さとう
新築のハウスウォーミングパーティですか。素敵ですね。
ご主人
先日やっと引越しが終わったんです。そこで、GWに友人などを招いて、自宅で食事会でもしたいなって思ったんです。私達ふたりそれぞれで声をかけたら、いつのまにか1回のパーティーではすまなくなりました^^;
さとう
楽しい悩みですね。で、ご相談というのはその時にどんなワインを用意するのかってことですか?
奥様
一言でいうとそういうことなのですが、せっかくの機会なのでちょっとしたアイデアも欲しいし、皆さんに少しでも喜んでいただきたいですもんね。毎回同じワインだと私達も飽きるし、お客様の中にはそれなりにお酒に詳しい方もいらっしゃいますから、お料理との組み合わせとかもあれこれ考えてしまうと、結局 決められなくて・・・。
オーナー
さとうさんは、結構パーティとかされているじゃないですか?その時のワインはどうやって選んでいるんですか?
さとう
ホームパーティに限らずですが、僕が自分の会で心掛けるポイントは、
1、お食事はどんな感じになるのか?食事に合わないワインは避けたいし。
2、会の形式はどんな感じになるのか?ちゃんと座って食事をするのか?もっとカジュアルに半立食的にワイワイやるのか?とか・・・ちゃんと座ってワインを味わえる環境ならばそれなりのものを用意するとか、ワイワイもりあがる感じならば、最初から美味しく飲めるタイプの繊細すぎないものにするとか。
3、時間帯、昼なのか、夕方からか、夜がメインかなど。昼だったら比較的軽やかなものを中心にしたりとか。
さとう
4、もちろん予算と量(本数)、ひとり1本を目安にあとはメンバーと会の時間次第。まあ、ひとり一本だと普通は結構飲むほうのメンバーかな。
5、集まりのテーマとか主旨というか、、、、今回は、新築のお披露目ですよね。あとは集まるメンバーとのつながりを少し考えるとか・・・
6、全体を通してのワインセレクションのストーリー性、企画性みたいなもの・・・これはテーマとかそれ以外のポイントとも関係するんですが、何故、それらのワインを選んだのか?について、自分が皆さんに話せるような視点を持つというか。そんな感じです。これを一番大事にしているかな。
ご主人
テーマですか?それってどんなことなんでしょうか?
さとう
単純に言えば、新築お披露目なので、NEWにこだわって、NEW WORLDのワインや作り手の名前にNEWが入っているものにするとか(笑)
ご夫婦
駄洒落ですか?(笑)
さとう
おふたりの最初の作品、第一楽章という意味のOPUS ONEにするとか
オーナー
あまり肩肘張らずに飲むためにはこういうのもありかもしれませんね。でも、もうちょっとワインぽい選択の仕方もありますよね。
さとう
例えば、学生時代のお友達が集まるとするならば、一緒に過ごした年代のワインでそろえてみるとか。まだ、お二人はお若いから、まだ十分買えるものもあるだろうし、全部じゃなくてもメインの一本をそうするとか。皆さんがおふたりのお祝いに来てくれた方ならば、お二人が結婚された年のものにするとか。
ご主人
いいですね。確かにヴィンテージはワインの魅力のひとつですね。私たちの記念の年じゃなくても、いらっしゃるお客様のご夫妻の結婚した年とかだったら喜ばれますね。
さとう
そうそう、そういうことです。今のはヴィンテージを使った例ですが、何度かホムパをされるのならば、それぞれに自分のテーマをクリアにしておくと選びやすいと思いますよ。一緒に旅行した国のワインにしてみるとか・・・。つまりテーブルに話題を投げかける存在になればよいのかなと。
奥様
今度いらっしゃるご夫婦とは一緒に旅行もしているんですよ。
オーナー
最近ではいろいろな国で質のよいものが作られているので、旅行先のワインを集めて旅仲間と飲むなんて楽しいですよね。お料理もこだわったりして。国産のワインもたくさんあるので国内旅行編もできますね。うちはフランス中心ですけど(笑)
奥様
なんか楽しくなって来ました。これならば楽しくワインを選べそう。他には何かありますか?
さとう
エチケット(ラベル)にこだわってみるとか。
ご夫婦
ラベル???
