排水管の詰まり対策 A to Z [第3回]

洗面&バスは「髪の毛」が最大の敵。まめな掃除がトラブルを防ぐ!

空間
洗面化粧室
関心
お手入れ悩みお役立ちサービス

洗面所の詰まりの原因・髪の毛対策

クラシアンの住吉健作さん

 身だしなみのときに抜け落ちた髪の毛は排水口内で少しずつ蓄積され、やがて詰まりを起こします。また、石鹸カスは排水栓の上のヘアキャッチャー(ゴミ受け)や排水口内でヌメリとなり、このヌメリに髪の毛が絡みつくと固まりとなってしまいます。ピアスなどのアクセサリー類や小さな歯磨き粉のキャップなどは、ヘアキャッチャーのすき間から流れ落ちることもあります。

 マメな掃除をおすすめするのはクラシアンの住吉健作さんです。
「ヘアキャッチャー自体にネットをかぶせるのも手です。髪の毛が絡みつくので、無理やりにでも掃除をすることになります」
 あまり知られていませんが、洗面台の下でS字に湾曲している部分(排水トラップ)をはずし、髪の毛など詰まりの原因を取り除くこともできるそうです。アクセサリーなどを落とした場合も取り出せます。

キッチン同様、洗面台の下の排水トラップを外せば髪の毛などの詰まりの原因もすっかり取り除ける。

お風呂の詰まりの主犯も髪の毛

 お風呂の排水口内にも排水トラップがあり、臭気や虫などの侵入を防いでいます。しかし一方で、排水トラップは詰まりを引き起こしやすい構造でもあります。洗い場のヘアキャッチャーに溜まった髪の毛などを取り除いても詰まりが解消しない場合、排水トラップなどの排水口内で詰まりが起きている可能性があります。

 お風呂で起こる詰まりの主犯も髪の毛。洗髪で落ちた髪の毛に石鹸カスや皮脂などが絡みつき、それが何カ月も蓄積して徐々に詰まっていきます。ただ、住吉さんにはこのような経験もあります。

「詰まりの原因がわからず困っていたところ、子供のビー玉が出てきたことです。その他、シャンプーやリンスの詰め替えパックの注ぎ口を切り取ったゴミや、カミソリの刃が出てきたこともあります。カミソリの刃は、交換中に流してしまったそうで、これには驚きました」

自分でできるお風呂詰まり解決法

LIXILトータルサービスの郡司匡洋さん

「栓を抜いてもお湯がなかなか流れない」「シャワーを浴びたら足元でお湯が溢れかえった」というときは、お風呂の排水口で詰まりが起きているのかもしれません。そんなとき、試してみる価値のある方法を紹介します。

 LIXILトータルサービスの郡司匡洋さんは、詰まりを予防するメンテナンスとしてアドバイスします。
「まずはヘアキャッチャーを取りはずして排水トラップの掃除をしましょう。部品を分解すると固形物が落ちていたり、汚れの固まりがあったりします。髪の毛や固形物だけではなく、汚れやヌメリもきれいにします。月1回の掃除が目安。排水口のヘアキャッチさえきれいにしておけばいいと思うかもしれませんが、その先の掃除も必要なのです」

 それでも改善しなければ排水管内で詰まっている可能性があるので、パイプ洗浄剤などで汚れを分解させましょう。

プロに依頼すれば高圧洗浄でマスの汚れも一気に取り除いてくれる。生兵法はけがのもとというが、DIY気分で作業して排水管を壊してしまったら元も子もない。

「ただし、完全に詰まっていたり、長年蓄積されて硬くなってしまっている状態では市販の洗浄剤では効果が期待できません。その場合は、真空式パイプクリーナーやラバーカップを試してみることです。ある程度水を張ってから排水口に密着させ、勢いよく引き抜きましょう。トイレ用を使うことに抵抗がある方は、新たに購入することをおすすめします」(住吉さん)

 自分で解消できればいいのですが、トラブルを深刻化させてしまうケースもあります。無理に解決しようとすると排水管を傷めてしまうこともあるので、困ったときは専門的な知識と機材を持っているプロに依頼することも考えましょう。

お話を伺った方

住吉健作さん(右)

水のトラブルとあれば、困ったお宅に急行する現場経験豊富な水まわりのトラブルシューター。現在はクラシアンの法人営業部で現場スタッフの品質向上をサポートする業務に携わっている。

郡司匡洋さん(左)

LIXIL商品の工事業務・修理業務をワンストップで担っている(株)LIXILトータルサービスのメンテナンス部水まわりチームに所属。LIXIL水まわり商品でのアフターサービスの技術、品質面を管理している。

文◎森田健司 撮影◎加々美義人
作業写真提供◎クラシアン イメージ写真◎PIXTA
取材協力◎クラシアン、LIXILトータルサービス

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)