今回座談会に参加してくださった方
Aさん
リフォームショップマネージャー。25年のキャリアを持ち、依頼主の立場に立った安心・丁寧なマネジメントに定評がある。
Bさん
リフォームショップマネージャー。一級建築士としての経験と知識を生かして、暮らしやすさを第一にした多彩なプランを提案している。
Cさん
リフォームショップ勤務後、リフォームコンシェルジュも経験。さまざまなリフォーム希望のお客さまの相談にのっている。
――今、住んでいる家をリフォームする場合、生活の場で現地調査をすることになりますが、困ったり驚いたりした経験はありますか?
Cさん
担当させていただいたある方は、上の階の水漏れでやむなくリフォームをすることになったので、同情してしまうところはあるのですが、片付けをしない限り、工事には取りかかれないといった状況がありました。一旦ご説明して、すぐのリフォームは取りやめをさせていただきました。
Bさん
あ、わかります。そこまでではなくても、キッチンと洗面所の配管の位置にたくさん荷物が置いてあって、全部出すのに結構時間がかかってしまったということはありますね。
Aさん
お客さまとしては、現場調査のときにどこを確認されるのか、わからないから仕方ないです。事前に「ここの物、出していいですか?」とお願すると、次回は点検しそうな箇所の荷物を出しておいてくださる方もいます。
Cさん
長年住んでいるお宅だと、いろいろ出てきますよね。大人になったお子さんが小さい頃に使っていたお弁当箱とか。
ありのままの生活を見るのが現地調査の意義
Bさん
現地調査では普段はあまり開け閉めしないところも見るので、床下収納が開かずの扉状態だったり、ブレーカーの扉を開けると埃だらけだったりということもありますね。
Aさん
開けたついでに、軽く掃除したりしてね。
Bさん
私たちは慣れているから汚れていても気にならないのですが、お客さまは戸惑うみたい。逆に、こちらとして困るのは、現地調査に備えてきれいにし過ぎてしまっているお宅ですね。学校の家庭訪問のときのように、あらゆる物をとりあえず寝室などに押し込めている。私たちとしては普段の生活の様子がわかったほうが、的確なリフォームプランを立てられるのでありがたいんです。
Cさん
そうそう。物があふれて困っているなら、そのための収納プランを考えられますもんね。普段の状況がわからないと、提案を間違えてしまうこともあるんです。
Aさん
たとえば、キッチンをリフォームする際にも調理道具などがどれだけあるのか、主に誰がどう使っているのかといった情報も欲しいですよね。ご主人がよく料理をするのか、お子さんと一緒にキッチンに立つことが多いのかといったことで、プランは変わってきますから。
イメージ画像:キッチンの通路が狭いと冷蔵庫を入れられないことも。リフォームプランを組むときには必ず搬入経路も確認しましょう。
大型家電の搬入経路は要チェック!
Cさん
家具や家電を一新する場合も、伝えてもらえるとありがたいですよね。プランを組むときに置き場の確保や、搬入経路を考えなくてはならないので。
Aさん
お客さまのご要望をもとに設計したら、「あれ? 冷蔵庫はどこから入れるんだろう?」というケースが、これまでに2件ありました。どちらもキッチンが2階にあって、階段や廊下が狭く、どうやっても搬入経路がとれない。
Cさん
結局、どうしました?
Aさん
1件はクレーン車で吊って2階の窓から入れましたが、もう1件は冷蔵庫の横の収納を取り外して入れるしかなったですね。買換えの時に入らないことは事前にお伝えして、お客さま自身、「それでもいい」と了承されていたので問題にはならなかったですが。
Bさん
私も似たような経験がありますよ。洗濯機置き場に指定された場所までの通路に、腰ぐらいの高さの棚があって、明らかに狭い。洗濯機を高く持ち上げればなんとか通らないことはないけれど、一体誰が持ち上げるんだろうって。
Cさん
ドラム式に買い替えたのだけれど、入らないということもありますよね。ドラム式って意外に大きいので。
Bさん
「家具や大型家電が入らなくなるリスク」に気づいていながら、知らんぷりで引き渡してしまうリフォーム業者もあるみたいですよね。
Aさん
そうなんですよ。別の会社でリフォームした方から、「冷蔵庫を買い換えようとしたら、出すことも入れることもできない」と電話がかかってきたことがあるんです。リフォームした会社に相談したけれど、相手にしてもらえなかったと言っていました。
Bさん
ええ、それはひどい。
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