ロッテルダム中央駅
1つ目は私が在住しているオランダのロッテルダムにある建築をご紹介
オランダと言えば、まず思い浮かべるのが風車やチューリップのように素朴でどこかのどかなイメージを持っている方も多いかもしれません。 ところが建築やインテリア、そのほかさまざまな分野においてもデザイン先進国という一面を持ちます。 オランダ第二の都市であるロッテルダムには、近未来的で柔軟な発想の建築物の数々に圧倒されてしまうスポットがいくつもあるのです。 では詳しく見ていきましょう。
ロッテルダムにあるマルクトハル
こちらのかまぼこのような不思議な形の建物は、「Markthal (マルクトハル)」。なんとこの建物は屋内マーケットと、集合住宅が融合した複合施設です。オランダの建築家集団MVRDVにより建てられ、2015年に完成しました。特殊な形状はもちろんのこと、異色の組み合わせにびっくりする方も多いでしょう。
マルクトハル内部の様子
なかに入るとさらに驚くのが、壁面に描かれた鮮やかな絵。1年のうちでも雨や曇りの日が多いオランダでは、ぱっと明るい気持ちにさせてくれるような雰囲気になります。トンネルのような内部は、両サイドがガラスでしっかりと囲まれているため、天気や季節を気にすることなく過ごせます。また、お土産屋さんからレストラン、屋台のようなブースのほか、地下にはスーパーマーケットもあり、ちょっとした休憩スポットとしても最適。日本食やアジアンマーケットの店舗もあります。
マルクトハル夜のラ イトアップの様子
そして、夜の姿も見逃せません。屋内がライトアップされることで鮮やかな絵が浮かびあがり、その美しい姿は圧巻です。アートや遊び心もプラスされたオランダらしい建築は、ロッテルダムの新しいシンボルとして、街の中心的存在となっています。
<Markthal> Dominee Jan Scharpstraat 298, 3011 GZ Rotterdam
ベルギーのアントワープにある「The Port House(ポートハウス)」
アントワープにあるHavenhuis(ハーフェンフイス)
通称「Havenhuis(ハーフェンフイス)」と呼ばれる港湾局の本部です。
同建築は、世界的建築家Zaha hadid(ザハ・ハディド氏)が手がけています。もともとの港湾局は、各サービス部門が別々の場所にわかれていました。そこで業務的な効率化を図るために1箇所にまとめることが決定し、旧消防署を利用したコンペで選ばれたのがザハ案でした。
コンセプトは「過去と未来をつなぐ」。建物の下部は、歴史的な趣を残した旧消防署そのままの佇まいが残っています。その上部に、大胆で未来的な部分を増築し、融合させているのがポイントです。「ダイヤモンドの街」と呼ばれるアントワープを象徴するような、ガラスがキラキラと輝く姿が印象的です。
別の角度から見たHavenhuis(ハーフェンフイス)
別の角度から見ると、港から出航する船のようでもあり、まるで未来へと突き進んで>いくような力強さも感じられます。まさに「過去と未来をつなぐ」というコンセプトにふさわしいデザインです。 2016年秋に完成したばかりのポートハウス。この建物がもうまもなく完成するという時期に、ザハ氏は病により突然この世を旅立ってしまいました。彼女の遺作となったこのエリアは、「Zaha hadidplein(ザハ・ハディドプレイン)」という彼女の名を冠した住所となっており、現在は、数多くの人が訪れる名所となっています。
<The Port Authority> Zaha Hadidplein 1, 2030 Antwerpen
最後にご紹介するのはドイツのケルンからほど近いデュッセルドルフ
デュッセルドルフの街並み
観光地としては控えめな都市ですが、実は欧州最大の日本街を持ちます。欧州から人々が訪れるようなジャパン・フェスティバルがあるほど、日本とのかかわりが深い都市です。 近年、同都市で注目されている「Medienhafen(メディエンハーフェン)」というエリアがあります。川を挟んで対岸沿いに、どこを見ても奇抜でユニークな建築がずらりと並ぶエリアです。
Medienhafen(メディエンハーフェン)エリア
特に目をひくのがこちらのオフィスビル。遠くから見ても、近くで見ても、直線のないぐにゃぐにゃの建物。この建物は、>アメリカ人建築家Frank・O・ Gehry(フランク・ゲーリー)によるものです。 同氏は、建築的なバランスや、直線の見られない奇抜で大胆な作品の数々で、これまで世界中を驚かせ続けてきました。3棟が並ぶこちらの作品は、素材や表情の異なる存在感が一際異彩を放ちます。 レンガ、金属、石膏で仕上げられた建築は、まるで布のようなやわらかさや、地面からにょきっと生えて来たような力強さを感じます。一体どうやってこのアイデアが生まれたのか、形になったのかと想像力をかき立てられてしまいますよね。
Frank・O・ Gehry(フランク・ゲーリー)による建築
メディエンハーフェンにはほかにも、どこか普通ではない、大胆で個性の強い建物ばかりがそろっています。鮮やかな色を取り入れたたものや、写真のように人形が壁面を登っていく遊び心のあるビルもあります。ひとつひとつ見入ってしまいながら歩くと、あっという間に1日が終わりそうです。 かつては風景に乏しい港湾用地だったエリアですが、再開発によってオフィスが進出し、レストランやカフェ、ホテルなどもできてきました。そうした変化により、一気にモダンでクリエイティブな注目エリアへと生まれ変わっています。 歴史的な旧市街エリアも近く、近代的な風景との対比が楽しめるデュッセルドルフ。歩いているだけで目を楽しませられるワクワクする都市です。
デュッセルドルフにある建物
<Medienhafen> Franziusstraße 7, 40219 Düsseldorf
いかがでしたか?ときに想像力を超え、わっと驚く感動を得られるダイナミックな建築。アイデアが形になったとき、建物だけでなく街まで変えてしまう力にはエネルギーがあふれていますよね。
ヨーロッパへ訪れる機会があれば、歴史的な街並みや観光地のほか、ユニークな建築もぜひ訪れてみてくださいね。
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