藤山:とはいえ、古い団地の断熱改修となると、工事はそこそこ大掛かりになりますよね。お金もかかります。
鈴木:仮に、壁を全部剥がしてフルリフォームできるのなら、コンクリートの躯体に発泡系の断熱材を隙間なく吹き付ければ万事解決。でも、そこまでお金をかけられる人はなかなかいないかもね。
藤山:温度差を解消する方向での対策は行き詰まりますね。
鈴木:そうなの。だから古い団地などの場合は話が振り出しに戻って、いったん保留にした「相対湿度を下げる」方向で何かできないかを考えていくことになる。
藤山:実は今回の相談者で、すでに結露対策を相当がんばっている方がいらっしゃるんです。その方のお悩みをここでご紹介します。
miyaの妻さん
「冬になると北側の部屋の冷たい壁、床、そして玄関のドアが結露します。窓には断熱のビニールを貼り、カーテンは床に届くよう長くし、クローゼットや壁に扇風機の風を当てたり、断熱吸湿効果を狙って段ボールや新聞を壁や床に立てかけたり貼りつけたりしますが、それでも1カ月ごとに段ボールなどを取り換えなければならないほどぐしゃぐしゃに濡れてしまいます。無駄に暖房をいれることはしたくありません。費用対効果を考えた安価な対処法を教えていただけると嬉しいです」
鈴木:この方はよく分かっていらっしゃる。
藤山:やるべきことはすべてやってますって感じですね。でも、段ボールがぐしゃぐしゃになるほど濡れてしまうというのは相当へこみますよ。
鈴木:これだけ手を打って改善しないというのは、そもそも室内に大量の湿気があるからではないかな?もし、お宅におじゃまできるのなら、その水蒸気の発生源をまず突き止めたいね。
藤山:部屋の中で洗濯物を干していたりして?
鈴木:そういうものが発見できれば、まずはその改善から。
(つづく)
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