

鈴木:うちの事務所のホームページで、たまに日記を書いているの。
藤山:ええ、存じてます。
鈴木:そこで「セカンドオピニオン」の話をアップしたら、立て続けに「うちの間取りも見てほしい」というお客さんがいらっしゃって。
藤山:いま設計を進めている自宅の間取りが、 本当にこれでよいか、鈴木さんの意見をうかがいたいという依頼ですか?
鈴木:そういうこと。
藤山:どうでした?
鈴木:一人は、横浜の大きな工務店とすでに細部まで設計が進んでいる50代の奥様。素人目に、「こんなに大雑把な間取りでいいの?」と感じられていて、でもどうしていいか分からずに悶々としていたらしい。で、図面を拝見したら、これが隙だらけのひどい建物で。
藤山:ひどい建物(笑)。
鈴木:2階建てなんだけど、1階リビングの上がドーンと吹抜けになっていて、南面に大きな窓が上から下までバンバンバンっと。ただ夏暑いだけみたいな家。無駄に高い天井に意味のない吹抜け、掃除もできなくて困るだろうに……。「どうして工務店の人はこういう間取りにしたのでしょうね」と言いながら、私だったらこうするという間取りをその場でささっと描いてさしあげた。
藤山:あまりに気の毒で。
鈴木:工務店の人は、ほかの設計者に図面を描いてもらったと言われると気分が悪いだろうから、「建築学科に通っている甥っ子に図面を見せたら、こういう間取りもアリなんじゃない?と言われた」というストーリーにして。
藤山:すぐばれそうなウソを……。