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鈴木:もちろん、フローリング以外にも選択肢はあって、代表的なものだとコルクを敷くという手がある。ただ、コルクはフローリングに比べてはるかに高額というのが難点。それに、見た目が嫌いという人もけっこう多い。
藤山:なるほど。で、最終的にはどのへんが落としどころになるのですか?
鈴木:普通のフローリングに落ち着く。
藤山:普通って?
鈴木:犬がいるとかいないとか関係なく、ただ、好みのフローリングを選んで終わり。そうはいっても、犬のことは多少気にかかっているわけ。こちらもそれが分かっているから、「犬用のすべり止めワックスもありますので、もしアレでしたら……」と付け加えるのを忘れない。すると、「あっ、そういうものがあるの」って急に晴れ晴れとした表情になる(笑)。
藤山:塗る塗らないは別にして、とりあえず犬の不安は解消された、と。
鈴木:実際、何年か後にワックスを塗った家もあるの。ワックスといってもノンスリップワックスだから、板の表面がザラザラになって、何度も使ったセロハンテープみたいに若干ペタペタが残っている感触。ただ、いかんせん、そのペタペタに犬の毛やほこりがみんなくっついちゃうんだよね。掃除が大変。
藤山:痛しかゆしですね。
鈴木:もちろん、ワックスは塗りたくないという人もいる。そういう人は、赤ちゃんがいる家庭に敷いてあるようなジョイントマットを敷いていることが多い。
藤山:ああ、カラフルなジグソーパズルみたいなやつ。
鈴木:そう。たいていその上で犬は寝ている。やっぱりフローリングより居心地がいいんだろうね。まあ、いろいろ試行錯誤をしてきたけど、人間と室内犬がウィンウィンで共存できる床というのは、いまだに決定的な解決策がないというのが、私個人の見解。
藤山:そんな鈴木さんに追い討ちをかけるようで申し訳ありませんが、犬の問題といえばもう一つ、「よだれが垂れる問題」もありますよね。
鈴木:ああ、そうだね。よだれも非常に悩ましい問題。よだれで床が汚れたら、そのつどふけばいいのだろうけど、現実にはそんなに頻繁に掃除はできない。そういう意味では、多少なりとも掃除のしやすい床材ということで、やっぱりフローリングがいいのではないかと思えてくる。
藤山:話が振り出しに戻りました(笑)。
鈴木:結局、そうなるんだよ。脚すべり問題を解決しようと思ったらフローリングからどんどん遠ざかっていくし、よだれ問題を解決しようとすれば、フローリングにどんどん近づいていく。
藤山:あちらを立てればこちらが立たず。
鈴木:あと、「トイレ問題」にもいろいろ悩まされてきたよ、犬の場合は。
藤山:トイレで悩むのって、犬より猫のほうかと思っていましたが。
鈴木:もちろん猫のトイレも大事だけど、犬にはまた猫とは別の問題があるの。その犬が大型犬なら散歩のついでにトイレも済ませられるけど、小型犬だったらそういうわけにもいかない。だから、家の中にトイレを設けましょうという話になるんだけど、犬のトイレがリビングの片隅にあったら、環境衛生上あまりよろしくないじゃない?
藤山:まあ、そうですね。