紫芋のミニ・タルト
ハロウィン・パーティーと言うからには、ハロウィンらしい色であったり、シンボルであったり、ハロウィンっぽいものを取り入れて雰囲気を出したいもの。せっかくお子さま抜きのパーティーなのですから、ちょっとオトナな感じに。
このタルトも、いかにも、と言う紫ではなく、シックなワインカラーにしてみました。安納芋をベースにした淡いオレンジ色のペーストに、市販の紫芋パウダーを混ぜて作っています。それを市販のミニ・タルトカップに絞り出し、あらかじめ焼いておいたコウモリ型のココアクッキーを乗せて、最後に真珠のようなアラザンを散らしたら、まさに「食べる宝石」になりました。
Point !
いつものスイーツを小さく作ってみる
紫芋のタルトのレシピは、インターネットの料理検索サイトにいろいろなものが載っています。すでに皆さまご自身もお得意レシピをお持ちかもしれません。それを、フィンガーフードとして小さくかわいらしく作るだけでぐっとおしゃれになります。また、ハロウィンが近くなると、お店には様々なグッズが並びます。ハロウィン用ケーキピックやマスキングテープなど、フィンガーフードのデコレーションに使えそうなものもたくさん。ぜひ、探してみてくださいね。
パンプキン・チーズケーキ
ハロウィンといえば、カボチャ。やっぱりこのオレンジ色を入れて雰囲気を出したいですね。同じレシピのカボチャのチーズケーキですが、2種類の器で作ってみました。左はミニ・ココットでスフレ風に。粉糖を雪のようにかけて。右はドイツの「WECK」という保存容器の極小サイズのもので、プリン風に。真ん中にパンプキン・シードを飾ります。どちらも直径5cmほどの小さな器です。
Point !
小さな器を揃えてみる
100円ショップや雑貨店、デパートの食器売り場などで小さな器を見つけると、フィンガーフードに使えないかとあれこれ思いを巡らせます。意外に食器売り場ではないところで掘り出し物が見つかることも。白い小さなココットやWECKのような蓋つきのガラス器なら、フィンガーフード以外にもソースやはちみつなどを入れたりして使えますし、いくつか持っていてもいいかもしれません。
ハロウィンは、古くはケルト人の祝祭日で、ご先祖さまの魂が家に帰ってくる日だったのだそうです。ただし、ご先祖さまたちだけでなく、悪い霊たちもこの世に降りてきてしまいます。そんな霊たちに取り憑かれたら大変、と魔除けのために炊いたかがり火。それがジャック・オ・ランタン、あのカボチャの提灯の始まりなのですって。
また、ホラーな流血のメイクや仮装をするのも、悪霊にとりつかれないように、彼らの仲間に見せかけるための扮装なのだそうですよ。
ハロウィン・パンナコッタ
ビターなコーヒーゼリーと2層のパンナコッタ。ユーモラスなガイコツのクッキーは、市販のプチ・クッキーにチョコレートペンで顔を描いただけですが、ちょっとハロウィンっぽくなったでしょう?
Point !
ゼリーはアガーで固める
今回はティーパーティーですので別ですが、フィンガーフードは、前菜からデザートまで一度にテーブルに並べてしまうことが多いので、デザートはどうしても長時間テーブル上に置いておかれることになります。ゼラチンを使ったゼリー類は、暖房の効いた部屋では、しばらく置いておくと溶けてサラサラになってしまいます。
フィンガーフードのおもてなしでは、そういう場合によく使われるのが、アガー。
アガーとは、海藻を主原料としたゼリーの素。透明度が高く、ぷるんとした柔らかい食感が特徴です。アガーを使ったゼリーは、ゼラチンと違って常温で固まり、暖房の効いた室内でも溶けないのです。ただし、アガーの粉末は水に溶かすときにとてもダマになりやすいのが難点。あらかじめ砂糖など材料の一部とよく混ぜてから水に振り入れるように注意しましょう。
そして、作業は手早く。ぐずぐずしていると室温で固まってしまいます。
おたまやスプーンはNG!
また、ゼリー液をガラス容器に注ぐ際には、おたまやスプーンでは扱いづらく、容器の縁を汚してしまいかねません。注ぎ口のついたメスカップなどに適量を移し替え、そこから注ぐようにすると、手早くきれいにできます。これはゼリーの場合だけでなく、スープやソースなどを小さな容器に注ぐ際にも言えることですので、メスカップをうまく使いましょう。
ダークチェリーのホラーケーキ
次は、ダークチェリーのチョコレートケーキです。ハロウィンらしく、ホラーなテイストで。台は普通のチョコレートケーキにお酒を染み込ませたもの。そこへ缶詰のダークチェリーを乗せて、とろりと煮詰めた血のようなシロップをかけたら楔のようなピックでグサリ。中世の拷問のイメージです。悪趣味かしら。でも大人のハロウィンならこのくらい刺激的でも。
Point !
シリコン型を活用する
ケーキは、シリコンの型に入れて焼きました。小さいものがいくつも一度に焼けますし、型に油を塗らなくても中身が簡単に外れてくれるので便利です。タルトカップを作るときのように、生地をしっかり押しつけて形作りたい場合には、柔らかいシリコン型ではなくて、アルミの型を使います。いろいろな形や大きさの型が売られていますが、まず一つを選ぶなら、直径4cmくらいの浅い円柱型がオススメです。ケーキはもちろん、ご飯を型抜きしたり寒天の型にしたりと、小さなサイズのフードをたくさん作るときにとても活躍してくれます。
ハロウィン・フィンガースイーツ全員集合。なんだかオーケストラのようですね、笑。普通のチョコレートケーキもパンナコッタも、小さく作ってかわいく飾れば、特別な世界の主人公に変身します。忘れかけていた子どもの頃の遊び心を持って、自由に創造してみてくださいね。
そして、ハッピー・ハロウィン!皆さまのパーティーが、楽しくありますように。次回は「クリスマスを彩るフィンガーフード」をテーマにお送りします。
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