

藤山:もう10年くらい前の話ですけど、「最近のお施主さんはみんな、洗面室をホテルみたいにしてほしいって言うんです」って、いろいろな設計者から聞きましたけど、そういう要望っていまも多いのでしょうか?
鈴木:「ホテルみたいに」というのは、端的に言い換えれば「横幅」と「明るさ」に尽きると思う。私が設計する洗面室は、そもそもホテルみたいに大きな鏡をつけているし、明るさもばっちりだし、モノがたくさん置けるカウンターもつくるから、いってみれば最初からホテルみたいな洗面台になっている。だからというわけでもないのだろうけど、「ホテルみたいに」と言われたことは一度もないね。
藤山:そうですか。
鈴木:結局、モノが置ける洗面台というのが、いちばん使い勝手がいい。