出会いは一目惚れから
神話によると淡路島は日本で最初に生まれた特別な島。淡路瓦でも有名。海岸沿いのIさんのご自宅前は小さな港で、水産加工業を経営されるご主人の船が停泊する。
全長3,911mの世界最長の吊り橋・明石海峡大橋を渡れば、そこは淡路島。今は陸路で本州と繋がっているとはいえ、やはり、どこか大らかな時間が流れています。島のコーストサイドに建つ、スタイリッシュな2階建の一軒家が訪問先、Iさん一家のご自宅です。
ご主人(46歳)は水産加工業を経営され、奥様と小さい3人のお子さんとの5人家族。2年前に自宅をリフォームした際に、水回りをLIXILに一新されました。今回は暮らしの核となるLDKのキッチンをメインに、いろいろと話を伺います。
まずLIXIL製品との出会いについて尋ねてみると、ご主人曰く「リフォームにあたって、幾つか住宅設備メーカーのショールームを回ろうと思い、最初に行ったのがLIXILのショールーム。エントランスに展示されていたバスルームの『スパージュ』を見て、『これだ!』と。シックなカラーリングに一瞬で魅せられてしまって。おかげで水回りは全てLIXILに揃えることにしました」。
どうやら、デザイン性を気に入ってくださったのが、始まりのようでした。
1. 基本要素のサイズと広さは重要
キッチンからは広いLDKと、窓越しに港まで見渡せる。まさに奥様の特等席。
一方、奥様(39歳)からは、キッチンの「リシェルSI」について、使い手目線のこんなお話が伺えました。まずこだわったのが、サイズとのこと。例えば、台所仕事のベースとなるワークトップの高さについて「5段階から選べたので、自分にぴったりの高さになりました」。小柄な身長に合わせ、一番低い80cmをセレクト。おかげで長時間の立ち仕事が、以前より随分楽になったそうです。
さらに「シンクの幅を最大にしました。主人が食材に魚介類を持ち帰ることが多く、鱗を取っるなどの下ごしらえを全てシンクの中で済ませると、清潔で後片付けも簡単。そのためにも広さが欲しかったんです」。
2. 長年にわたっての使い方を考える
まだ幼いお子さん3人ですが、成長はあっという間。それを見据えてキッチンプランを作成。
もちろんシンクのみならず、キッチン全体の広さも考慮しています。収納クローゼットとワークトップの間隔もできる限り大きく取りました。実はこれ、「将来、子どもたちが大きくなって、一緒に台所に立つ日を思ってのこと。すれ違ったり、並びやすいように考慮しました。シンクの幅を大きくしたのは、このことも理由の一つです」。
ご夫妻には、長男(4歳)、長女(2歳)、次男(1歳)という3人のお子さんがいます。すでに長男は、餃子の皮づくりなどを手伝ってくれるそうですが、この先、キッチンでお子さんたちと共同で料理を作る日が来ることを奥様はとても楽しみにしているとか。
確かに5年、10年先の長期にわたってライフスタイルの変化を見据え、キッチンについても考えることは大切です。特にサイズは後々変更が効きにくいもの。未来の理想図を描いて、そして慎重に、思いを巡らすべき最重要ポイントなのかもしれません。
3. 手をかざすだけのハンズフリーで効率アップ
奥様にとって必須だったハンズフリー仕様の水まわりと、広々としたシンク。
奥様にはリフォームにあたってもう一つ、絶対に外せないものがありました。それが、自動で出したり止めたりできるハンズフリー水栓です。そのこだわりようは、台所洗剤や手洗いソープまで市販の容器を購入してハンズフリー仕様にするほど。理由を伺ってみると、こんな答えが返ってきました。
「魚の下処理やハンバーグのタネを仕込む際に、水栓に触れずに手や調理道具を洗えるので便利で衛生的ですし、お掃除もラク。ハンズフリーに本当に助かっています」
小さなお子さんのいる一家5人の毎日を取り仕切る忙しさは相当なもの。些細な違いが大きな効果を生むという点で、奥様にとっては日頃の仕事のスピードアップにハンズフリーな環境が必要不可欠だったようです。
4. 焼き物ならではの、美しさと強さを備えたセラミックトップ
熱、キズ、汚れに強いセラミックトップも作業効率のアップに役立っています。
一方、実際に使ってみて、奥様が予想以上の便利さを実感したものが2つあるそうです。その一つは、やはりセラミックトップ。当初はご主人の希望もあって外見のスタイリッシュさで選んだものの、今は効率の面でもとても助かっているとのこと。
「熱いフライパンを直に置けたり、切り忘れたトマトをそのまま切ったり、流れを止めずに作業を続けられる。慌て者の私には重宝しています」と満足そうです。
5. 必要品を素早く取り出せるアクセスウィンドー
大容量の収納とアクセスの良さを兼ね備えたキッチンクローゼット。収納物が見やすく、取り出しやすいスライドストッカーも奥様のお気に入り。
そして2つ目が、キッチンクローゼットに付いた機能的な小窓、アクセスウィンドーです。大家族なので当然、収納もスペース内に収まる最大容量に(食料ストックに便利なウォークインタイプのコーナークローゼットも欲しかったそうですが、サイズが合わずに泣く泣く諦めたそう)。
しかし、天井まである大型スライドドアを小柄な女性が頻繁に開け閉めするのは結構大変。そんなとき実感したのが、アクセスウィンドーの有り難さでした。日頃よく使う食器類などは、小窓から簡単に出し入れできるので、ストレスを感じることもありません。
キッチンは家族の毎日の食事を預かる大切な場所。しかしそれ以上に一家の生活の核となる場所ともいえるでしょう。今回ピックアップしていただいた上記の5つ以外にも、ユーザーそれぞれにとってのニーズ、そして考慮すべきキッチンの条件やこだわりがあるはず。リフォームの際にはその思いを叶えられるよう、“こうしたい”をリアルに思い描いたり、情報収集することも大切なようです。
次回は、Iさん一家のキッチンが、リフォーム前のクローズした空間からオープンタイプの対面式になったことで、ご家族の日常にどんな変化があったのか。伺ってみたいと思います。(第2回に続く)
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