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鈴木:間取りを考えるとき、磯野家タイプは十分検討に値する間取り。ただ、座れる場所がダイニングチェアしかないと不便だから、ところどころに1人用のソファや椅子を設けられればベター。
藤山:少なくとも、大きなソファはいらない、と。
鈴木:だけど、ソファという家具は座る・座らないだけでは語れない、もう一つ重要な側面も持っているんだな。
藤山:どういうことですか?
鈴木:普段、お客さんと話していて感じるんだけど、ソファというのは住まいにおける「憧れの象徴」でもあるんだ。家具のなかでも特別扱いされていて、「新築=ソファを買う」といってもいいくらいの存在。
藤山:ああ、なんとなく分かります。
鈴木:費用耐効果でいえば特になくても構わないのだけど、それとは別の文脈で、長い人生、一度は気合いを入れてソファを買わなければならないときというのが誰しもあるわけ。そこをおろそかにしていると、死ぬ間際になって、「そういえばオレ、ちゃんとしたソファを一度も買わなかったな」って後悔するんだから。
藤山:さすがにそれはウソでしょ(笑)。
鈴木:いやいやホントだって。
藤山:実際、鈴木さんのお客さんはどうですか。新築のタイミングでソファを買われる人は多いですか?
鈴木:それは、はっきり2パターンに分かれる。なぜかというと、間取りの打ち合わせって、A案、B案、C案の3つくらいを提案して進めていくのが一般的じゃない?A案は、オーソドックスにLDKを配置したノーマルな間取り。そこから、玄関をもっと広くしたい、ウォークインクロゼットがほしい、洗面室を広めの家事室に変更したい、と要望が次々に出され、それに対応してつくられるのがB案やC案。そのとき削られる部屋が、たいていリビングなわけで……。
藤山:リビングが削られればソファを置く余地もなくなるから、B案やC案を選んだ人は当然ソファを買わない、と。