梅雨前に早め早めのカビ対策を![第3回]

湿気に強いリフォームを

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湿気がこもる場所をチェック!

 湿気に強い家にリフォームする前に、まずは家のダメージがどのくらいあるかを確認することが大切です。自分でできる範囲でチェックしてから、建築家やリフォーム業者に相談してみましょう。

 家の中で水がたまったり湿気がこもったりしやすいのは次の6つのエリアです。

窓まわり
 断熱効果が低いサッシの場合、家の中と外の気温差で結露が起き、窓まわりにカビや腐りが発生している場合があります。

テラス
 排水がうまくできず、水たまりになることや、雨が降って室内に水が入ってきた痕跡が見られる場合があります。

キッチン・浴室・トイレなどの水まわり
 水漏れなどが原因で、床がカビる、腐ってぶよぶよになるといったこともあります。

屋根裏
 屋根からはあまり湿気は侵入してこないものですが、屋根に不具合がある場合、雨漏りなどで屋根裏に水が回っている場合があります。そのときは木部が腐っていたり、カビが広がっていたりすることもあります。早めに対応した方がいいでしょう。

床下・半地下
 建物のどこかに水漏れがある場合、床下に水がたまっていることがあります。また、半地下駐車スペースや地下室がある戸建ての中には、排水能力不足やゴミで詰まった排水経路のせいで雨水が流れきらない場合があります。

基礎
 古い家の場合、基礎部分が現在主流の地面をコンクリートで覆うベタ基礎ではなく、土がむき出しの布基礎のケースがあります。布基礎は床下の大部分が土なので、雨水がたまっていたり、湿気が下から上がってきたりすることがあります。
 また、建物の立地がかつては沼地や湿原などだった場合、地盤そのものが水分を含んでおり、雨でできた水たまりがなかなか乾かなかったり、地面から水が上がってきたりすることもあります。

湿気に強い家の条件

 一方、湿気に強い家には次のような要素が備わっています。

断熱性・気密性が高い

 現代的な規格の湿気に強い戸建ては、断熱性・気密性が非常に高くなっています。

窓の結露対策がしっかりしている

 窓の結露を防ぐためにはアルミではなく樹脂製のサッシフレームを採用し、二層・三層のガラスを使ったサッシにリフォームすることが重要です。

 LIXILにはそうしたサッシはもちろん、窓一カ所あたり約60分で施工できる内窓方式の「インプラス」シリーズがあります。リフォームすることで、断熱性・気密性も高まり、結露軽減の効果も非常に高いものになります。

空調・換気性が担保されている

 部屋の広さに見合ったエアコンを選ぶことも重要です。最近のエアコンは除湿能力も高く、省エネ性能も向上しています。エアコンを10年以上使い続けているなら、高性能・高機能の省エネエアコンに替えることを検討してもよいでしょう。リビングや寝室の換気をするファンなどを設置するのもお勧めです。

水まわりの放湿能力が高い

 湿気がこもりやすいキッチンは、換気扇のレンジフードを換気能力が高いシロッコファンタイプに変更するのもよいでしょう。LIXILでは、レンジフード単体の交換なら施工は2時間程度とあっという間に高機能レンジフードに交換できます。

 また、浴室に乾燥機を追加するのも効果的です。入浴後に浴室周辺にこもった湿気を取り除くことができ、洗濯物を浴室で干すこともできるので、リビングルームで部屋干しをせずに済みます。

吸湿・放湿性がある

 かつての日本家屋は、無垢の木材や土壁、漆喰・珪藻土の壁などでできていました。これらの素材は空気中の湿気が多いときは水分を吸収し、乾燥しているときは水分を放出する「調湿性」に優れ、空間を快適にしていました。現代的な戸建ての場合、古い日本家屋よりも高気密・高断熱なので、よりそうした調湿性が求められます。

 LIXILには「エコカラット」という製品があります。

 珪藻土などと同じように、空気中の湿気が多いときには水分を吸収し、乾燥しているときは水分を放出する内壁用の壁材です。非常に高い調湿性能を誇り、性能的には珪藻土の約6倍、調湿性能を持つ壁紙の25倍以上です。結露を抑え、カビやダニの繁殖を抑制する効果が期待できます。

 雨の多い日本。ご自宅のリフォームを考えている方は、この機会にじめじめした季節のカビ対策に神経をすり減らさず、いやな雨の季節も快適な空間で過ごせるリフォームをしてみてはいかがでしょう。

文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
画像◎Shutterstock

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