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鈴木:最近、「持たない暮らし」というのが注目されているじゃない?
藤山:ああ、必要最低限のモノだけで暮らす人たち。ミニマリスト。
鈴木:そこまで徹底していなくても、いまどきの若い世代は総じて持ち物が少ないといわれている。私たちの若いときみたいに、大きなステレオセットが置いてある家はほとんどないし、ウォークマンはスマートフォンの中に吸収されてしまった。音楽はダウンロードして聴くようになったし、マンガは電子書籍で読んでいる。
藤山:人にもよるでしょうが、全体の傾向としてモノのサイズが小さくなったり、形態が変わったりしているのは事実ですね。
鈴木:だから、若い世代の家は、さぞやすっきりしているに違いないと思うじゃない?
藤山:ええ、まあ。
鈴木:でも、案外そうでもないんだよ。新築の打ち合わせで30代前半の夫婦のマンションにおじゃますると、まず驚かされるのがベッドのサイズが異常にデカイということ。
藤山:どの家もですか?
鈴木:そう。ダブルベッドを2つか、大きめのセミダブルを2つ並べている家がほとんどで、寝室の圧迫感がハンパない(笑)。ちっともすっきりしていないわけ。
藤山:それって全国的な傾向でしょうか?それとも、鈴木さんのお客さんだけ?
鈴木:さあ、どうだろう。狭いマンション暮らしだけど、せめてベッドくらいは……って、大きなベッドに安らぎを求めているのかな、と勝手に想像しているわけだけど。
藤山:もしかして、こうじゃないですか。「室内に置かれるモノの表面積は、時代が変わっても常に一定に保たれる」説。何かが小さくなれば、何かが大きくなる。ステレオセットがなくなれば、ベッドが大きくなる。テレビが薄くなれば、PC的な機器が増える。結局、住まいの余白は一定に保たれる運命なんですよ。
鈴木:なるほどね。でも、どうしてベッドが大きくなるのだろうか……。