ミセス美香の収納&お掃除レッスン

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効率的な日々の掃除計画

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お手入れ時短ラクラク

今回のテーマは”家庭内の掃除の効率的な計画。月に一度ほどする掃除の計画”について書かせて頂きたいと思います。

 日々のお掃除は、掃除機がけとぞうきんを使った水拭きのお掃除ですね。掃除の前にたった一つ冷静に考えて頂きたいことは、乾燥した汚れは乾燥した状態で取り去ることです。いきなり濡れた雑巾を持ってきてしまうと、払えば済んだだけの汚れがべた付きや泥に変化します。

 それから、もし今現在はたき掛けはしていないという方は、埃は動かさない限り落ちませんから、ハンディタイプの化学モップに埃を吸着させるように、優しく埃を払い落して下さい。蓄積した埃に油煙が混じってしまうと、シェードなどは年に一度、大変手間のかかるお掃除項目の一つになってしまいます。目安は3日に一度、掃除機がけの前に・・・。

私のレッスンの特徴として挙げられるのは、家事時間管理術と掃除の効率化というレッスンです。多くの人が収納レッスンを求める中で、どうしても譲れないことなのです。

 家は掃除をしただけではインテリアとして美しくありませんし、物を精選していないと、あっと言う間にリバウンドしてしまいます。

今日は収納の話は致しませんが、家を清潔で美しいという印象に整えるためには、必ずしなければなたないことがあります。さて何でしょう?

・・・その答えは片づけです。

すきまキーレー

片づけは掃除ではありません。また整理収納と同様の言葉として便利に用いられていますが、全く意味が異なります。出したら仕舞う。とても単純なことです。片づけるという行為を面倒に感じてしまうことは、自分の意思でしか変えられません。片づけは毎日の当たり前の習慣として、絶対にやり続けなくてはならないと、しっかり肝に銘じてほしいと思います。 片づけは誰にだって本当は面倒なものです。そのためは散らかりにくい、【使う⇔しまう】のシステムを幼児でもわかるほど単純に作り上げてしまうことです。

 実は掃除という以前に片づけに大幅に時間が取られていたり、片づけと掃除が混同して時間ばかりかかってしまう方が多いので、先にこのようなお話をさせて頂きました。

アルカリ電解水、塩素系漂白剤

さて、ここからはお掃除のお話です。

先月の大掃除で記事にしたような、特別な道具は何も要りません。普段のお掃除は雑巾1枚で足りる範囲のこと。それがハウスキーピングです。最初に埃を落とすことについて書きました。我が家では埃を取るために、ハンディモップとロングモップを用意しています。上の写真は薄さ1㎝以下(!)のロングモップです。高所や冷蔵庫脇の隙間から洗濯機下の防水パンとの境にまでするりと入り込んでいく、まさにかゆい所に手が届く商品です。

ツインブラシ

他に用意するのは洗剤2種、掃除機と濡れた雑巾1枚。洗剤は住まいの汚れ落としのような中性洗剤でも構いませんが、私はアルカリ電解水をお勧めしています。

手垢などの汚れと油汚れの両方に対して有効です。普段はキッチンに置いてコンロ周りのお掃除に役立ててほしいものです。 アルカリ電解水の他には塩素系漂白剤が一つあると便利です。初期のかびや除菌に有効ですので、こちらもキッチンに置くのが良いと思います。

キッチン、洗面台、トイレといった水回りの各箇所には、このような形状のブラシをそれぞれに用意して下さい。どこの100円ショップでも購入が可能です。

柄の形状がしっかりと握りやすく、排水溝の穴にすっぽりと入りますので、ぐるりと1周させればお掃除完了!古歯ブラシでちょこちょことお掃除をするよりも、ずっと簡単にキレイになります。

またトイレの便器の内側もこのブラシで掃除をすると、よくトイレに置いてあるトイレブラシが要らなくなります。水に濡れたまま放置され続けているトイレブラシは雑菌の温床になっています。ツインブラシでお掃除をした後はきちんと洗い、天日干しをして夕方に洗濯物と一緒に取り込むことを習慣にしてしまえば、ブラシをトイレ内の収納庫にしまうことも出来ます。 一つ一つのお掃除時間が短くなった所で、各箇所にかかる時間を具体的に考えてみましょう。一例として

キッチン5分

洗面台3分

お風呂5分

トイレ5分

はたきがけ5分

掃除機がけ15分

 こうして見てみると、それぞれにかかる時間はとても短いことが分かります。フルタイム勤務の場合は、朝は最低限何をして、どれを夜の家事に回すのかを、あらかじめ計画しておきましょう。一人暮らしならば、トイレやお風呂は入った後の習慣にしてしまえば、いつでも清潔で掃除の時間に縛られることもありませんね。

 これらのお掃除を朝に全て行う場合は、上に挙げたことを順に取り掛かるのではなく、行動や理由から無駄がないように、理由と合わせて順番を考えてみます。

1食器を洗った流れでキッチンの掃除

2食器の水切れを待つ間にお風呂掃除

3食器をしまい、キッチンをカラリと拭き上げる(埃が付かないため)

4はたきで上から埃を落とす

5埃が落ち着くまでの時間にトイレ掃除

6掃除機がけ

7自分の身支度まで全て済んだ所で最後に洗面台の掃除

 片づけにかかる時間が大幅に削減され、ちょっとしたコツで各お掃除時間を短縮、尚且つ理由を考えて家事の順番そのものを組み替えていくと、終わりの見えなかった家事が一旦終了します。私は断然朝家事派です。朝のうちに家をリセットしておくと、一日がとても気分よく過ごせるのでお勧めです。

 先月は大掃除について書きましたが、私の家では大掃除はしません。それは、ご質問の”月に一度程度のお掃除”を毎日の掃除時間の中に組み込んでしまうからです。窓掃除も全部やろうとするから大変なのです。今日はリビングの掃き出し窓とベランダの掃除、明日は寝室の窓の掃除、明後日は子供部屋・・・という風に、時間にしたら15~20分で収まる分量に分けて、毎日とはいきませんが3日に一度くらいのペースで回していきます。2か月程たってまた同じ場所にきた時はまだキレイです。キレイでもまた掃除をします。毎日少しずつ手をかけて、維持し続けることがハウスキーピングなのです。

 窓、床、壁、換気扇、家電、庭(ベランダ)など。

 無理なく出来る量に分割して行うと、大掃除は必要がなくなります。毎日の家事に、プチ大掃除をプラス。これが私からのご提案です。

ミセス美香の収納&お掃除レッスン

中村 美香さん

美ハウスプランナー、整理収納アドバイザー、エッセイスト。2009年より自宅にてハウスキーピングサロン『Dolce Tempo』を主宰。同時に個人宅向けの整理収納サービスを行っている。物に支配されない美しい暮らしを目指す独自の整理収納理論が反響を呼び教室は現在8年待ち。雑誌やテレビなどメディア出演多数。主な著書は美的ハウスキーピングシリーズ(KADOKAWA)、幸せな美的ハウスの作り方(祥伝社)。

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)