

藤山:きょうはお悩み相談の後半です。まずは、結露についてのご相談からいってみましょう。
たこすさん
「昭和40年代建築の団地に住んでいます。管理状態がよく、定期的に大規模改修があります。昨年すべての窓が二重サッシになり、隙間風や騒音が入ってこなくなって嬉しかったのですが、気密性がよくなりすぎて冬場の結露がひどいのです。壁もカビてきているので、何とか対策をしたいと思っています。いい考えを教えてください!」
鈴木:これは、古いマンションの改修でよくある話だね。二重サッシにしたことで、その家の弱点がそれまでのサッシ廻りから壁に移動した。
藤山:気密性が高まったことで湿気の逃げ場がなくなって、壁が結露するようになったと。
鈴木:そもそも結露が発生する条件を整理しておくと、まず一つは室内の水蒸気量、もう一つは内外の温度差。水蒸気を含んだ空気が、壁や窓の表面温度に触れて露点温度以下になると結露が発生する。ということは、相対湿度を下げるか、温度差を解消するか、このどちらかができれば結露は発生しにくくなる。ただ、相対湿度は室内に人がいて呼吸をしているだけでも上がるから、このコントロールは一筋縄ではいかない。なので、通常は温度差の解消に取り組んだほうが手っ取り早い。そのための手段が、いわゆる断熱性能・気密性能の向上。室内と屋外を隔てる壁、床、屋根などに断熱材を入れ、かつ気密性を高めることで温度差を解消する。