最後、3つめのお悩み。
「洗面所もキッチンも値段にすごい差がありますが、何がそんなに違うのでしょうか」とありますが……。
鈴木:これは「リクシルさんにお尋ねください」がベストの答えだろう(笑)。
藤山:材料のグレードが違うとか、そういうことですよね、きっと。
鈴木:実をいうと洗面台もキッチンも、普段の設計で既製品を使うことがほとんどないから、私はそのへんの事情にあまり詳しくない。きちんと答えられなくて申し訳ないです。
藤山:では、つぎのお悩み。これも、「どっちが良いですか?」系です。
みっちーのパパさん
「節電意識が高まるなか、太陽光発電や薪ストーブに注目しています。本当に節約になるのは、太陽光発電それとも薪ストーブ、どちらでしょうか?」
鈴木:なるほど。このお悩みは郊外と市街地ではかなり条件が異なるからなぁ……。まず太陽光発電だけど、これは太陽光パネルをかなり広い面積で設置しないと期待以上の効果は上がらない。いまは中国製、韓国製のパネルも普及し始めてだいぶ価格が下がってきたけど、それでも設置にかかるイニシャルコストを売電で取り戻すのはなかなか難しい。「自分は電力会社から電気を買うのがイヤだ」みたいな確固たる主義主張があって設置するなら別だけど、元を取ろうとして設置するのはあまりおすすめしないです。特に都市部では隣家の日陰になる時間帯があるようだと発電効率がかなり下がるから。
藤山:節電はともかく、お金の節約という意味では期待しないほうがいいかもしれませんね。薪ストーブはどうですか?
鈴木:これは、基本的には趣味のものだと捉えたほうがいい。特に都市部では、煙突から煙が出るせいで近隣からのクレームが多い。使うときの時間、曜日に制約が出るよね。あと、煙突の掃除を怠ると火災の原因になるから、少なくとも年に1回、屋根に上って掃除をする必要がある。専門の業者に依頼して毎年3万円くらいの出費。それから、燃料となる薪が手に入りにくい。うちのお客さんで薪ストーブを使っている人はどうしているかというと、当初は山に行って「軽トラの荷台いっぱいに積んで○円」みたいな単位で薪を買っていたらしいのだけど、だんだんその費用がバカにならなくなって、近頃は自分で山に行って、貰えるところを見つけて、自分で適当な長さに長さに裁断して、運び、自宅の軒下にぐるっと一周積んで、乾燥させて使っている。毎年春くらいから冬の薪の仕込みを始めている。
藤山:伐採する木は、誰が所有している木なんですか?
鈴木:街路樹を剪定したときに処分した枝があるじゃない?あれをまとめてストックしている場所があるわけ。そこに出向いて、必要な分だけ自分で小さく切って持って帰る。それはタダなんだって。だから、燃料の薪を確保する作業をいとわない人、なおかつその作業を趣味として楽しくやれる人。そういう人でないと長続きしないかな。