するようになりました。

 再配達率の低下にも効果のある置き配ですが、一方で「盗難被害も相次いでいる」と京師さんはいいます。

「一部のECサイトでは置き配が初期設定になっており、手渡しを指定していないと自動的に置き配になってしまいます。そのため、気づかぬうちに置き配されており、玄関に放置していたら盗まれてしまったというケースが急増しています」

 非接触配送が普及したことで、置き配を狙う泥棒も増えているそうです。

「外出自粛が求められる中、日常の生活用品や洋服などをECサイトで購入する方が増えました。それにともない、コロナ不況で生活苦に陥っている人が置き配されている日用品を盗むケースが増加しています。
 また、非接触配送の普及で、従来はほとんどなかった高級品の置き配も増加していることから、転売を目的とした高級品の泥棒も急増しています」

高額な商品は
運送保険で守るのもおすすめ

 置き配によって荷物が盗まれた場合、気になるのが補償です。実は盗難や紛失に対する補償対応は業者によってさまざまで、全額保証してくれる会社もあればそうではない会社もあるといいます。

「実際に高級バッグを紛失し、補償を受けられなかった友人がいます。発送完了の通知があったものの、そこから荷物が行方不明になってしまったと言っていました。宅配業者の事故なのか、配達後に盗まれたのかも分からずじまいだそうです」

 宅配物が高額商品の場合、盗難・紛失を防ぐ手立てのひとつが「注文時に必ず手渡しを指定すること」です。しかし、手渡しを指定していても勝手に置き配されてしまうリスクがないとは言い切れません。もうひとつの対策として、京師さんは「運送保険への任意加入」をおすすめしています。

「たとえば高級バッグなどの高額な商品を購入した場合は、配送時にご自分で保険をかけておいたほうが安全です。任意保険に加入していれば、宅配物が盗難された場合だけでなく、誤配によって紛失した場合でも補償を受けることができます」

「宅配ボックス」が
withコロナ時代のマストアイテムに

 宅配物が日用品であれば、コンビニでの受け取り指定を利用したり、街中にある公共の宅配ボックスなどで受け取るのも、盗難や紛失を防ぐ手立てのひとつです。

 しかし、荷物が重いなど、コンビニや公共の宅配ボックスから運ぶのが困難な場合もあるでしょう。

 防犯面や利便性を考慮するなら、「宅配ボックスの設置」がもっともおすすめだと京師さんはいいます。

「宅配ボックスを設置すれば、不在時に荷物を受け取ることができるのはもちろん、在宅時にも荷物を受け取ることができます。非対面で受け取りたかったり、家事の最中にインターフォンに出られなかったりする場合でも、宅配ボックスに荷物を入れてもらえます」

雨風や紫外線から
商品を守るという役割も

 宅配ボックスの設置は、荷物の破損、劣化を防ぐ手段としてもおすすめだそうです。

「置き配の場合、玄関先に放置された荷物や食材が雨風や紫外線によって劣化してしまうという不安も。そんな不安を解消するだけでなく、さまざまな理由でご利用いただける宅配ボックスは、これからの時代のマストアイテムになっていくでしょう」

 次回は、さまざまな種類が存在する宅配ボックスの選び方について解説します。

お話を伺った方

京師美佳さん

百貨店のエレベーターガール、セキュリティ企業、防犯ガラスメーカーをなど経て、2005年に独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、防犯対策専門家として防犯アドバイザーとして、マンションや戸建ての防犯のプロデュースや設計、防犯診断、防犯の施工などを行う。4000件を超える相談や診断、企業のセキュリティ商品などの企画・販売戦略のアドバイスを行う一方、テレビ・新聞・雑誌などメディアで防犯の専門家としてコメンテーターとして活躍。全国で防犯の講演を行うなど防犯の啓蒙活動を展開している。一般社団法人全国住宅防犯設備技術適正評価監視機構理事

文◎八木麻里恵
人物写真◎平野晋子
画像提供◎Shutterstock/PIXTA

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