藤山:建物のコーナーに吹抜けを設けるのはNG。
鈴木:ほとんどの場合はそうだね。床面の真ん中に孔をあけるのであれば、周りに残っている床ががんばってくれるから、地震力や風圧力になんとか耐えられるかもしれない。床が首の皮一枚つながっている状態。だけど、建物のコーナーに吹抜けを設けると、構造計算した結果たいていの場合アウトと出る。
藤山:ちく○さんの家がどういう間取りか分かりませんが、「1階のリビングから吹抜け構造に」とあるので、条件的には厳しいかもしれません。
鈴木:もし、コーナーに吹抜けを設けるのなら、吹抜けの周りに改めて耐震上「効く」柱を建てて、外からの力をスムーズに流せるような補強が必要になる。あるいは、吹抜けの中に金属製のブレースなどを入れて補強するとか。
藤山:可能性としては、リフォームで吹抜けの新設はかなり厳しそうですね。そうなると、鈴木さんだったら吹抜けの代わりにどういう工夫で開放感みたいなものを演出されます?
鈴木:もっと外からの光を取り込みたいのであれば、窓の位置やサイズを調整するのも一つの手段。だけどその代わり、断熱・気密の工事がしっかりできていない家だと、新しくつくった窓のせいで、冬は窓側から冷気が降りてきて部屋が寒くなるとか、夏は直射日光が入りすぎて暑くなるとか、それまで起こらなかった新たな問題が発生するおそれもある。そういうことも踏まえて、総合的に判断しないとダメですよと伝えておきたい。
藤山:ちく○さん、ぜひそのあたりも含めて、専門の建築士に総合的に判断してもらえればと思います。
(おわり)
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