藤山:近くに置くってどういうことですか?
鈴木:さっきの、キッチンの横に子供部屋をつくるなんていうのがまさにそう。「自分の目が届く範囲に」という意図もあるけど、言い換えれば「自分がかくまっている」とも言える。
藤山:おぉ、社会学っぽい話。
鈴木:でもそれって、親にも子にも双方にメリットがあったりするわけ。子供はお腹がすいたら冷蔵庫をあさってパッと自分の部屋に戻って来られる。お母さんはご飯ができたらすぐ隣の子供部屋に持って行ける。
藤山:そういうのも、「家事ラク動線」って言うんですかね。
鈴木:普通だったらさ、「飯のときくらい部屋から出て来い!」って怒鳴りたくもなるじゃない。でも違うんだ、そういう子をもつ親心というのは。
藤山:だとしたら、さっきの説はあっさり崩れるなぁ。親に干渉されるのが嫌で独立心が芽生えるというのはウソかもしれない。
鈴木:お母さんは、「がんばろうね」って言うだけだから。「納得する仕事が見つかるまでいつまでもいていいからね」って。「お母さんがんばるから」って。
藤山:そう言われると、いつまでも家にいていいような気がする。
鈴木:なんでこういう話になったのか分からないけど(笑)、子供がきちんと独立できる家というのは、今後家づくりの大きなテーマの一つになるかもしれない。
藤山:なかなか興味深いので、次回は引き続き、子供部屋の話をうかがいましょう。
(おわり)
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