さとう
そう、たとえば、海が好きな仲間が集まるなら海っぽいラベル、動物が好きな人が集まるなら動物が描かれたラベルのワインにするとか。
奥様
確かに、犬や猫の絵柄のものってありますね。同じように考えて、母が来る時はお花の柄のラベルのワインにしてみようかな。
さとう
そうそう、お花シリーズとか。ちょっと高いけど、シャンパーニュにはベルエポックというのがあって、ガレが描いたアネモネの花がデザインされているものもあります。何にこだわってもよいけど、ゲストの方の志向や趣味を考えて、それに沿って選んでいればその話がテーブルを盛り上げてくれますよね。それがワインの大きな魅力だと思うんです。
オーナー
やっぱりさとうさんですね、この手の話は。それはよいとして、もっと基本的なことも少し教えてあげてくださいよ。スパークリング、白、赤のバランスとか・・・。
さとう
ベーシックなパターンでいえば、普通にレストランに行って食事をするように、スパークリング、白ワイン、赤ワインの順番に考えていけばよいと思いますよ。 で、それぞれを食事に合わせることを基本にして。ただ、ホムパの時は、レストランほどかっちりお皿を順番に出すわけでもないでしょうし、いらっしゃる方の時間もばらばらにもなると思うので、スパークリングはウェルカムドリンク的に考えておくとよいかもしれないですね。で、皆が揃ったら、そのまま乾杯!
ご主人
揃うまでに全部飲まないようにしないと(笑)
さとう
一本隠しておくのも技です(笑)
オーナー
全部で何本必要になるのやら(笑)
さとう
仮にお二人を入れて8人とするならば、単純に8本が目安。その場合は、お客様やお二人の好みもあると思いますが、スパークリング3、白ワイン2~3、赤ワイン2~3あたりでしょうか?そのうち1本をハーフボトルでもよいので、最後に普段あまり飲まないデザートワインがあると喜んでくれるかも知れませんね。
奥様
グラスが大変そう。
さとう
そうですよね、店ではないし。僕らでもホームパーティの時はなるべくグラスの数を少なくしようとしています。あまり出してもテーブルが混雑するだけだし、ぶつかって割れてもいけないので。出来ればひとりあたり1脚ですませたい。
ご主人
それは楽ですね。でも、大丈夫ですか?味が混じったりとか・・・
さとう
ワインを飲むために集まったこだわりの食事会ならばともかく、仲間内の集まりなら、ひとり1脚か多くても2脚で使いまわせばよいのではないでしょうか?種類を変える時は軽く水ですすいで、その後に、これから飲むものを少しだけついでグラスに馴染ませる。
オーナー
リンスですね。これから飲むワインで共洗い。僕らもテイスティングの時によくやります。実演しましょうか?
ご夫婦
お願いします。
オーナー
グラスの中のワインを飲み干して、少し水を入れて、スワリングするようにグラスの内側をまんべんなく流して、一度水を捨てる。気になるならば、もう一度水を入れてスワリングすれば確実。で、水を捨てて、これから飲むワインを少し入れて、同じようにスワリングして捨てる(飲む)。これでワインが水を流すので水っぽくならない。
ご主人
なるほど、これならば簡単ですね。ワインも混ざらないし。水が残って水っぽくなることもないし。グラスもたくさんなくてもすむし、ちょっと通っぽい感じがしてカッコもよいですね。
さとう
赤ワインから白ワインに戻すときにはちゃんと水で流しておかないと白ワインがロゼ色になっちゃいます(笑)
ご主人
花見の時、後輩に、赤ワインの後に白ワインを注がれてロゼつくられちゃいました(笑)
さとう
あと、パーティの時には、グラスマーカーを用意しておくと自分グラスを間違わないので良いですよ。席を移動したりして誰のグラスかわからなくなると結局新しいグラスが必要になったりするので。
奥様
よくありますね。で、そのたびに洗い物が増える(笑)
さとう
グラスマーカーはネットとかでも購入することができますし、ポストイットや色のついたラッピングに使うカラータイとかでも代用できます。
奥様
かわいいリボンとかでもよいですね。
オーナー
テープやシールだとあとではがすのが大変になる時があります。経験上^^;
ご主人
なんだかホームパーティがいつもより上手く出来るような気がしてきました。週末にでも今日の話を参考にワインショップに行ってみます。
さとう
パーティの時のワインのそろえ方は、量と種類のバランス、ゲストの事を考えたストーリー、そのあたりを意識できればきっと楽しいテーブルが作れるかなと思います。あとは、グラスと先ほど出たようなグッズ、ちゃんと冷やせるようにクーラーを準備しておけば万全。楽しいパーティになるとよいですね。
オーナー
ところで、次の一杯はどうされますか?
さとう
こちらのご夫婦が結婚された2004年のドン・ペリニヨンのロゼを。
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